東京市場のドルは154円台でしっかり、155円台乗せを意識した地合いは継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日経平均急落の影響は限定的で、ドルは154円60銭台での高値圏での小動きとなった。
昨晩の海外時間では、米3月住宅着工件数・許可件数が予想を下回ったため、ドル売りが優勢となり瞬間的に154円台を割り込む場面も見られた。
その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェファーソン副議長が「インフレ長期化なら高金利の維持も長期化する」との考えを示したことに続き、パウエルFRB議長も利下げに向けたインフレ進展の一段の確信を得るには想定以上に時間がかかる可能性に言及。必要とあれば現状の金利を長期にわたり維持する可能性にも言及したため、米10年台利回りは4.7%台手前まで上昇。ドルは154円60銭台まで値を戻した。
東京時間では、ドルは154円60銭台での小動き推移となった。株式市場では、日経平均が2月14日以来の38000円割れとなったが、為替市場への影響は限定的。政府高官による目立った口先介入が観測されないなか、ドルは高値圏でのもみ合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:154円68銭
高値:154円74銭
安値:154円60銭
終値:154円63銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円27銭
高値:164円49銭
安値:164円05銭
終値:164円08銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円12銭
高値: 99円31銭
安値: 99円01銭
終値: 99円07銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:192円26銭
高値:192円34銭
安値:192円01銭
終値:192円 07銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38587円47銭
高値:38587円61銭
安値:37961円80銭
終値:37961円80銭(前日比−509円40銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、3月ユーロ圏消費者物価指数(前年比)(確報)、前回:2.4%、市場予想:2.4%
18時00分、欧、3月ユーロ圏消費者物価指数(前年比)(コア)(確報)、前回:2.9%、市場予想:2.9%
18時00分、欧、チポローネECB理事が会議出席
23時30分、米、週次原油在庫、前回:584.1万バレル
24時00分、欧、デコス・スペイン中銀総裁が国際金融研究所で講演
24時45分、欧、シュナーベルECB理事が講演
25時00分、英、ベイリー英中銀総裁が講演
27時00分、欧、ラガルドECB総裁が講演
27時00分、米、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
30時30分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
G20 財務相中央銀行総裁会議(18日まで)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、151円90銭台の上値抵抗線を突破後は上げ基調を強めており、154円台に突入した。1990年6月以来の水準までドルは上昇。ドル・インデックスは106台と昨年11月3日以来の水準まで上昇した後は、上げ一服となっている。
東京時間ではドル買い一服となったが、日本当局による円買い介入実施の難しさが意識されて、今晩の海外時間もドル上昇の展開となり、155円台を試すと想定する。
政府・日銀による円買い介入への一定の警戒感は残るが、16日、IMFのエイドリアン金融資本市場局長は「(為替の変動が激しい場合には為替市場への介入が)適切になる可能性がある」と16日に述べた。同氏は為替介入について「特別な環境次第」と述べており、あくまでも「為替の急変動」の場合にのみ有益になるとの考えを示した。
この発言を受けて、「為替の急変動」が介入実施の大義名分としてIMFのなかで存在することが再認識された。為替の急変動の定義として、市場では過去の経験則に基づいた「前日終値比+1.2%の円安ドル高」という水準がある。仮にこの水準が条件として存在する場合、政府・日銀が円買い介入を実施するためには、一日で1.8円ほど円安ドル高が進む必要がある。介入実施のハードルは高いので、安心して155円台を試せるというロジックだ。
今晩の海外時間もドル強気の地合いを想定するが、懸念は半導体関連を中心とした米国株の急落だ。足元の日本株と為替のように、株安が与える為替市場への影響は限定的と考えるが、念のため注意したい。上値メドは155円30銭、下値メドは154円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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