ドル円 日米金融会合待ち、基本はドル強保ち合い(6/10夕)

週明けの東京市場はレンジ取引。157円挟みの一進一退で、積極的な動意も手控えられている。

ドル円 日米金融会合待ち、基本はドル強保ち合い(6/10夕)

日米金融会合待ち、基本はドル強保ち合い

〇ドル円、154.50-156.50の2円レンジ上放れたもののレンジ取引、下値堅く156.70前後で下げ渋り
〇上値も重く157円半ばにも届かず、新規材料難でやや動きにくい
〇日米中銀の金融政策発表までドルは強保ち合い、157円台中心としたレンジ取引続くか
〇良好な米雇用統計を受け予想以上の強気の見通し示されれば、ドル買い支援要因で再び160円視界内
〇ドル高円安方向、東京高値157.20レベルが最初の抵抗、超えると5月末高値157.71目指す
〇ドル安円高方向、米雇用統計発表後安値156.40-50の攻防に注目。少し下に21日線もあり底堅そう
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.50-157.40

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はレンジ取引。157円挟みの一進一退で、積極的な動意も手控えられている。

先週末は、欧州議会選の結果が徐々に明らかになるなか、マクロン仏大統領が突然の下院解散・総選挙を表明し話題に。一方、北朝鮮が再び「汚物風船」を韓国に飛ばし、それに韓国が報復するなど、さらなる関係悪化が指摘されていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は156.75円レベルで寄り付いたものの、基本はレンジ取引。下値は堅く156.70円前後で下げ渋ったが、ゴトー日仲値不足なども取り沙汰されるなか、上値も重い。結局157円半ばにもとどかなかった。16時現在では156.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「欧州議会選」と「G7会合」について。
前者は、欧州議会選挙(定数720)の開票が伝えられ、議会事務局が発表した日本時間10日午前時点の予測によると、極右および右派の2会派が議席を計118から計133に増やす見込みとされていた。国別では、確かにドイツで右派躍進し連立与党が大敗する見通しとされたほか、フランスも与党連合がルペン氏率いる極右の国民連合に大差で敗北。それを受け前述したように、マクロン仏大統領が突然の下院解散・総選挙を表明するという事態に発展している。最終的な選挙結果が明らかになるのはもう少し先だが、EUによるウクライナ支援などに変化が生じる可能性も取り沙汰されており、今後の動静にも注意を払いたい。

対して後者は、今週市場で注目を集めているのは現地12日の米FOMCの結果発表、同14日の日銀会合結果発表の大きく2つだが、隠れ材料として13-15日に開催されるイタリアG7を注視している向きも少なくない。ウクライナのゼレンスキー大統領も参加するなか、ロシアのウクライナ侵攻に結束して対応する方針を確認するもようだ。また、そのなかで凍結したロシア資産の利子をどのようにウクライナ支援に活用できるかも議論されるという。一方、中東情勢についても、サウジアラビアのサルマン皇太子が参加を表明するなか、突っ込んだ議論がなされる見通しだ。今後の世界情勢を見極める政治ファクターとして、非常に重要な意味を持つものになる可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は先週末、良好な米雇用統計を受けドル高が進行。再び157円台へと乗せてきた。リスクは上方向に高そうで、158円そして160円に向けた値動きを予想する向きが少なくないものの、157円より上の水準は当局の「円買い介入シーリング」と考える参加者も多く、一本調子のドル高進行も見込みにくい状況だ。少なくとも、日米中銀の金融政策発表までドルは強保ち合い、157円台を中心としたレンジ取引が続く可能性もある。
市場は今週予定されている日米中銀会合に注目。様々な思惑が飛び交っているものの、現行金利の据え置きではほぼ一致しており、問題は先行きについて。とくに米国は、先週末に発表された良好な米雇用統計を受け、ブルームバーグでは「一部では利上げを否定できないとの声もある」−−と報じていたほどだ。仮に、予想以上の強気の見通しが示されれば、明らかなドル買い支援要因となり、再び160円が視界内に捉えられることになるかもしれない。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は目先推移していた154.50-156.50円の2円レンジを上放れ。しかし、それほど大きく値は跳ねず、むしろドルの上値の重さを露呈した。リスクはドル高方向ながら、引き続き上値は重そうだ。ちなみに、ドルの上値メドは前回高値157.71円で、それを超えるとフィボナッチポイントの158.25円がターゲットに。
対するサポートは移動平均の21日線も近くに位置する156.40-50円か。
本日は目立った米経済指標の発表はないほか、ブラックアウト期間ということで米当局者らの講演などもとくになし。新規材料難でやや動きにくそうな雰囲気だ。ただ、今週は週の半ば以降、重要材料が続くだけに、飽くまでも「嵐の前の静けさ」といった見方も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.50-157.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値の157.20円レベルが最初の抵抗。超えると5月末高値の157.71円を目指す。
対するドル安・円高方向は、先週末の米雇用統計発表後安値である156.40-50円の攻防にまずは注目。しかし、少し下には21日線も位置しており、かなり底堅そう。

日米金融会合待ち、基本はドル強保ち合い

ドル円日足


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