トルコリラ円見通し ドル円の上昇に合わせて5月14日高値を超えて一段高に入る(24/5/23)

トルコリラ円の5月22日は概ね4.87円から4.84円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.84円から0.02円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇に合わせて5月14日高値を超えて一段高に入る(24/5/23)

ドル円の上昇に合わせて5月14日高値を超えて一段高に入る

〇トルコ円、FOMC議事要旨公開後のドル高を追いかけ、4.87へ高値伸ばす
〇5/14高値を超えたことで5/3安値からの上昇が二段目に入る、ドル円を慎重に追いかける展開継続か
〇対ドル、5/22は概ね32.41から31.96の取引レンジ、5/23早朝の終値は32.17
〇32リラを挟んだ攻防だが終値32リラ台が続く
〇本日夜のトルコ中銀政策発表、金利据え置きの予想、会見での引き締め姿勢の強度に要注目
〇4.84を上回るうちは一段高余地ありとし、4.88超えからは4.90前後への上昇を想定
〇4.84割れからは下落期入りとみて4.82前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の5月22日は概ね4.87円から4.84円の取引レンジ、23日早朝の終値は4.86円で前日終値の4.84円から0.02円の円安リラ高だった。
ドル/トルコリラが1ドル32リラを挟んだ小動きを続けているため、トルコリラ円はドル円の騰落を追いかけているが、5月23日未明の米FOMC議事要旨公開を挟んだドル高によりドル円は23日早朝に156.84円へ上昇して5月14日高値156.75円を超えて二度の市場介入による急落で付けた5月3日夜安値151.85円以降の高値を更新したため、トルコリラ円も4.87円へ高値を伸ばして5月14日高値4.86円を超えて5月3日安値4.69円以降の高値を更新した。

FOMC議事要旨ではインフレ鈍化が進まないことにより従来想定よりも政策金利据え置きが長期化する可能性が高まっていることが示され、インフレが再加速する場合には利上げをすべきとの声も見られたため、FOMC声明発表と議長会見時よりも金融政策姿勢はタカ派的と市場は受け止めてドル円の一段高入りを助長した。
ドル円は5月3日安値を起点とした上昇が二段目に入ったが、トルコリラ円もドル円を追いかけて5月14日高値を超えたことで5月3日安値からの上昇が二段目に入っている。
4月29日と5月2日の市場介入では一度目の介入水準への切り返しを待たずに二度目の介入を行い、いつでも何度でも介入できるとの強硬な姿勢を示したため、ドル円が157円台へ到達する場合は三度目の介入も警戒されるが、日本の市場介入が繰り返されることは米国等の理解を得られても歓迎されるものではないため仕掛けづらいところでもあり、市場としては介入姿勢を試すように高値を徐々に切り上げてゆくところと思われ、トルコリラ円もドル円を慎重に追いかけてゆく展開を続けると思われる。

【ドル/トルコリラは32リラを挟んだ攻防だが終値32リラ台が続く】

ドル/トルコリラの5月22日は概ね32.41リラから31.96リラの取引レンジ、23日早朝の終値は32.17リラで前日終値の32.12リラからは0.05リラのドル高リラ安だった。
4月12日に付けた取引時間中の史上最安値33.03リラと終値ベースでの史上最安値である4月24日終値32.54リラからドル安リラ高基調に入ったが、5月9日から繰り返し31.90リラ台の高値を付けているものの終値ベースでは32リラ台へ押し戻されており、5月14日高値31.89リラの後は高値更新へ進めず、日足の終値ベースでは5月21日終値32.12リラでこの間の最高値をわずかに更新したものの32リラ台を抜け出せず、22日はややドル高優勢の展開となった。

米FOMC議事要旨が公開され、政策金利据え置きの長期化への懸念が強まり、一部にはインフレ再燃時には利下げすべきとの意見も見られたことで市場はドル高反応を見せたため、ドル/トルコリラにおけるリラ高にややブレーキがかかった印象だ。今夜はトルコ中銀の金融政策と週次の外貨準備高の発表を控えており、それらをきっかけとしてリラ買いが勢い付けるか試されるところだ。

【トルコ中銀は政策金利据え置きと予想】

5月23日20時にトルコ中銀の金融政策が発表される。政策金利の週間レポレートは2月に50%へ引き上げられた後、3月と4月は据え置かれており、中銀はインフレ抑制のための引き締めを継続するとしてきたため、今回も現状維持と予想されている。
5月17日に発表されたトルコ中銀の月次調査における企業トップやエコノミストによる市場予想では、2024年末のCPI上昇率(前年比)がは43.64%へ、12か月後では33.21%へ低下し、政策金利は向う3か月を50%で維持されるものの12か月後には37.11%(予想平均値)へ低下すると見込まれている。中銀はインフレ率が今月に75〜76%でピークに達してその後は内需の冷え込みとともにディスインフレ傾向が定着するとの見通しを示している。

しかし、年末の為替予想については1ドル38.7771リラで4月調査時の40.0098リラから下方修正(リラから見れば上方修正)されているものの、現状よりもさらにリラ安が進行するとの見方は変わっていない。インフレがさらに加速する場合には追加利上げもあり得るのではないかと大手金融機関は見ており、利上げされない場合でも金融引き締め政策として預金準備率の引き上げや融資規制、取引規制等を行う可能性もあるのではないかと指摘されている。今夜の中銀総裁会見での引き締め姿勢の強度に注目が集まる。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、5月16日午前安値をサイクルボトムとして17日午後から21日午後にかけての間への上昇を想定していたが、5月21日午後高値から上げ渋りに入ったために22日午前時点では5月21日午後高値を超える場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて5月21日午後高値を直近のサイクルトップとした。
5月23日早朝への上昇で21日午後高値を超えたため、5月22日朝安値5.84円を直近のサイクルボトムとした新たな強気サイクル入りとして24日午前から28日午前にかけての間への上昇を想定する。ただし、連続的な下落により22日朝安値を割り込む場合は底割れによる弱気サイクル入り入りとして25日早朝から29日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では5月23日早朝への一段高で遅行スパンが好転して先行スパンを上回る状況も維持されているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。先行スパンを上回るうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンへ潜り込むとろこからは弱気転換注意として遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると注意する。

60分足の相対力指数は5月22日夜から23日早朝への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行の気配がみられるものの50ポイント前後から切り返した状況のためまだ一段高余地ありとするが、70ポイント台前半は反落注意とし、次に50ポイントを割り込むところからは下落期入りとみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.84円を下値支持線、4.88円を上値抵抗線とする。
(2)4.84円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.88円超えからは4.90円前後への上昇を想定する。4.90円以上は反落警戒とするが、4.85円を上回っての推移なら24日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.84円割れからは下落期入りとみて4.82円前後への下落を想定する。4.82円前後は反騰注意とするが、4.84円以下での推移なら24日も続落しやすいとみる。

【当面の主な予定】

5月23日
 16:00 5月 消費者信頼感指数 (4月 80.5)
 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 50.00%、予想 50.00%)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 5月17日時点 (5月10日時点 742.0億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 5月17日時点 (5月10日時点 308.7億ドル)
5月24日
 17:00 4月 海外観光客数 前年同月比 (3月 15.65%)
5月27日
 16:00 5月 製造業景況感 (4月 106.1)
 16:00 5月 設備稼働率 (4月 76.7%)
5月30日
 16:00 4月 貿易収支確報 (3月 -73.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 5月24日時点
5月31日
 16:00 1-3月期 GDP 前期比 (10-12月 1.0%)
 16:00 1-3月期 GDP 前年同期比 (10-12月 4.0%)


注:ポイント要約は編集部

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