心理的節目155.00をついに突破。約34年ぶり高値を大幅更新
〇ドル円、155.00突破に向けた仕掛け的なドル買い円売りの動き等に米国時間に155.38まで急伸
〇ユーロドル、米国時間朝方にかけて安値1.0678まで軟化、1.07台を維持できず
〇ドル円、1990年6月以来約34年ぶり高値圏、テクニカルの地合い極めて強い
〇日米金利差拡大期待や政府・日銀による為替介入観測の後退がドル円をサポート
〇日銀金融政策決定会合前というタイミングもあり、実弾介入には踏み切らないか
〇本日の予想レンジ:154.50ー156.00
海外時間のレビュー
24日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値154.74まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、(2)日米金利差に着目した根強いドル買い・円売り、(3)心理的節目155.00突破に向けた仕掛け的なドル買い・円売り、(4)オプション勢による大規模ロスカット(155.00に設定されたリバースノックアウトオプションのトリガーヒット→これまで防戦売りとして売却してきたドル円の買い戻し)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約34年ぶり高値155.38まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/25午前5時50分現在)では、155.36前後で推移しております。尚、昨日発表された米3月耐久財受注(結果2.6%、予想2.8%)は市場予想を下回る結果となりましたが、ドル売りでの反応は限られました。
24日(水)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0715まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)前日の急上昇に対する反動売りや、(2)欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買いが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0678まで軟化しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/25午前5時50分現在)では、1.0698前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ4月Ifo期待指数(結果89.9、予想は88.9)、ドイツ4月Ifo現況指数(結果88.9、予想88.7)、ドイツ4月Ifo景気動向指数(結果89.4、予想88.8)はいずれも市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は心理的節目155.00をついに突破し、一時155.38(1990年6月以来、約34年ぶり高値圏)まで急伸しました。4時間足・日足・週足・月足の全てにおいて、ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる年内利下げ観測の後退(従来織り込まれていた年3回の利下げが年1回の利下げに後退)や、(2)日銀による年内利上げ観測の後退、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に伴う円キャリートレードの継続期待)、(4)政府・日銀による為替介入観測の後退(米国はインフレ抑制に繋がるドル高を容認する構え→足元のドル高・円安は投機的な動きではなく、日米金利差に沿ったファンダメンタルズの動きであるため、政府・日銀は米国への配慮も相俟って為替介入に踏み切りづらい)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米1ー3月期GDP速報値が市場予想を上回る場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路でもう一段ドル円が上値を伸ばすシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目155.00を突破したことで、政府・日銀による口先介入のトーン・頻度はいつもより激化する恐れがあるものの、日銀金融政策決定会合前というタイミングもあり、実弾介入には踏み切らないと予想)。
本日の予想レンジ:154.50ー156.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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