東京市場のドルは155円40銭台まで下落、2カ月連続の弱い雇用統計を警戒か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、実需筋のドル買いが一巡した後はじりじりと下げ、昨晩の海外時間の安値を割り込み155円44銭まで下落した。
昨晩の海外時間では、欧州中央銀行(ECB)理事会は想定通りの利下げに留まったことで、ユーロは目立った動きは見せず。米1-3月期単位労働コスト改定値が予想外に下方修正されたほか、先週分新規失業保険申請件数が予想を上回り、労働市場の減速が早期の利下げ観測をさらに強めドルは下落。155円台半ばでの推移となった。
東京時間では、10時の値決めのタイミングで実需筋のドル買いが入ったとの観測。買い一巡後はじりじりと下げ155円44銭と昨晩の海外時間の安値155円47銭を割り込む格好となった。なお、株式市場は米雇用統計前ということもあり、プライム市場の商いは閑散、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:155円62銭
高値:155円94銭
安値:155円44銭
終値:155円51銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:169円50銭
高値:169円85銭
安値:169円29銭
終値:169円37銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:103円77銭
高値:103円97銭
安値:103円69銭
終値:103円75銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:199円09銭
高値:199円38銭
安値:198円75銭
終値:198円82銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38597円55銭
高値:38747円27銭
安値:38560円85銭
終値:38683円93銭(前日比−19円58銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、第1四半期実質GDP(確報値)(前期比)、前回:0.3%、市場予想:0.3%
18時00分、欧、第1四半期実質GDP(確報値)(前年比)、前回:0.4%、市場予想:0.4%
21時30分、米、5月失業率、前回:3.9%、市場予想:3.9%
21時30分、米、5月非農業部門雇用者数(前月比)、前回:17.5万人、市場予想:19.0万人
23時00分、米、4月卸売在庫(確報値)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.2%
ブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)13日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、一目均衡表の雲上限と20日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうな状況にある。引き続き50日移動平均線が下値支持線として機能しているものの、今晩の雇用統計でドルが乱高下し、50日移動平均線を下回った際、この水準が上値抵抗線となる可能性もあるので気を付けたいところだ。
ドル・インデックスは104割れを試す水準で推移しており、5月1日の直近高値106.38水準からは下落基調が継続している。ここ一カ月ほど、ドルを中心とした積極的な売買は入っていなかったと見ているが、今晩の米雇用統計も弱い結果となった場合、2カ月連続で米雇用は下振れることになる。来週12日の5月米消費者物価指数(CPI)も弱い状況となれば、2カ月連続で米金融政策を占ううえで重要な指標である雇用統計とCPIが弱いこととなる。米長期金利の低下傾向が続く材料としては十分だ。
米雇用統計は上下に振れる傾向はあるが、市場の関心が非常に高まっていることから、発表直後は上下1円超の乱高下を想定しておいた方がいいだろう。仮に失業率が前月よりも上昇し、雇用者数が前月を下回る展開となった場合、5月16日の安値153円59銭を試し、ドル・インデックスも4月安値水準の103.6水準を意識するだろう。雇用統計への警戒感が高まっていることで、結果が予想を上回れば一気に買戻しは入りそうだが、今晩はドル一段安の地合いを警戒しておきたい。
今晩の海外時間は、雇用統計下振れに伴うドル売りを警戒。上値メドは156円30銭、下値メドは153円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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