東京市場のドルは154円台後半でのもみ合い、 155円手前の壁は分厚いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、目立った売買材料が観測されないなか、154円台後半でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米3月シカゴ連銀全米活動指数が予想以上に改善したため利下げ観測が後退しドル買いが強まった。また、中東情勢が小康状態となっていることでリスク回避の円買いも入りにくくなっていることから、4月16日の高値154円80銭を上回る154円88銭までドルは上昇した。
東京時間は、上下の値幅20銭弱と引き続き高値圏でのこう着相場となった。株式市場では、日経平均が一時前日比マイナス圏に突入するなど方向感は乏しかったことから、為替への影響は限定的に。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円80銭
高値:154円85銭
安値:154円66銭
終値:154円77銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円94銭
高値:165円01銭
安値:164円83銭
終値:164円84銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円82銭
高値:100円03銭
安値: 99円78銭
終値: 99円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円19銭
高値:191円29銭
安値:191円03銭
終値:191円05銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:37797円06銭
高値:37817円78銭
安値:37397円27銭
終値:37552円16銭(前日比+113円55銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、4月ユーロ圏製造業PMI(速報値)、前回:46.1、市場予想:46.6
17時00分、欧、4月ユーロ圏サービス業PMI(速報値)、前回:51.5、市場予想:51.7
17時30分、英、4月製造業PMI、前回:50.3、市場予想:50.5
17時30分、英、4月サービス業PMI、前回:53.1、市場予想:52.9
21時30分、欧、ナーゲル独連銀総裁がイベントに出席
22時30分、欧、ナーゲル独連銀総裁の講演
22時45分、米、4月製造業PMI(速報値)、前回:51.9、市場予想:52.1
22時45分、米、4月サービス業PMI(速報値)、前回:51.7、市場予想:52.1
22時45分、米、4月コンポジットPMI(速報値)、前回:52.1、市場予想:52.1
23時00分、米、4月リッチモンド連銀製造業指数、前回:−11
23時00分、米、3月新築住宅販売件数、前回:66.2万件、市場予想:66.9万件
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)、5月2日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
今晩は、4月の各種PMI発表に注目となるが、155円水準ではオプション・トリガー(オプション・バリアーともいう)が積み上がっており、その手前の154円90銭台水準では投機筋による円売りドル買いとの攻防が続いているようだ。こうした展開は3月末から4月上旬にかけてみられた151円90銭台の攻防と非常によく似ている。
仮に4月PMI発表を材料にドル買いが強まり155円台に入った際は、4月10日の3月消費者物価指数(CPI)発表時と似たような展開が想定されよう。10日は3月CPI上振れを材料に、151円90銭台から一気に153円20銭台まで円安ドル高が加速した。この時は、市場で言われている「前日終値+1.2%の円安ドル高」の水準には届かなかったことから、政府・日銀による円買い介入は入らなかったと推測する。
一方、今週末には日銀金融政策決定会合、来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本のゴールデン・ウィークと重要なイベントが多く予定されている。また、151円台後半での攻防は3月から4月にかけて15営業日続いたことなども考慮すると、今晩の4月PMIを材料に155円台に突入する展開はさすがに難しいか。
仮に日銀が「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」のインフレ見通しを引き上げ、植田日銀総裁の記者会見にて、追加の利上げ機運が高まるような発言があれば、日米金利差の拡大一服が意識されて円売りポジションが多少解消される可能性はある。こうした展開が推測される状況下、投機筋が今晩の海外時間で155円台乗せに躍起となる必要はなさそうだ。
今晩の海外時間もドルは高値圏で推移するが、155円台乗せは無いと考える。上値メドは154円90銭、下値メドは154円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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