157円超えなるか、ただ介入警戒は依然強い
〇本日のドル円、156.20-25で寄り付き一時156.55レベルを示現したが続かず、結果的には行って来い
〇レンジ内にとどまっているが、本日156円半ばまで一時続伸しレンジ上限の5/14高値156.80が視界内に
〇156.80を上抜けて157円台に乗せるようだと、当局の実弾介入にも要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは155.70-156.80、ドル高・円安方向は156円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、156円前後が短期的なサポートとして攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場は往来相場。一時ドル買いが進行したものの、上値は重く抜けられなかった。
ドル/円は156.20-25円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。一時は前日高値を超える156.55円レベルを示現したものの続かなかった。なお、途中で鈴木財務相から円安けん制発言も聞かれたこともあってか、結果的には「行って来い」の往来相場。16時現在では156.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「イラン大統領死亡」と「ロシア情勢」について。
前者は、週末に伝えられ物議を醸した「イラン大統領らの乗ったヘリが山中で行方不明に」とのニュースは、そののちヘリの墜落により、搭乗していたライシ大統領らの死亡が確認されている。また、一連のニュースを受け北朝鮮総書記が「イラン大統領は傑出した政治家」とした弔電を送るなど、各国首脳らから哀悼の意をあらわす発言もあった。一方、この件について一部で陰謀論、「イスラエル関与説」なども取り沙汰されているようだが、そのイスラエルは「我々ではない」と事故への関与を明確に否定。また、米国もオースティン国防長官が「イラン大統領ヘリ墜落に米は関与していない」と述べ、火消しに動いていた。
対して後者は、ロシアが対ウクライナ戦線で引き続き一定の成果をあげるなか、西側諸国とロシアのせめぎ合いが幾つか聞かれ、思惑を呼んでいた。たとえば、ロシアの裁判所が「ドイツ銀など大手欧州銀行3行のロシア国内資産を凍結」させた反面、国連安保理は日米などの反対により、ロシアが提出した宇宙へのあらゆる兵器の配備禁止を求めた決議案が否決されている。一方、そうしたなか米財務長官は、イタリアで23日開幕するG7財務相・中銀総裁会議において「凍結したロシア資産の活用が主要議題になる」と改めて表明していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、依然としてレンジ内にとどまっているものの、本日東京時間に156円半ばまで一時続伸し、レンジ上限である14日高値156.80円を視界内に捉えてきた。攻防にまずは注目で、上抜ければ157円乗せの可能性もある。しかし上値トライ、レンジブレークが失敗に終われば足もと155円台に位置する移動平均の21日線を目指し、ドルはやや冴えない値動きも。
日米を中心とした金融政策について、市場の関心は引き続き高い。そうした意味で、本日も発表される米経済指標そして通貨当局者の発言はしっかりと見極めたいところだ。一方、ドル/円が157円を視界内に捉えてきたことで、政府・財務省の実弾介入警戒が再び強まりつつあるほか、前述したようにヘリ墜落を受け「イラン大統領死亡」が確認されている。後者により、中東地域における地政学リスクの高まり、そして情勢の不安定化を警戒する声もある。金利情勢ばかりに目を奪われると、足をすくわれかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円は形成している短期レンジの上限を超えられるか否かの正念場。具体的には14日高値の156.80円をめぐる攻防に注意を払いたい。ただし、仮に超えても結果的に回帰、レンジを広げただけで終わる可能性もある。また、上抜けて157円台に乗せるようだと、当局の実弾介入にも要注意だ。
対して下値は昨日安値155円半ば、先週末安値155.25円などがサポートに。底堅いイメージだが、現在すでに155円台へと切り上げてきた21日線をしっかり下回ると、その限りではない。
本日は米経済指標として、レッドブック週間小売売上高が発表されるものの、市場の関心はそれほど高くなく基本はノーインパクトか。しかし、ウォラーFRB理事やウィリアムズNY連銀総裁による挨拶や講演など、中銀関係者による発言機会が数多く予定されており、そちらは要注意だろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.70-156.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の156円半ばが最初の抵抗。超えれば14日高値156.80円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、156円前後が短期的なサポートとして攻防にまずは注目。下回ると21日線も近い155円半ばが意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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