ドル高基調変わらず、本日も米指標発表注意
〇本日のドル円、緩やかな右肩上がりで157.25レベルまで上昇、「寄り付き安・大引け高」の様相
〇明日の日銀会合をにらみつつ、ドルの買い戻しが終始優勢に
〇昨日は米CPIを受け1円を超える急落後、FOMC結果発表でV字回復に
〇テクニカルには、昨日155円台まで下落するも下値トライは失敗、ドルは底堅い値動き継続か
〇本日は米5月PPI、新規失業保険申請件数の発表に要注意
〇ドル高・円安方向、一昨日高値157.40が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、21日移動平均線が位置する156円半ばの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが堅調裡。昨日NY時間に一時155円台まで大きく値を下げたが、本日東京では157円台と元のレベルまで回帰している。
ドル/円は156.70円レベルで寄り付いたのち、おおまかに言えば「寄り付き安・大引け高」の様相。緩やかな右肩上がりをたどる展開で、157円を超えると夕方には日中高値の157.25円レベルまで一時値を上げている。明日の日銀会合をにらみつつ、ドルの買い戻しが終始優勢だった。16時現在では157.15-20円というドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日は発表された米消費者物価指数が予想を下回ったことが嫌気され、ドルが急落。対円では157円台から155円台へと1円を超える下落となった。しかし、そののち注目の米FOMCの結果が発表され、現行金利の据え置きは予想通りながら、先行きについて2024年の利下げ回数をわずか「1回」と予想したことがポジティブサプライズに。ドル/円相場は一転して買いが殺到すると、結局1円強とVの字型の急回復をみせた。なお、パウエルFRB議長は先に発表された米消費者物価についてもコメントで触れ、インフレ低下を歓迎したものの「現時点での利下げを正当化するほどではない」と発言している。
対して後者は、13日から始まるG7サミットにおいて「ロシア凍結資産の活用検討」、ウクライナ支援拡大などの議論もなされると発表されるなか、米財務省による「ウクライナに侵攻するロシアへの追加制裁」が発表されている。また、サリバン米補佐官から「米ウ首脳会談が開催され、安保協定で署名する見込み」とも伝えられていた。そうしたなか、アルメニア首相がロシア主導軍事同盟からの脱退を明言するなど、ロシアの孤立無援化が進行しているようだ。しかし一方、韓国政府高官の発言として、「プーチン大統領が数日内に北朝鮮を訪問するとの見通し」だと報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は予想以上に荒れた値動き。結局回帰したものの、一時的とはいえ156円を割り込んだのは正直想定外だった。しかし、チャートの形状を見てもドル高という、基本的な流れそのものはいまだ継続か。明日に、今週のもうひとつの注目材料である日銀会合結果が発表されることで、短期的にはそれにらみが予想されるが、ともかくドルは昨日底割れに失敗したことでしばらくのあいだ底堅く推移する可能性がある。
今週の二大注目材料のひとつ米金融政策の発表は、昨日FOMC会合の結果として、前述したような内容となった。「予想よりもタカ派だった」との見方が少なくない。それもありドルは底堅い値動きが予想されるものの、昨日は発表された米経済指標、消費者物価指数の内容を受けてドル売りが進行した動きの再燃を警戒する声も聞かれていた。本日は5月の米生産者物価指数が発表されることから、やはり内容如何では波乱含みになろうか。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は依然として上値が重い状況だが、昨日155円台まで下落するも結局回帰するなど、下値トライは失敗した格好だ。ドルは底堅い値動きを続けそう。具体的には、移動平均の21日線も位置する156円半ばが短期のサポート。ただし、仮に同レベルをザラ場ではなくNYクローズでしっかり下回るようだと、基調転換を考える必要が生じることになりかねない。
本日は米経済指標として、5月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。市場は明日の日銀会合を注視しているものの、とくに前者は数字如何で昨日の二の舞、大きなドル売りなどが進展するリスクを孕んでいるかもしれず、一応注意を払っておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.60-157.70円。ドル高・円安方向は一昨日高値157.40円が最初の抵抗。昨日も同レベルを超えられなかった。上抜けると5月末高値の157.71円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線も位置する156円半ばの攻防に注目。チャートの形状としても非常に重要で、しっかり下回ると再び156円割れがみえてくる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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