東京市場のドルは153円20銭台でのもみ合い、介入実施は難しくドルは一段高か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、昨晩の海外時間からのドル買いは一服したが先高期待は強く、153円20銭台と高値圏でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米3月生産者物価指数(PPI)で一部項目の伸び鈍化が示されたためインフレ再燃の警戒感が後退し、米長期金利低下に伴いドル上昇は一服し152円80銭台まで下落した。
ただ、その後、ウィリアムズNY連銀総裁をはじめ、米連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げに慎重な見解を示したほか、30年債入札結果もさえなかったことから、米10年債利回りが4.58%台まで上昇。ドルは153円32銭と連日で高値を更新した。
東京時間は、10時の値決めのタイミングでやや実需筋の円買いが入ったことで152円台を付ける場面も見られたが、売買一巡後は153円20銭台でのもみ合いとなった。なお、2月鉱工業生産(確報値)は前月比−0.6%と1月及び市場予想の同−0.1%よりも悪化したが、為替市場への影響は限定的となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:153円22銭
高値:153円29銭
安値:152円97銭
終値:153円20銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円38銭
高値:164円39銭
安値:164円04銭
終値:164円11銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 100円22銭
高値: 100円25銭
安値: 99円96銭
終値: 99円97銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:192円39銭
高値:192円40銭
安値:192円04銭
終値:192円11 銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39722円02銭
高値:39774円82銭
安値:39457円73銭
終値:39523円55銭(前日比+80円92銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
20時00分、英、英中銀経済予測見直しに関する報告書
22時00分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁がテレビ出演
23時00分、米、4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)、前回:79.4、市場予想:78.8
26時00分、米、シュミッド・カンザスシティ連銀総裁が講演
27時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加
28時30分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、151円90銭台の上値抵抗線をついに突破し、152円台を駆け上がり、153円台に突入した。1990年6月以来の水準までドルは上昇しており、ドルインデックスも105.4台とじりじり上昇しドル独歩高の展開となっている。
本日、神田財務官から目立った発言は無かった。鈴木財務大臣は「円安にはプラスマイナス双方の影響がある」「為替の過度な動きに対してはいかなる選択肢も排除しない」といった発言に留まるなど、強めな口先介入は観測されなかった。
一部市場関係者は「昨日からの政府・日銀関係者の発言を見ていると、円安加速に対する「緊張感」はさほど感じられない」との声が聞かれた。米10年債利回りの上昇を受けて、今円買い介入を行っても為替市場に与える影響は弱い、といった見方が政府内にあるのかもしれない。
また、市場で言われている「前日比+1.2%の円安」というパターンも意識したいところだ。昨日の計算では、前日を151円90銭として計算すると153円72銭という計算結果だ。この水準に未達だったので、円買い介入には踏み切れなかったと考えることもできよう。この計算式に当てはめると、今晩、政府・日銀が円買い介入に動くためには、前日終値の153円19銭×1.012%=155円02銭の水準が必要となる。
つまり円買い介入実施のハードルは非常に高く、これまでのパターンを考慮すると介入実施は難しいという結論に至る。あくまでも推測の範囲だが、投機筋が口先介入しかできないことを見越して円売りポジションをさらに積み上げる可能性も考えておきたい。今晩の海外時間もドル買い継続を想定、上値メドは154円00銭、下値メドは152円90銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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