為替介入から一夜明けて力強く切り返す動き。本日は米FOMCがメインイベント
〇ドル円、米国時間午後にかけて、高値157.85まで上昇
〇米1ー3月期雇用コスト指数の予想以上の上昇等による米金利上昇が背景
〇ユーロドル、欧州指標好調に1.0736まで上昇するも、米金利上昇等に1.06台後半に反落
〇一昨日の為替介入規模5.5兆円前後と判明、介入余力は大きく無いとの見方も
〇明日早朝3:00の米FOMC結果公表と、同3:30からのパウエルFRB議長会見に注目集まる
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.00ー159.00
海外時間のレビュー
30日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値156.07まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買い(政府・日銀による前日の為替介入を受けて、ドル円は160.24から154.52まで大暴落→値頃感から押し目買いが出易い状況)や、(2)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開期待、(3)米1ー3月期雇用コスト指数(結果+1.2%、予想+1.0%)の市場予想を上回る結果、(4)米2月S&Pケースシラー住宅価格指数(結果+7.29%、予想+6.70%)の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)月末ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値157.85まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/1午前6時20分現在)では、157.72前後で推移しております。尚、昨日発表された米4月シカゴ購買部協会景気指数(結果37.9、予想45.0)および、米4月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果97.0、予想104.0)はいずれも市場予想を下回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
30日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)ユーロ圏1ー3月期GDP速報値(結果+0.3%、予想+0.1%)の市場予想を上回る結果や、(2)ユーロ圏4月コアCPI速報値(結果+2.7%、予想+2.6%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0736まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)米1ー3月期雇用コスト指数(結果+1.2%、予想+1.0%)の市場予想を上回る結果や、(4)米2月S&Pケースシラー住宅価格指数(結果+7.29%、予想+6.70%)の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)スペイン中銀デコス総裁による「6月ECB理事会での利下げ開始はほぼ確実」とのハト派的な発言、(7)月末ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0665まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/1午前6時20分現在)では、1.0673前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は前日の為替介入後に記録した安値154.52をボトムに切り返すと、昨日は一時157.85まで反発しました。日銀当座預金見通しによって為替介入規模が5.5兆円前後と判明したため、残りの為替介入余力は然程大きく無い(2022年に実施した為替介入は3回にわたり総額9.2兆円)との見方が広がったことが背景と考えられます。加えて、米1ー3月期雇用コスト指数や、米2月S&Pケースシラー住宅価格指数が市場予想を上回ったことも、米国のインフレ圧力→米FRBによる利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円を押し上げました。こうした中、本日は日本時間明日早朝3:00に公表される米FOMC(米連邦公開市場委員会)と、同3:30から始まるパウエルFRB議長の記者会見に注目が集まります。政策金利の「据え置き」はほぼ確実視されているため、市場の関心はパウエルFRB議長が「利下げ開始時期を仄めかすか否か」「一部メンバーが主張している追加利上げの可能性について触れるか否か」「QTペース減速に関する議論に触れるか否か」に移っています。
米当局者によるブラックアウト期間前の発言を踏まえると、パウエルFRB議長はタカ派的なスタンスを強調する可能性が高いため(年内利下げ見送りを織り込む動きに進展する可能性が高いため)、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米FOMC以外にも、米4月ADP雇用統計や、米4月ISM製造業景況指数、米3月JOLT雇用動態調査など重要イベントが目白押しとなります。
本日の予想レンジ:156.00ー159.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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