ドル円 155円に接近、当局介入スタンスにも注目(4/23夕)

東京市場はほぼ横這い推移。155円の節目を前に上げ渋りの様相で、20ポイント程度のレンジ取引だった。

ドル円 155円に接近、当局介入スタンスにも注目(4/23夕)

ドル円 155円に接近、当局介入スタンスにも注目

〇東京時間のドル円、154.80-85で寄り付くも155円を前に上げ渋り、20ポイント程度のレンジ取引
〇財務相の円安けん制発言相次ぐ、従来の見解に加えさらに踏み込んだコメントも
〇ドル円相場は依然として上値が重く介入警戒感強い、実弾介入実施の可能性が高まったか
〇一方でドルの下値も堅く、実弾介入がなければドルは引き続き底堅く推移するか
〇市場は、週末の日銀政策決定会合の結果発表を注視
〇欧米時間のドル円予想レンジは154.30-155.30、ドル高円安方向は154.85をめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安円高方向は、154円半ばが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

東京市場はほぼ横這い推移。155円の節目を前に上げ渋りの様相で、20ポイント程度のレンジ取引だった。

ドル/円は154.80-85円で寄り付いたものの、同レベルが日中高値となりドルは上げ渋り。155円は近くて遠い存在で、東京時間にもとどかなかった。しかし、下値も堅く安値は154.65円レベルまで。鈴木財務相の口先介入なども取り沙汰されるなか、小動きを続け16時現在では154.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言など」と「ウクライナ支援」について。
前者は、ドル/円は154円後半というドル高値圏で推移したこともあり、鈴木財務相から執拗ともいえる円安けん制発言が聞かれていた。また、その内容は「行き過ぎた動きには適切な対応を取っていく」といった従来の見解に加え、「為替介入の環境が整ったと捉えられてもいい」などと、さらに踏み込んだコメントも発していたという。一方、そうしたなか参院財政金融委に出席した植田日銀総裁は「基調的な物価上昇率が日銀の見通しに沿って2%に向けて上昇していけば、短期金利を引き上げていく」と述べていたようだ。

対して後者は、先週末に「米下院で950億ドルのウクライナなどの支援法案」がようやく可決されるなか、ホワイトハウスはバイデン米大統領がゼレンスキー大統領と電話会談したと発表している。そのなかで、ウクライナ支援法が成立すれば早急に、ウクライナのニーズを満たす「かなり」の安全保障支援を新たに提供すると伝えたという。また、それとは別にEUも会合を開き、ウクライナの防空強化策を緊急に検討する姿勢を示したうえ、英国もウクライナ軍事支援の増額を発表している。ウクライナは資金や兵器の枯渇が危惧され、劣勢も取り沙汰されていたが、米国や英欧の支援を受けた今後巻き返しの動きを是非とも期待したい。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、依然としてドルの上値が重く節目である155円を前に上げ渋り。日本当局の円買い介入警戒感は強く、とくに前述したように本日東京で聞かれた鈴木財務相発言からすると、実弾介入実施のギアが強まったと考えられる。とは言え、ドルの下値も堅く、実際昨日ドルの安値は154円半ば、そして本日も154.65円レベルまでしか下げていない。ポジションは確かに偏っているものの、実弾介入がなければドルは引き続き底堅く推移しそうだ。
市場では週末の日銀政策決定会合の結果発表を注視している向きがある。金利の変更そのものは予想できないが、前述した植田総裁発言などから消費者物価見通しの上方修正などの議論、さらには今一歩踏み込んだ措置を期待する声も聞かれていた。いずれにしても、足もと推移する154円台を中心としたレンジ取引から脱却する起爆剤になるといった見方が優勢で、注意をしておきたい。なお、それとは別にイランを中心とした中東情勢なども、引き続き予断を許さないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は先週末19日にイレギュラー的に瞬間153円半ばまで値を下げるも、それを除くとすでに1週間程度はおおむね154円台での値動きだ。これはかつて、抜けるのに2週間以上要した152円が壁となっていた際の動きによく似ている。周知のように、結果として152円は上抜けることになったわけだが、今回は果たして如何に。しっかり抜けて定着するか否かは当局の介入姿勢がカギを握りそう、などといった声も聞かれていた。

本日は米経済指標として、4月の製造業PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表されるほか、重要とされる米企業決算もある。また、日本時間だと明24日の午前となりそうだが、NY訪問中の自民党の麻生副総裁がトランプ前米大統領と会談する見通しとされる。一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは154.30-155.30円。ドル高・円安方向は昨日高値の154.85円をめぐる攻防にまずは注目。抜ければもちろん155円がターゲットで、それも抜ければテクニカルには再び青天井となる。
対するドル安・円高方向は、昨日安値に当たる154円半ばが最初のサポート。下回ると154円割れトライも否定できないが、それでも基本的に底堅そうだ。

ドル円 155円に接近、当局介入スタンスにも注目

ドル円日足


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