155円に急接近、円買い介入の行方は如何に
〇ドル円、寄り付きを中心とした狭いレンジ取引、夕方に掛けては154.95レベルを示現
〇トランプ前大統領「円安進行は米国にとって大惨事」「バイデン氏は円安を放置している」とコメント
〇日経新聞、週末の日銀政策決定会合は「円安加速の影響」についても議論と報じる
〇本日の米経済指標、3月耐久財受注速報など。米企業決算、ドル支援要因となるかも注目
〇ドル高円安方向、155円超えられるかの攻防に注目。上抜けた場合に実弾介入がどこで観測されるか注視
〇ドル安円高方向、2日続けて下げ止まった154円半ばが最初のサポート。下回っても底堅い
〇欧米時間のドル円予想レンジ:154.40-155.30
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小幅に続伸。連日の高値更新で、155円まであと数ポイントへと接近する局面も。
ドル/円は154.80-85円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。寄り付きを中心とした狭いレンジ取引だったが、それでも夕方に掛けては154.95円レベルを示現し、155円まであと一歩へと接近していた。16時現在では、そのままドル高値圏154.90-95円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、ドル高が進行するなかでも、本日は本邦要人からの口先介入が聞かれなかった。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言など」と「欧州金融政策」について。
前者は、鈴木財務相など当局者ではなく、経団連会長から「経済のファンダメンタルズを踏まえれば、現在の円安は行き過ぎ」との発言が聞かれたうえ、片山自民政調会長代理は「為替介入がいつ入ってもおかしくない状況」、古沢元財務官「介入までの距離は相当近づいている」−−などといったいつもとは違うメンバーから円安けん制発言が発せられていた。また、麻生副総理との会談を前に、トランプ前米大統領から「円安進行は米国にとって大惨事」、「バイデン氏は円安を放置している」とのコメントが聞かれ、話題になっていたようだ。
対して後者は、昨日は事前に利下げ予想が取り沙汰されるなかハンガリー中銀が実際に0.5%の利下げを実施。そうしたなか、デギンドスECB副総裁が「ECBは6月に利下げを行う」と明言したと伝えられたうえ、ドイツ連銀総裁からも「データ次第でECBは利下げが可能」との発言が聞かれていた。それに対して、英国は中銀チーフエコノミストのピル氏が、「利下げ時期の判断に当たっては慎重に慎重を重ねる」との考えを示し、早期利下げをけん制したと報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、155円をなかなか超えられずにいるが、それでも連日高値を少しずつ切り上げている。週明け22日は154.85円で昨日は154.88円、そして本日東京でまたもや高値を更新し154.95円レベルを示現した。この先、欧米時間にいま一段のドル高進行、つまり155円台乗せを達成するのか否かが引き続き注目されている。それに対するドルの下値は基本的に底堅く、154円半ばが最初のサポートになりそうだ。
市場では週末の日銀政策決定会合の結果発表を注視している向きが少なくない。そんな日銀会合においては、金融政策のほか消費者物価見通しの上方修正の議論なども行うと目されているが、日経新聞によると「円安加速の影響」についても議論するという。また、ブルームバーグはコラムで「日銀会合後の円相場介入は過去に例がある」と指摘していた。様々な要因が絡み合った週末日銀会合への関心がさらに高まった感もあり、為替を中心とした前後の金融市場の動きには是非とも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場はいまだ155円が壁として寄与しており、上げ渋っているものの、本日東京時間に154.95円レベルを示現するなど、上抜けもいよいよ秒読みになった感がある。このあと欧米時間にトライもありうるか。なお、155円を超えるとチャート的には再び青天井で、強い抵抗は160円台まで存在しないが、その過程ではさすがに当局の実弾介入が上値を押さえそうだ。
本日は米経済指標として、3月の耐久財受注速報が発表されるほか、重要とされる米企業決算も少なくない。前者もさることながら、昨日は後者の企業決算も良好なものが多くドルにとっても支援要因となった流れが続くか否か注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.40-155.30円。ドル高・円安方向はいよいよ155円を超えられるか否かの攻防に注目。仮に上抜けた場合には、実弾介入がどこで観測されるのかを注視している向きが少なくない。
対するドル安・円高方向は、2日続けて下げ止まった154円半ばが最初のサポート。下回っても実弾介入でもなければ基本的に底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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