本邦介入実績に注目、内容如何では波乱も
〇本日のドル円、50ポイントほどのレンジ内で一進一退、16時現在は156.95-00で推移
〇19時発表の本邦為替介入実績(4/26-5/29分)に注目
〇市場推計の8.5-9.0兆円を超える介入額の場合、円安が一段と進みかねない
〇本日は米4月PCEデフレーター、5月シカゴ購買部協会景気指数の発表予定
〇ドル高・円安方向、157.71が強い抵抗、その手前157円半ばなども意識されそう
〇ドル安・円高方向、本日東京安値156円半ばの攻防にまずは注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ:156.50-157.70
<< 東京市場の動き >>
東京市場は往来相場。156円台後半を中心にした一進一退で方向性は乏しかった。
ドル/円は156.80円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。底堅いが上値も重いということで動きにくく、156.55-157.05円といった50ポイントほどのレンジ内で一進一退をたどっている。ちなみに、昨日終値ベースで500円下落した日経平均株価は逆行高で、400円以上値を上げて大引けたが、為替市場の反応は鈍かった。16時現在では156.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「円買い介入」について。
前者は、これまでウクライナに提供した武器に「使用制限」を設けていた西側諸国だが、ここにきてそれを解除しようという動きが活発化してきた。NATO事務総長が再び「これまでの戦争の展開に鑑み、一定の制限見直しを検討するべき」と発言。また、フィンランド大統領も「提供した武器を使用したロシア領攻撃は問題ない」と述べるなか、もっとも慎重とされていた米国においても「ハルキウ周辺に限定」などといった内容ながら、使用制限を緩和したウクライナの攻撃を容認する意向だと伝えられていた。事実とすれば、ウクライナによる攻撃の幅が広がりそうで、戦争終結が早まる可能性を期待する声も取り沙汰されている。
対して後者は、前述したように本日東京でドル/円は156円台後半を中心とした値動き。ここ数日と比べて、それほど遜色ないレベルだったと思うのだが、鈴木財務相は「為替はファンダメンタルズを反映して市場で決められる」と述べるとともに、「行き過ぎた動きには適切に対応する。基本的な考えは何ら変わらず」と発言。口先介入が観測されていた。そうしたなか、市場の関心を集めていたのが、本日このあと19時から発表される日本の「為替介入実績(外国為替平衡操作の実施状況)」で、それにより4月29日と5月1日に実施した実弾介入の「答え合わせ」が行われる。市場の推計では合わせて8.5-9.0兆円との見方が有力ながら、果たしてどうなるか。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は29日には157.71円まで上昇するなど、レンジを上抜けた感があったものの、その後の展開をみるとダマシだったのかもしれない。上抜けたというより、「レンジを上方向に少し広げただけ」という気もしている。しかし週足を見た場合、今週はまだここまで1.3円(156.36-157.71円)ほどしか動いていない。それからすると、本日のドル/円相場は予断を許さずか。むしろ波乱含みの展開にも要注意だ。
日米金融政策への関心が引き続き高く、そうしたなか発表される米経済指標や要人発言には本日も注意を払いたい。また、先で取り上げた日本の「為替介入実績」も内容如何では波乱要因となりかねないだろう。市場推計の8.5-9.0兆円を超える介入額が明らかになれば円安が一段と進みかねない、といった指摘も聞かれていた。また、それらとは別にここのところ冴えないNYダウを中心とした米株への関心も高いようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は一時上抜けた157円だが、依然として定着には至らず。上値の重い状況はいまだ変わっていないようだ。しかし下値も堅く、実際先週22日からすでに1週間以上も156円を割れていない。本日は週末、月末にあたるというカレンダー要因もあり油断は禁物ながら、おおよそ156-158円といったレンジ内にはとどまる公算が大きい。
本日は米経済指標として、4月のPCEデフレーターや5月のシカゴ購買部協会景気指数などが発表される予定となっている。また、それとは別に先で指摘した日本当局の「為替介入実績」にも一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは156.50-157.70円。ドル高・円安方向は29日高値の157.71円が強い抵抗で、その手前157円半ばなども意識されるレベルか。上げ渋りも。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値156円半ばの攻防にまずは注目。割り込むと昨日安値156.36円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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