東京市場のドルは157円台回復、明日の日銀会合への警戒感先行で売買手控えか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、じりじりとしたドル買戻しが進み、157円台をあっさり回復した。
昨晩の海外時間では、米5月消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回ったため、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ観測が強まり、米10年債利回りが4.24%まで低下。長期金利低下に伴うドル売りに拍車がかかり155円台後半まで下落した。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、市場の予想通り政策金利は据え置いたが、スタッフ予測で2024年1回の利下げ見通しと、前回の3回から修正されたためドル買戻しが強まった。156円台後半まで値を戻す格好となった。
東京時間では、5月CPI、FOMCという重要イベントを通過したものの、14日に日銀金融政策決定会合の結果発表や植田日銀総裁の記者会見を控えていることから、じりじりとしたドル買戻し以外、目立った動きは観測されなかった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:156円81銭
高値:157円21銭
安値:156円69銭
終値:157円09銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:169円53銭
高値:169円84銭
安値:169円44銭
終値:169円72銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:104円44銭
高値:104円53銭
安値:104円25銭
終値:104円31銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:200円62銭
高値:200円83銭
安値:200円50銭
終値:200円74銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39182円06銭
高値:39252円44銭
安値:38689円79銭
終値:38720円47銭(前日比−156円24銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、4月ユーロ圏鉱工業生産指数(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.3%
18時00分、欧、4月ユーロ圏鉱工業生産指数(前年比)、前回:−1.0%、市場予想:−1.9%
21時30分、米、新規失業保険件数、前回:22.9万件、市場予想:21.9万件
21時30分、米、5月生産者物価指数(前月比)、前回:0.5%、市場予想:0.1%
21時30分、米、5月生産者物価指数(前年比)、前回:2.2%、市場予想:2.5%
21時30分、米、5月生産者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.5%、市場予想:0.3%
21時30分、米、5月生産者物価指数(コア)(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.5%
25時00分、米、ウィリアムズNY連銀総裁とイエレン米財務長官が会議出席
日銀金融政策決定会合開始(14日終了)
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
昨晩のドル売りは、結果として日足の一目均衡表の雲上限で下げ止まり、157円水準まで戻したことで「往って来い」となった。方向感に乏しい展開は変わらないが、下値の堅さは確認できたことで、やはり上に行きたがっている状況と言えよう。158円より上は政府・日銀による円買い介入が意識されるゾーンとの見方だが、明日の日銀会合後の植田日銀総裁の記者会見の内容次第では、円売り圧力が強まる可能性はある。
4月26日の植田日銀総裁の記者会見にて、「基調的な物価上昇率に、円安が今のところ大きな影響を与えているということではない」といった発言を行ったことで、市場は「日銀は円安に対する警戒感がまるでなく、無策である」との見方を強め、ドルは4月29日に160円台まで急上昇した。その後、岸田首相と植田日銀総裁の会談後の植田日銀総裁は、「(会談では)物価・賃金情勢が大きなポイントの一つであるとともに、為替も議論した」「(円安は)経済物価に潜在的に大きな影響を与え得るものであり、最近の円安について日銀の政策運営上、十分注視していくことを確認した」と、日銀としても足元の円安を注視する姿勢を明確とした。
こうした経緯を考慮すると、14日15時30分からの植田日銀総裁の記者会見でも、足元の円安に対する同様の発言が出るだろう。逆にこうした発言が無く、4月26日と同じような発言に留まった場合、円売り圧力は一気に強まると想定する。
こうした重要イベントを明日15時30分に控えていることで、今晩の海外時間のドルは買戻しが一巡したこともあり157円前半から半ばでのもみ合いとなろう。上値メドは157円60銭、下値メドは156円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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