ドルは157円前半で推移、パウエル議長の「データ次第」発言で小動きの可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米重要イベントを前に積極的な売買は手控えられ157円台での静かな推移となった。
昨晩の海外時間では、リスク回避の円買いや長期金利の低下でドル売りが優勢となったのち、対欧州通貨でのドル買いが強まった。買い一巡後は、良好な10年債入札結果を受けて上昇一服。結局157円前半での推移となった。
東京時間のドルはこう着感が強まり157円前半でのもみ合いとなった。5月米消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)と重要イベントを前に積極的な売買は手控えられ小動き推移。株式市場ではプライム市場の売買代金が今年2番目の低水準となるなど、株式市場も様子見ムードが強まった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:157円13銭
高値:157円35銭
安値:157円04銭
終値:157円24銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:168円78銭
高値:169円00銭
安値:168円66銭
終値:168円98銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円82銭
高値:104円13銭
安値:103円68銭
終値:104円10銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:200円19銭
高値:200円47銭
安値:200円06銭
終値:200円46銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38865円15銭
高値:38945円99銭
安値:38809円36銭
終値:38876円71銭(前日比−258円08銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時40分、欧、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁が講演
21時30分、米、5月消費者物価指数(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.1%
21時30分、米、5月消費者物価指数(前年比)、前回:3.4%、市場予想:3.4%
21時30分、米、5月消費者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.3%
21時30分、米、5月消費者物価指数(コア)(前年比)、前回:3.6%、市場予想:3.5%
22時00分、欧、デギントスECB副総裁がイベント参加
23時30分、米、週次原油在庫、前回:123.3万バレル
27時00分、米、FOMC声明、政策金利(上限)、前回:5.50%、市場予想:5.50%
27時30分、米、パウエルFRB議長が記者会見
28時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁、ビルロワドガロー仏中銀総裁がイベント参加
ブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)13日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、日足の一目均衡表の雲下限までの調整も視野に入っていたが、雲上限を上放れる展開となった。5月3日同様、50日移動平均線が下値支持線として機能しており下値の堅さが確認できた。ただ、158円から上は政府・日銀による円買い介入ゾーンと見られていることから、上値も非常に重くなっている。
一部テクニカルアナリストは「為替は、株式市場のように出来高や売買代金というデータは明確に取れないが、肌感覚として売買代金は非常に減少しているように感じる。上に行きたそうな感じはあるが、今手掛けるタイミングではないと考える投資家が多いようだ」と指摘している。
今晩は21時30分の5月CPIや27時00分のFOMC声明及び政策金利発表のタイミングではさほど動かず、27時30分のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見まで様子見ムードは強まると想定する。あくまでも、「24年の利下げ見通しを3回から2回に修正だったら」という前提ではあるが、パウエルFRB議長もラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁同様、「利下げ実施はデータ次第」という発言に留まった場合、ドルは小動き継続となろう。今会合にて利下げのタイミングに関しては言明しないと思われることから、米長期金利もそこまで反応しないと想定する。
今晩の海外時間のドルは、重要イベントの結果を睨んだ展開となるが、週末に日銀金融政策決定会合を控えていることで、仮に動いたとしても瞬間的な上下の値動きに留まると考える。一気に走らない地合いを想定し、上値メドは157円80銭、下値メドは156円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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