ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りと介入警戒感のドル売り・円買いが交錯(4/18朝)

17日(水)のドル円相場は乱高下。

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りと介入警戒感のドル売り・円買いが交錯(4/18朝)

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りと介入警戒感のドル売り・円買いが交錯

〇ドル円、日米韓による円安及びウォン安懸念の共同声明等に米国時間に154.16まで下落
〇ユーロドル、英ポンドの持ち直し、米長期金利の低下に1.06台後半を回復
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、155円突破は時間の問題
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大と円キャリートレードの長期化観測がドル円をサポート
〇G20では水面下ドル売り介入の根回しや折衝が進められているとみられるも米国の理解は得づらいか
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:153.50ー155.50

海外時間のレビュー

17日(水)のドル円相場は乱高下。(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)本邦3月貿易収支(結果3665億円黒字、予想3455億円黒字)の市場予想を上回る結果、(3)日本政府・当局による為替介入警戒感が重石となり、アジア時間夕方にかけて、一時154.45まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開(パウエルFRB議長およびジェファーソンFRB副議長はいずれも前日に「利下げを急がないスタンス」を明確化)や、(5)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値154.76まで反発しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)心理的節目155.00を背にした戻り売り圧力(リバースノックアウトオプションのトリガー操作に絡む防戦売り)や、(7)日米韓による「最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識」「外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」との共同声明発表、(8)鈴木財務相による「為替について日米での意思疎通を確認した」との円安牽制発言、(9)神田財務官による「必要であれば適切な行動取るのは変わらない」「あらゆる手段を排除せずということに尽きる」との円安牽制発言が重石となり、米国時間午後にかけて、安値154.16まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/18午前5時55分現在)では、154.37前後で推移しております。

17日(水)のユーロドル相場は下落後に急上昇。(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測や、(2)ECBによる早期利下げ観測、(3)上記1、2を背景とした欧米金融政策の方向性の違いが重石となり、アジア時間夕方にかけて、安値1.0606まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)心理的節目1.0600を背にした押し目買い圧力(節目1.0600がサポートとして確り機能)や、(5)英ポンドの持ち直し(英3月消費者物価指数が市場予想を上回ったことで、BOEによる早期利下げ観測が後退→英ポンド上昇→ユーロ連れ高)、(6)米20年債入札の良好な結果(米金利低下→米ドル売り)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0680まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/18午前5時55分現在)では、1.0673前後で推移しております。尚、昨日はオーストリア中銀ホルツマン総裁による「利下げするかどうかは6月まで待つ必要ある」との発言や、ポルトガル中銀センテノ総裁による「6月は非常に重要な決定となる」「金融政策を変更する時が来た」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は上昇後に急落するなど荒々しい値動き(154.76→154.16)となりました。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの遥か上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(心理的節目155.00突破は時間の問題)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(パウエルFRB議長、ジェファーソンFRB副議長、ウォラーFRB理事が「利下げを急がない姿勢(no rush)」を明確化→米長期金利に上昇圧力)や、(2)日銀による年内据え置き観測(強烈な円安の影響で輸入インフレ発生→物価高に賃金が追い付かず実質賃金低下→日銀による追加利上観測後退→円金利に低下圧力)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレードの長期化観測(投機筋によるネットの円売り越し額は2007年6月26日以来の高水準)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

昨日よりG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれているため、水面下でドル売り介入の根回しや折衝(IMFのエイドリアン金融資本市場局長は記者会見で「為替変動が激しい場合は為替市場への介入が適切になる可能性がある」と発言。また、日本時間未明には日米韓による「最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識」「外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」との共同声明も発表)が進められているとの見方が燻っているものの、足元の環境下では米国の理解を得づらい(※米国はインフレ抑制に寄与するドル高を容認→米国への配慮からドル売り介入に踏み切りづらい)と見られることから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(G20通過後もドル売り介入がなかなか入らず、失望感から心理的節目155.00を突破するシナリオを想定)。

本日の予想レンジ:153.50ー155.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日米金利差に着目したドル買い・円売りと介入警戒感のドル売り・円買いが交錯

ドル円日足

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