ドル円 介入警戒くすぶるなか、ドル底堅い展開継続(4/12夕)

東京市場はレンジ取引。おおむね153円前半とした30ポイントほどの一進一退に終始している。

ドル円 介入警戒くすぶるなか、ドル底堅い展開継続(4/12夕)

介入警戒くすぶるなか、ドル底堅い展開継続

〇本日のドル円、153.25レベルで寄り付くも、おおむね153円前半の30ポイント程の一進一退に終始
〇ドル円の下値はかなり堅く、日本当局の円買い介入警戒が強くドルの上値を強く抑制している可能性
〇それでも基本的なリスクはドル高方向、155円方向に向けたドル高の流れはいましばらく続くか
〇欧米時間の予想レンジは152.50-153.80、ドル高・円安方向は153円半ばが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、152.95-00の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場はレンジ取引。おおむね153円前半とした30ポイントほどの一進一退に終始している。

ドル/円は153.25円レベルで寄り付いたものの、上値は重く上げ渋り。前日記録した高値153.32円を超えていくことは出来なかった。本日も引き続き執拗とも言える鈴木財務相からの口先介入が聞かれており、それも少なからず影響していたようだ。
とは言え下値も堅く、ドルの安値は153円をわずかに割り込んだレベルで、それもすぐに買い戻されると簡単に153円台を回復している。16時現在では寄り付きとほぼ同じ153.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「欧州金融政策」と「米金融政策」について。
前者は、昨11日にECBが政策金利の発表を行い、事前予想通り「政策金利は据え置き」となった。しかし、同時に「インフレ低下にともない近く利下げをすることが可能」などとしたコメントを発したことで、6月利下げ説が急浮上。ユーロの弱材料となっていたようだ。実際、ユーロ/円は会合前の165円レベルから、一時は1円程度も一気に値を下げている。また、ユーロは本日東京でさらに値を下げるなど、足もとは続落の様相だ。

対して後者は、10日に発表された3月の米消費者物価は好数字でドル高に寄与したものの、それに続く11日の同生産者物価は逆に予想を下回った。これそのものはドル安要因。ただし、コア指数は逆に予想よりも高めの数字となったこともあり、一方的なドル売りにもならず。ドル/円で言えば下値は152.80円台までと底堅く推移している。なお、今回発表された2つの米インフレ指標を受け、米通貨当局者などから幾つかの発言が聞かれたが、NY連銀総裁が「まだ仕事は終わっていない」、ボストン連銀総裁は「政策金利は予想よりも緩やかになるかもしれない」などと、依然として強気なコメントが目に付いた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は連日で高値を更新。10日に153円台へと乗せたあと、11日そして本12日にも一時的に下回る局面が観測されているものの、それでも下値はかなり堅い。改めて指摘するまでもなく、日本当局の円買い介入警戒は強く、ドルの上値を強く抑制していることは間違いないが、それでも基本的なリスクはドル高方向にバイアスが掛かる。市場は実弾介入の催促相場、155円方向に向けジリジリとしたドル高の流れはいましばらく続きそうだ。
日米を中心とした各国政策金利が引き続き注目を集めるなか、昨日ECBが政策金利を発表し、次回6月利下げに含みをみせた。一部からは「FRBよりECBの方が早く利下げを実施しそうなうえ、ペースも早い」などといった指摘も聞かれており、今後の動きをしっかりと注視しておきたい。なお、それとは別に、一部からは「岸田首相訪米時は実弾介入に動きにくいが、終われば要注意」といった謎の指摘も聞かれており、もちろんレベル次第だが来週あたりは注意すべき時間帯に入る可能性も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場はまだ完全に定着したとは言えないが、それでも153円台を徐々に見慣れつつある。いますぐにといったことではないにせよ、155円方向に向けたドル高・円安の流れは続く見込みだ。
なお、以前も指摘したが、次の強い抵抗は1990年高値の160円台。それまで明確な抵抗はないものの、再び昨日の4本値を参考にしたピボットを参考にすれば、目先のドル上値メドは153円半ば、153.65-70円などとなる。

本日は米経済指標として、4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報などが発表される予定となっているほか、米地区連銀総裁の講演やJPモルガンチェースなどの米金融機関を中心とした決算発表も実施される予定だ。材料も多く、週末らしい乱高下にも要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.70-153.70円。ドル高・円安方向は前述したピボットによる上値メドの153円半ばが最初の抵抗。抜ければ153.65-70円、そしていよいよ154円も視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である152.95-00円の攻防にまずは注目。下回っても、実弾介入による下げでなければ152円台は取り敢えず下げ止まりそう。

介入警戒くすぶるなか、ドル底堅い展開継続

ドル円日足


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