155円突破するも市場介入見られず、警戒感持ちつつ高値追及の動き
〇昨日ドル円、夜に155.15を付け155円突破、直後154.78まで下げたところから一段高に入る
〇本日未明に155.37まで高値を切り上げ、午前序盤も155円台維持
〇介入警戒感あるも、4/25,26の日銀会合や重要指標を前に先高期待が勝り高値切り上げてきたか
〇介入はスタンバイだが、週末にかけ重要イベントが続く過程ではタイミングも難しい
〇2022年と同様、一度の介入では速度調整的なブレーキに留まる可能性も
〇米長期債利回りはまちまち、ダウは反落、ナスダックは連騰
〇155.50超えからは156円前後への上昇を想定
〇154.80割れからはいったん下げに入るとみて154円台中盤への下落を想定
【概況】
ドル円は4月19日のイスラエルによるイラン空爆報道をきっかけとして153.58円へ急落したところから切り返し、ジリ高の推移で4月23日未明に154.78円を付けて4月17日未明高値154.78円を超えて昨年末以降の高値を更新し、23日夜に154.87円と高値を切り上げてからいったん154.55円まで下げたところも買われて24日午後には154.90円台へ到達していた。
4月24日夜に155.15円を付けて155円を突破し、直後に154.78円まで下げたところから一段高に入り、25日未明には155.37円まで高値を切り上げた。25日午前序盤も155円台を維持している。
155円突破後も政府・日銀の市場介入は見られないが、いつ介入があっても不思議ないとの警戒感をもちつつも、25日夜の米1-3月期GDPや26日の日銀金融政策決定会合、26日夜の米3月PCE統計と続く重要イベント次第ではドル全面高による急伸もあり得るところであり、市場介入姿勢を探りながら先高期待が勝って高値を切り上げてきたと思われる。
【介入はスタンバイだがタイミングも難しい】
4月23日に鈴木財務相は参院財政金融委員会の質疑で円安に対する市場介入についての「環境は整った」と述べた。先週のワシントンにおけるG20財務相・中銀総裁会議に合わせて日米韓の財務相会談が行われ、「円安への懸念を共有することができた」、「為替相場の行き過ぎた動きに適切な対応を取る考えも表明した」として市場介入の「環境が整ったのかということについてはそう捉えられてもいい」と述べた。
しかし、週末にかけて重要イベントが続く過程では介入のタイミングを計りづらいところもあり、米PCE統計がインフレ再燃懸念を示す場合や日銀金融政策決定会合と植田総裁会見で積極的な円安けん制姿勢が示されなければ全般的なドル高による押し上げで157円、158円、、160円と介入姿勢が試されつつ水準を切り上げてゆくことも考えられる。
2022年の市場介入では9月22日の一度目の介入で直前高値から5円を超える円高反応を見せたものの影響は当日だけに留まり10月21日の二度目介入へ向けてドル円は一段高している。今回も一度の介入では円安をストップさせられずに速度調整的なブレーキに留まる可能性もあり、介入規模が2022年当時と同程度なら介入後の一段高を見込んでバーゲンハント買いされる可能性も大いにあり得ると思われる。
【米長期債利回りはまちまち、ダウは反落、ナスダックは連騰】
4月24日に米商務省が発表した3月の耐久財受注は前月比2.6%増となり2月の0.7%増から上昇して市場予想の2.5%増も上回った。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注は前月比0.2%増で予想と一致した。市場の反応は限定的で25日夜の米1-3月期GDP速報、26日夜の米3月PCEデフレーターへ向いている。
4月24日の米長期債利回りはまちまちの動き。23日の2年債入札(690億ドル)につづいて24日は5年債入札(700億ドル)があり過去最大の入札規模だったことで米長期債利回り上昇の抑制要因だったものの需要は旺盛だった。
長期金利指標の10年債利回りは前日比0.04%上昇の4.64%となり、23日の0.01%低下から再上昇したが4月16日に4.696%をつけて昨年12月以降の最高値とした後は高止まりしている。30年債利回りは前日比0.04%上昇の4.77%となり一時4.795%をつけて4月16日に付けたこの間のピークである4.81%に迫った。2年債利回りは前日比0.01%低下の4.93%となり4月16日に付けた1月以降の最高である5.01%の後は高止まりの様相を続けている。大きく開いた日米金利差が縮小期に入る兆候はまだ見られない。
一方でNYダウは前日比42.77ドル安と下落した。3月21日の史上最高値39889.05ドルから下落に転じ4月8日から15日まで6営業日続落となり4月17日に37611.56ドルまで安値を切り下げたが、38000ドル割れに対する値頃感とイラン・イスラエル全面戦争回避によるリスク選好感で18日から23日まで4連騰したが、24日は週末にかけての重要指標発表を控えて上昇一服した。ナスダック総合指数は16.11ポイント高と上昇して4月22日から3連騰で戻したが16000ポイントには届かず戻り一服の様相だった。
【60分足、サイクル・一目均衡表分析】
ドル円は4月19日昼の急落から反騰入りして昨夜から155円台へ一段高となった、25日未明高値の後は市場介入警戒感で上げ渋っている。155円台を維持するか一時的に割り込んでも回復する内は一段高余地ありとみるが、市場介入への警戒感は継続すると注意する。
154.80円割れからはいったん下落期入りしたとみて25日の日中から26日午後にかけての間への下落を想定するが、日銀会合結果や総裁会見次第では下落期が長引いて週をまたぐ可能性もあるとみる。
60分足の一目均衡表では155円台に乗せる一段高により遅行スパンが好転して先行スパンも上回っているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、26本基準線割れからは弱気転換注意とし、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンが下値支持帯となりやすいとみるが、市場介入で急落する場合は先行スパンからの転落もあり得ると注意する。
60分足の相対力指数は4月25日未明への一段高で80ポイントを超えてから60ポイント台へ低下した。60ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復する内は一段高余地ありとするが、相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられる場合は反落警戒とし、50ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント前後への低下へ進むとみる。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、154.80円を下値支持線、155.50円を上値抵抗線とする。
(2)155円以上での推移中は一段高余地ありとし、155.50円超えからは156円前後への上昇を想定する。156円前後は反落警戒とするが155円を上回っての推移なら26日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)154.80円割れからはいったん下げに入るとみて154円台中盤(154.65円から154.35円)への下落を想定する。154.50円以下は反騰注意とするが、154.80円を割り込んだ後も155円以下での推移なら26日も安値試しへ向かいやすいとみる。ただし市場介入がある場合は直前高値から5円超規模の急落となる可能性もあると注意する。
【当面の予定】
4/25(木)
休場 オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、アイスランド
日銀・金融政策決定会合初日
14:00 (日) 2月 景気先行指数CI・改定値 (速報 111.8)
14:00 (日) 2月 景気一致指数CI・改定値 (速報 110.9)
15:00 (独) 5月 GFK消費者信頼感 (4月 -27.4、予想 -26.0)
21:30 (米) 1-3月期 GDP・速報値 前期比年率 (10-12月 3.4%、予想 2.4%)
21:30 (米) 1-3月期 GDP個人消費・速報値 前期比年率 (10-12月 3.3%、予想 3.0%)
21:30 (米) 1-3月期 コアPCE・速報値 前期比年率 (10-12月 2.0%、予想 3.4%)
21:30 (米) 3月 卸売在庫 前月比 (2月 0.5%、予想 0.3%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.2万件、予想 21.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 181.2万人、予想 180.5万人)
23:00 (米) 3月 住宅販売保留指数 前月比 (2月 1.6%、予想 0.4%)
23:00 (米) 3月 住宅販売保留指数 前年同月比 (2月 -2.2%、予想 -3.0%)
4/26(金)
中国全人代常務委員会最終日
未 定 (日) 日銀金融政策決定会合、政策金利 (現行 0-0.1%、予想 0-0.1%)
未 定 (日) 日銀展望レポート
08:01 (英) 4月 GFK消費者信頼感 (3月 -21)
08:30 (日) 4月 東京区部CPI(消費者物価指数)・生鮮食料品除く 前年同月比 (3月 2.9%、予想 2.2%)
10:30 (豪) 1-3月期 PPI(生産者物価指数) 前期比 (10-12月 0.9%)
10:30 (豪) 1-3月期 PPI(生産者物価指数) 前年同期比 (10-12月 4.1%)
10:30 (豪) 1-3月期 輸入物価指数 前期比 (10-12月 1.1%、予想 0.1%)
15:30 (日) 植田和男日銀総裁、記者会見
21:30 (米) 3月 個人所得 前月比 (2月 0.3%、予想 0.5%)
21:30 (米) 3月 PCE(個人消費支出) 前月比 (2月 0.8%、予想 0.6%)
21:30 (米) 3月 PCEデフレーター 前年同月比 (2月 2.5%、予想 2.6%)
21:30 (米) 3月 コアPCEデフレーター 前月比 (2月 0.3%、予想 0.3%)
21:30 (米) 3月 コアPCEデフレーター 前年同月比 (2月 2.8%、予想 2.7%)
23:00 (米) 4月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値 (速報 77.9、予想 77.9)
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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ドル円、155円乗せ後も介入等の動き無く、155円台半ばに続伸 (4/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は155円台前半を続伸。
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2024.04.25
ドル円、心理的節目155.00をついに突破。約34年ぶり高値を大幅更新(4/25朝)
24日(水)のドル円相場は堅調な値動き。
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