基本はドル高継続か、米FOMCに注目
〇東京市場のドル円、FOMCにらみ157.05-35と30ポイント程度の狭いレンジ内での一進一退
〇米5月CPIめぐり一波乱起こるかもしれないが、本格的な動意はFOMC前後か
〇市場予想は現行金利据え置きでほぼ一致、タカ派的な方針堅持する見通し優勢
〇158円超えていく展開は、日本当局による円買い実弾介入に要警戒
〇ドル高円安方向、157.40が最初の抵抗、超えると5月末高値157.71がターゲット
〇ドル安円高方向、156.70-80の攻防にまずは注目、少し下に21日線も位置し底堅い
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.60-158.10
<< 東京市場の動き >>
東京市場はレンジ取引。NY市場で注目の米FOMC結果が発表されるということで、終日それにらみの様相だった。
ドル/円は157.05-10円で寄り付いたものの、大きな動意はほぼ観測されず。157.05-35円という30ポイントほどと狭いレンジ内での一進一退に終始した。途中、日本の企業物価指数が発表され、上振れの内容となったものの相場への影響は限定的。16時現在では157.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ウ支援など」と「フランス情勢」について。
前者は、G7がロシアの凍結資産を活用したウクライナ支援のため、基金を設ける方針で大筋合意したと報じられ、一部で思惑を呼ぶ。以前から部分的な内容は伝えられていたが、「13-15日にイタリアで開くG7サミットで取りまとめる声明に、ロシアの凍結資産を使ったウクライナ支援を明記する」とされ、改めて話題になっていたようだ。また、バイデン大統領が同サミット開幕日の13日に、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し改めて結束を示すとの発表も観測されるなど、ウクライナの反転攻勢機運は一層高まっているようだ。
対して後者は、欧州議会選で敗北を喫したことを受け解散・総選挙を打ち出したフランスにおいて、「マクロン大統領が辞任する可能性がある」との一部観測報道が伝えられ、一時騒然となった。169円台で推移していたユーロ/円は、1円程度下落した。結局、そののちフランス大統領官邸が報道を否定。ユーロも値を戻す格好となったが、このあとも同様の噂や報道で、相場が荒っぽい変動をたどることもありそうだ。なお、そうしたなか有力格付け会社ムーディーズは、フランス議会の解散総選挙は「財政再建に対するリスクを高める」として、同国の信用格付けにマイナスとの見解を示している。
<< 欧米市場の見通し >>
本日のドル/円相場は157円台で推移し底堅い反面、前日高値(157.40円)も超えられていない。上値も重い状況だ。そんな157円台を中心としたドルの強保ち合いがいましばらく続く可能性を否定できないが、材料的には本日ひとつのヤマ場を迎えそう。注目の米FOMC前後にレンジの上抜きにかかる、といった見方も少なくなく、4月29日以来の158円台回復を予想する声も聞かれていた。
今週は日米中銀会合が予定されており、そのうち米国がFOMC会合の結果として、現地時間12日に政策金利などを発表する予定だ。現行金利の据え置きで間違いないと市場予想はほぼ一致しているが、問題は先行き。「年内利下げ見送り」との見方どころか、「追加利上げ」を警戒する声すら一部で聞かれるほどだが、果たしてどうなるか。ただし、いずれにしてもタカ派的な政策方針を堅持する見通しとされており、失望などによるドル売りは限られるといった声が多い。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は157円台を中心とした強保ち合いで次の方向性を探る動き。上方向であれば前回高値の157.71円そして158円、下方向は156円半ばをめぐる攻防にまずは注目だ。
なお、仮にドル高が進行し158円を超えていく展開となれば、日本当局による円買い実弾介入が再び気になるところ。ここ最近は要人の円安けん制発言の頻度も依然より低下しているが、まずは口先介入から注意すべきかもしれない。
本日は米経済指標として、5月の消費者物価指数が発表され、その内容をめぐってまずは一波乱起こりうるかもしれない。ちなみに予想は前年比プラス3.4%、コアCPIは同3.5%が予想されている。とは言え、本格的な動意はやはり米FOMC会合前後ということになりそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.60-158.10円。ドル高・円安方向は昨日高値157.40円が最初の抵抗。超えると5月末高値の157.71円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期では156.70-80円の攻防にまずは注目か。ただ下回っても少し下のレベルには21日線などが位置しており基本的には底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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