介入警戒根強いが、ドル高基調に変化なし
〇本日ドル円、揉み合いから155.15レベルへ急落後、元のレベルに「行って来い」
〇日銀会合の「主な意見」を受け一時円買いが優勢になるも、効果は長続きせず
〇本邦要人からの口先介入あるなか夕方にかけてさらに上げ幅拡大、155.80-85まで続伸
〇テクニカルには、160.22を起点とした下げ幅の半値戻し、156円が次のターゲット、ドル続伸に注意
〇本日は英中銀の金融政策会合(金利据え置き予想)、米新規失業保険申請件数発表に注目
〇ドル高・円安方向、フィボナッチポイントに当たる156円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値155.15レベルをめぐる攻防に注目
〇欧米時間の予想レンジ:155.20-156.40
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小じっかり。わずかではあるが、前日記録した戻り高値を再び更新する局面も。
ドル/円は155円半ばで寄り付いたのち、しばらくは揉み合いをたどるなか、突然ドルが急落。意外に底は浅かったが、それでも155.15円レベルへと値を下げた。しかし、底入れ後は完全な「行って来い」となり、元のレベルへ。本邦要人からの口先介入も聞かれるなか、夕方にかけてはさらに上げ幅を拡大させると155.80-85円まで続伸し、16時現在でもそのままドル高値圏をキープ、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「欧米金融政策」について。
前者は、前日の欧州時間に植田日銀総裁から「物価上振れリスクが増大するなら金利をより早めに調整していくことが適当」との発言が聞かれ、思惑を呼ぶも為替市場の反応はいまひとつ。しかし、本日に4月に実施された日銀会合の「主な意見」が発表され、そのなかで「基調的物価が上昇していけば、緩和度合いを調整」、「見通しの確度の高まりに合わせて、適時適切に政策金利を引き上げていくことが必要だ」−−といった文言が示されたことを受けて一時円買いが優勢に。しかし効果は長続きせず、ドル/円の下押しも短時間で終息となった。
対して後者は、事前予想通りながらスウェーデン中銀が利下げに踏み切ったことで、同じ欧州の中銀であるECB早期利下げ観測がさらに高まった。そうしたなか、ベルギー中銀総裁は「ECBが年内に利下げを進めることができる」と述べたものの、オーストリア中銀総裁は「ECBが金利を急激に、または大幅に引き下げる理由はない」と発言。市場の弱気ムードにクギを刺していた。一方、米国はボストン連銀総裁が「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信が強まるまで金融政策を現行水準で維持する必要がある」とコメントするなど、引き続きタカ派な見解が目に付いた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、155円レベルをしっかりと超え、本日東京時間には156円を視界内に捉えた展開。テクニカルには、昨日も報じたように高値160.22円を起点とした下げ幅の半値戻しがおおむね156円で、次のターゲットに。リスクは当然ドル高方向で、ドルの続伸に注意を払いたいところだが、155円を超えたあたりから鈴木財務相をはじめとする本邦要人の円安けん制発言が急に多く聞かれるようになった。すぐに実施されるか否かは別にして、円買い実弾介入についても頭の片隅にはとどめておきたいところだろう。
日米を中心とした各国金融政策が注視されるなか、本日は英中銀の金融政策が発表される予定となっている。ちなみに、予想は「金利の据え置き」だが、先でも報じたように昨日スウェーデンが利下げに動くなど、世界の潮流は金利引き下げの方向だ。今後の見通しを含め、十分に注意を払いたい。それ以外だと、ガザ情勢を中心とした地政学リスクの行方などを注視している向きも決して少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は7日のNYクローズで上回ってきた移動平均の21日線(154.80円前後)を足掛かりにしてドルが続伸。当局の円買い介入警戒もあり、ドルの上値が重いことは言うまでもないが、下値については再び21日線がサポートとして寄与することになりそうといった指摘も聞かれていた。
なお、ドルの次の上値メドである156円を超えると、2日高値の156.28円そして157円となる。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数の発表が予定されている。しかし、米要人の講演など発言機会も、特には予定されていないなど材料は少なめで、注意すべきは米財務省による30年債の定例入札ぐらいかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.20-156.40円。ドル高・円安方向はフィボナッチポイントに当たる156円レベルが最初の抵抗。抜けると156.28円などがターゲットか。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる155.15円レベルをめぐる攻防に注目。ただ、割り込んでも底堅そうで、21日線がサポートとして寄与しそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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