日米金利差は縮小せず、ドル高基調継続
〇ドル円、全般的に動意乏しく154.45-75のレンジで一進一退。16時現在154.50-55で推移
〇ブルームバーグ、日韓財務相が通貨安に「深刻な懸念共有」、為替変動「適切な措置」の可能性言及
〇本日の米経済指標、MBA住宅ローン申請指数、米地区連銀経済報告の公表など
〇4/17-18日G20財務相・中銀総裁会議、鈴木財務相「為替は正式議題にならなくても話題にはなる」
〇ドル高円安方向、ドルの戻り高値154.78が最初の抵抗、抜ければ再び155円目指す展開
〇ドル安円高方向、昨日安値153.89巡る攻防にまずは注目。下回っても基本的には底堅い
〇欧米時間ドル円予想レンジ:153.90-155.20
<< 東京市場の動き >>
東京市場は揉み合い。154円台後半を中心としたドル高値圏での推移となったが、前日高値を超えることは出来なかった。
ドル/円は154.70円レベルで寄り付いたものの、全般的に動意は乏しい。3日続落となった日経平均など株価の動きをにらみつつ、円買い介入警戒感などもあり、市場では売買の手控えムードが強かった。154.45-75円といったなかで一進一退をたどるなか、16時現在では154.50-55円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「円安けん制発言など」について。
前者は、昨日発表された米経済指標はまちまちながら、やや冴えないものが多い。3月の設備稼働率などは予想を下回っている。しかし、パウエルFRB議長から「金融当局が利下げ実施まで待つ期間は以前の想定よりも長くなる」との認識を示唆するコメントが聞かれたことで、早期利下げ期待はさらに後退することに。また、その後もリッチモンド連銀総裁「FRBが利下げ決定に時間をかけるのは賢明」、FRB副議長「必要なら金融引き締めを長期維持することが賢明」−−などといった発言が聞かれ、いずれもドルの支援要因になっていた。
対して後者は、前述したように東京時間は154円後半を中心とした動意。34年ぶりドル高値圏での推移となったが、G20会合出席もあってか鈴木財務相などによる円安けん制発言はとくに聞かれず。しかし、ブルームバーグは日韓財務相が通貨安について「深刻な懸念を共有する」とともに、為替変動で「適切な措置」講じる可能性を言及していた。また、国際通貨基金(IMF)のエイドリアン金融資本市場局長が会見で、状況次第では「為替介入が適切になる可能性もある」と述べたとも伝えられている。ドル/円の反転下落にも一応注意しておきたい。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日欧米時間に154.70円台までドル高が進行するなか、ミニ・フラッシュクラッシュのような動きが観測され、154円割れまで一気に1円近い下げを見せた。結果的には介入でなかったようで、すぐに値を戻す展開をたどったが、一時は物議を醸す局面も観測されている。いずれにしても、リスクは依然としてドル高方向にバイアスがかかるなか、前述した「予行練習」でもわかる通り、一度下げるとスピードはかなり速そうだ。基本的には両にらみ、ドル安進行についても一応注意しておきたい。
日米を中心とした各国政策金利が引き続き注目を集めているものの、伝えられる要人発言などを見る限り日米金利差がそう簡単に縮小するとは思われない。よって、足もとのドル高・円基調そのものはまだ当面続く公算が大きい。そうしたなか、別途市場の懸念要因として取り沙汰されているものが中東地域における地政学リスクの高まりと、17-18日に開催されるG20財務相・中銀総裁会議。後者については、可能性が低いものの昨日鈴木財務相が「為替はG20の正式議題にはならなくても話題にはなる」と述べており、若干の警戒感を抱く向きもあるようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は155円が意識されているものの、なかなか到達できていない。かつて鈴木財務相は「防衛ラインはない」と述べていたが、先の155円をそれと捉える市場参加者は少なくないようだ。いずれにしろ、本日もまずは155円をめぐる攻防が注目されている。
それに対するサポートは昨日安値の153.89円。もっとも実弾介入が観測されれば、さらなる下落は確実だ。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数などが発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も実施される予定だ。また米企業決算発表は続くほか、ワシントンでG20財務相・中銀総裁会議もはじまる予定となっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.90-155.20円。ドル高・円安方向はドルの戻り高値154.78円が最初の抵抗で、抜ければ再び155円を目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、昨日安値153.89円をめぐる攻防にまずは注目。ただし、下回っても基本的には底堅い。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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