ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。本日は日銀金融政策決定会合に注目(6/14朝)

13日(木)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。

ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。本日は日銀金融政策決定会合に注目(6/14朝)

ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。本日は日銀金融政策決定会合に注目

〇ドル円、米5月PPIの予想下回る結果、新規失業保険申請件数の増加等に米国時間に156.59まで反落
〇売り一巡後は下げ渋り、157円前後での推移
〇ユーロドル1.07台、ECB関係者のハト派発言、欧州指標不冴えと株価軟調、政局不透明感等が重石に
〇ドル円、日銀会合控え方向感に欠けるもテクニカルの地合いは強い
〇ファンダメンタルズも米長期金融引き締め観測、円キャリー継続期待、本邦財政悪化懸念等が重石
〇本日、日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁記者会見に注目
〇政策金利据え置きと国債買い入れオペの1兆円程度の減額のハト派的組み合わせを予想
〇円の失望売りを通じて、ドル円には強い上昇圧力が加わるシナリオを想定
〇本日の予想レンジ:156.00ー158.00

海外時間のレビュー

13日(木)のドル円相場は上下しつつも方向感を見出せず。(1)日本時間早朝に発表された米FOMCのタカ派的な結果(ドットチャートで2024年末時点の中央値が4.6%から5.1%へ上方修正)や、(2)パウエルFRB議長によるタカ派的な発言、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り再開)が支援材料となり、日本時間夕方にかけて、高値157.35まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米5月生産者物価指数(結果+2.2%、予想+2.5%)の市場予想を下回る結果や、(5)米5月コアPPI(結果+2.3%、予想+2.5%)の市場予想を下回る結果、(6)米新規失業保険申請件数(結果24.2万件、予想22.5万件)の冴えない結果が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値156.59まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて値を戻し、本稿執筆時点(日本時間6/14午前6時30分現在)では、157.00前後で推移しております。

13日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)日本時間早朝に発表された米FOMCのタカ派的な結果や、(2)パウエルFRB議長によるタカ派的な発言、(3)上記1、2を背景とした米利下げ開始時期の後ずれ観測、(4)スロベニア中銀バスレ総裁による「現在の経済見通しが的中すれば今年さらなる利下げを行う可能性が高い」とのハト派的な発言、(5)ユーロ圏4月鉱工業生産(結果▲3.0%、予想▲2.0%)の市場予想を下回る結果、(6)欧州を巡る政局不透明感(ドイツ公共放送ZDFが公表した世論調査によると、ショルツ首相率いる連立与党に対する不満が過去最高の71%を更新)、(7)欧州株の大幅下落が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0733まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/14午前6時30分現在)では、1.0740前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は重要イベント(日銀金融政策決定会合)を控え方向感に欠ける値動きが続いています。但し、日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が点灯していること、上位足のみならず下位足でも買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(直近で発表された米CPIや米PPIは市場予想を下回ったものの、ドットチャートは年3回の利下げから年1回の利下げ予想に上方修正→トランプ前大統領が「FRBが利下げに動けば民主党のバイデン大統領を手助けする狙いがある」と牽制していることも年1回の利下げ予想をサポート)や、(2)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待(日米金利差は当面縮まらないとの見方からドル円ロングに安心感)、(3)日銀による金融引き締め開始とそれに伴う財政悪化の円売り懸念(円金利上昇が素直に円買いで反応する公算は小さく、むしろ円金利上昇は日本政府の利払い負担増加→財政悪化を嫌気した円売りに繋がる可能性大)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記3を見極める目的で、日本時間に予定されている日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁記者会見に注目が集まります。当方は政策金利(0.00ー0.10%)の据え置きと、国債買い入れオペの1兆円程度の減額(6兆円規模→5兆円規模)といったハト派的な組み合わせを予想している為、円の失望売りを通じて、ドル円には強い上昇圧力が加わるシナリオを想定しています。状況次第では5/29に記録した高値157.79を一気に上抜け、158円台や159円台に突入するシナリオも予想されるため、アジア時間帯のドル円急伸リスクに警戒が必要でしょう。一方、予想に反して日銀がタカ派的な決断(例えば政策金利の引き上げや、国債買い入れオペの2兆円や3兆円規模の減額など)を下す場合には、日銀による金融政策正常化に反応する形で直後は円買いが強まる可能性があるものの、上記(3)で示した通り、円金利の上昇は日本政府の財政悪化懸念を通じて円売りに繋がる要因でもあることから、ドル円の下げ幅は限定的となりそうです(下値の堅さを確認した後にドル円が持ち直すシナリオを想定)。

本日の予想レンジ:156.00ー158.00

ドル円、上下しつつも方向感を見出せず。本日は日銀金融政策決定会合に注目

ドル円日足

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