ドル154円90銭台での攻防、高値こう着想定だが一気に156円台まで走る可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、こう着感の強い地合いながら、一時154円91銭まで買われる場面が見られた。
昨晩の海外時間では、米利下げ先送り観測を受けたドル買い優勢となったのち、米4月製造業PMI、サービス業PMI速報値が予想外に悪化したため利下げ観測が強まり、長期金利低下に伴うドル売りに拍車がかかった。その後、発表された米3月新築住宅販売件数が予想以上に増加したためドル売りは一巡し、154円80銭台まで値を戻した。
東京時間は、引き続き上下の値幅が20銭未満でのこう着相場となった。155円手前での攻防が継続しており、14時台には一時154円91銭と昨日つけた高値154円88銭を上回り154円90銭台に乗せる場面も見られた。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円78銭
高値:154円91銭
安値:154円74銭
終値:154円88銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:165円66銭
高値:165円85銭
安値:165円56銭
終値:165円74銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:100円37銭
高値:101円07銭
安値:100円28銭
終値:100円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:192円70銭
高値:192円96銭
安値:192円63銭
終値:192円87銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:37871円92銭
高値:38460円08銭
安値:37857円47銭
終値:38460円08銭(前日比+907円92銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、4月独Ifo景況感指数、前回:87.8、市場予想:88.9
18時10分、欧、チポローネECB理事が会議に出席
21時30分、米、3月耐久財受注(速報値)(前月比)、前回:1.3%、市場予想:2.8%
21時30分、米、3月耐久財受注(速報値)(コア)(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.3%
23時30分、米週次原油在庫、前回:273.5万バレル、市場予想:167.5万バレル
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)、5月2日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
東京時間終了辺りから、じりじりとしたドル買いが進み、155円台を試す展開を迎えている。155円水準ではオプション・トリガー(オプション・バリアー)が積み上がっており、その手前の154円90銭台水準での攻防だ。3月末から4月上旬にかけてみられた151円90銭台の攻防とよく似ており、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは、155円台はないと考えていたが、もしかすると一気に円安ドル高が加速し、155円台を通過点に156円台乗せの可能性もでてきた。
明日から26日まで開催される日銀金融政策決定会合では、現状の金融政策を維持するが、展望レポートの物価見通しを多少引き上げる、がコンセンサスとなっている。サプライズとしては、植田和男日銀総裁が記者会見等で「円安けん制発言」を行うかどうかと考える。来週のFOMCがタカ派な内容となる可能性もあることから、先制パンチを打っておきたい心境は理解できる。
仮に、これまで「為替は財務省マター」というスタンスだった植田日銀総裁が、なりふり構わない口先介入に動いた場合、投機筋の円売りポジションのアンワインドが加速する展開を想定しておきたい。今の円売りポジションのボリュームは、2007年以来の大きな円売りポジションである。2022年の政府・日銀による円買い介入時の値動き(約5円)とまではいかないものの、2−3円は動く展開を頭に入れておきたい。
今晩の海外時間での155円台乗せは無いと考えるが、あと数銭の水準までドルが上昇していることから、念のため円安ドル高が走る前提も想定しておきたい。仮に155円台に乗せた際は、一気に156円台まで駆け上がると考える。上値メドは156円50銭、下値メドは154円00銭とする。
なお、上値メドの156円50銭まで駆け上がったとしても、市場で言われている「前日終値+1.2%の円安ドル高」には届かないことから、政府・日銀は円買い介入に動けないと考える。週末の日銀会合前に円買い介入を実施するとインパクトは大きいが、「為替の急変動」というルールを重視すると難しいところだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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