ドル円 米雇用統計を注視、レンジからの脱却なるか(6/7夕)

東京市場はドルが小安い。一時は上値を試す展開も見られたが、夕方に売られ結局安値引け。

ドル円 米雇用統計を注視、レンジからの脱却なるか(6/7夕)

米雇用統計を注視、レンジからの脱却なるか

〇本日のドル円、一時は156円に接近するも夕方に掛けて下げ足を速め、一転155円割れをうかがう動き
〇ドル円はここ数日上下に振れる動きだが、154.50-156.50というレンジ取引で方向性は依然乏しい
〇本日NY時間に米雇用統計発表、発表前後にはレンジ放れを試す公算が大きいか
〇ドル高・円安方向、156円レベルが最初の抵抗、超えると短期レンジの上限156円半ばを目指す
〇ドル安・円高方向、6/4に記録した安値154.55が強いサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジ:154.50-156.00

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが小安い。一時は上値を試す展開も見られたが、夕方に売られ結局安値引け。

ドル/円は155.60円レベルで寄り付いたのちドル買い先行。156円に接近するも超えられず、その後は逆にドル売りに押されている。とくに夕方に掛けては下げ足を速め、一転して155円割れをうかがう動きに。結局、16時現在ではドルが小戻した155.30円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ECB金融政策」と「ガザ情勢」について。
前者は、昨日ECBが金融政策理事会の結果として「0.25%利下げ」を発表。これそのものは予想通りながら、市場の関心を集めていた先行き、来7月の見通しについて「追加緩和を行うか否かを明言しなかった」ことが逆に話題に。ただ、ロイターは「ECB幹部らが7月理事会での追加利下げの可能性は低いとみており、焦点は9月理事会だと認識」−−と伝えていた。なお、IMF報道官からは、「ECBによる利下げ開始は適切」とした好感発言も聞かれていたようだ。

対して後者は、米英独など17ヵ国が、イスラエルとハマスの双方に停戦を呼びかける共同声明を発表。また米英独仏の4ヵ国首脳は、バイデン大統領が明らかにしたガザでの新たな停戦案について、「これ以上遅らせることなく実行に移す」よう呼び掛ける声明も発表していた。そうしたなか、米紙WSJはガザ地区指導者が「イスラエルは恒久停戦を約束した場合に限り受け入れるとアラブの仲介国に伝えた」と報じていたが、イスラエルのネタニヤフ首相は元から恒久停戦を否定している。なかなか進展も予想しにくい状況だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はここ数日、上下に振れる乱高下をたどっているが、結局のところ154.50-156.50円というややワイドなレンジ取引。つまり、明確な方向性は依然として乏しい状況にある。そんな一進一退がいましばらく続く展開も否定できないが、以前もレポートしたように、本NY時間には米雇用統計の発表が予定されている。もちろん数字如何といった面は否定できないものの、発表前後にはいよいよレンジ放れを試す公算が大きいだろう。
来週予定されている日米中銀会合が注視されており、様々な思惑が飛び交っている。とくに米国については、依然として発表される指標を受けた一喜一憂がいまだ続いているようだ。そうした意味も含め、本日発表の5月米雇用統計は大いに注目されている。足もとについては、再び米利下げ観測が強まっているようで為替市場はドル安に傾斜しているが、仮に米雇用統計が好数字となれば流れが一変するような展開をたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、最近のドル/円相場は前述したように154.50-156.50円の2円レンジ。ただ、重要材料が控える本日NY時間にレンジ放れを達成するとの見方がある。上方向、156.50円を超えた場合には157円回復から、5月末高値の157.71円がターゲットに。それに対して下方向はというと、5月16日安値153.60円を目指す展開か。その少し下には一目均衡表の先行帯の雲の下限も位置している。

本日は米経済指標として、5月の雇用統計や4月の卸売売上高などが発表される予定となっている。改めて指摘するまでもなく、とくに関心を集めているのが前者で、うち非農業者雇用数はプラス18万人、失業率は3.9%が見込まれているようだ。5日のADP雇用統計、6日の新規失業保険申請件数と連日冴えない雇用データが発表されているが、果たして本日はどんな数字となるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.50-156.00円。ドル高・円安方向は先日東京でとどかなかった156円レベルが最初の抵抗。超えると短期レンジの上限156円半ばを目指す。
対するドル安・円高方向は、4日に記録した安値154.55円は強いサポート。ただ155円を割り込むと、下値余地が広がる可能性もある。

米雇用統計を注視、レンジからの脱却なるか

ドル円日足


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