東京市場のドルは156円台後半で推移、PCEデフレータに注目だが動きは限定的か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、連日の日本株安が回避されたことなどから落ち着いた動きに終始、156円台後半でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米国1-3月期GDPや個人消費、価格指数改定値が下方修正されたため年内の利下げ観測が再燃し長期金利低下に連れドル売りが優勢となった。また、ウィリアムズNY連銀総裁が自分のシナリオでは利上げはないとの考えを示したこともドル売り圧力となった。ドルは156円38銭と東京時間の安値を割り込む場面も見られたが、売り一巡後は、156円台後半で推移した。
東京時間では、30日のような日本株安の展開が回避されたことや、長期金利の上昇も一服するなど、株式市場、債券市場が落ち着いたことから、ドルも小動きとなった。総務省が発表した5月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)は106.7と前年同月比1.9%上昇。4月の同1.6%よりも伸びが加速した一方、2カ月連続で2%を下回ったものの、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:156円81銭
高値:157円03銭
安値:156円57銭
終値:156円80銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:169円88銭
高値:170円08銭
安値:169円45銭
終値:169円66銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:104円00銭
高値:104円14銭
安値:103円83銭
終値:104円05銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:199円64銭
高値:199円89銭
安値:199円24銭
終値:199円44銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38173円22銭
高値:38526円93銭
安値:38087円61銭
終値:38487円90銭(前日比+433円77銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、5月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.2%
18時00分、欧、5月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)(前年比)、前回:2.4%、市場予想:2.6%
18時00分、欧、5月ユーロ圏消費者物価指数コア(概算値速報)(前年比)、前回:2.7%
21時30分、米、4月個人取得、前回:0.5%、市場予想:0.4%
21時30分、米、4月個人支出、前回:0.8%、市場予想:0.3%
21時30分、米、4月PCEデフレータ(前年比)、前回:2.7%、市場予想:2.7%
21時30分、米、4月PCEコアデフレータ(前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.8%
22時45分、米、5月シカゴPMI、前年比:37.9、市場予想:40.0
31時15分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が挨拶
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)13日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、ドルは158円手前で上げ一服となっているが、5月3日の直近安値151円86銭を起点とした下値支持線はまだ意識されており、上下どちらにも動きにくい状況だ。今晩の4月PCEデフレータが市場予想を下回れば、年内の利下げへの思惑が再燃することで下に動く。
一方、PCEデフレータの市場予想上振れは、米長期金利上昇の材料となるが、157円より上は、政府・日銀による介入警戒が強い価格帯のため一気に158円台乗せという強い地合いとはなりにくい。来週は米雇用関連の経済指標が発表されるほか、その翌週11−12日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。ブラックアウト期間に入ったことから、経済指標への関心もより高まるだろう。経済指標で米金利は多少振らされるが、6月中旬のFOMC通過まで、ドルはトレンドレスな相場付きとなろう。
また、足元のドル・インデックスは104半ばから105前半での小動きが続いており、ドルを積極的に売買する投資家はさほどいないような雰囲気を感じる。ユーロやポンド、オセアニア通貨が対円で上昇しているが、5月の為替は「ドル」ではなくて「円」が主体だったと考える。となれば、日銀金融政策決定会合を6月13−14日に控えていることから、FOMCより日銀による金融政策の早期正常化を巡る思惑の方が、為替の手掛かり材料となる可能性はあろう。
今晩のドルは、21時30分の4月PCEデフレータに注目だが、市場予想を大きく振れない限り、ドルは目立った動きを見せないと考える。上値メドは157円40銭、下値メドは156円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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