ドル円 34年ぶり153円台、介入催促相場の様相も(4/11夕)

東京市場はドルが底堅く推移。上値はさすがに重かったが、相次ぐ円安けん制発言にもドルの下値は堅かった。

ドル円 34年ぶり153円台、介入催促相場の様相も(4/11夕)

34年ぶり153円台、介入催促相場の様相も

〇本日ドル円、153.15レベルで寄り付いた後、相次ぐ円安けん制発言に利益確定売りが先行
〇153円を割り込み、152.75レベルへ一時下落するもドル高基調変わらず、行って来いの様相に
〇円安けん制発言の効果は限定的、実弾介入の催促相場か
〇本日発表の米PPI、昨日のCPI同様ドル支援要因となるか
〇今夜のECB政策金利会合、6月利下げ期待を後押しする内容となるかまずは注視
〇ドル高・円安方向、本日東京高値も近い昨日高値153.24が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値を含めた152.70前後の攻防にまずは注目
〇欧米時間の予想レンジ:152.50-153.80

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが底堅く推移。上値はさすがに重かったが、相次ぐ円安けん制発言にもドルの下値は堅かった。

ドル/円は、153.15円レベルで寄り付いたものの、本邦要人から円安けん制発言が相次いだこともあり、利益確定売りが先行する展開。153円を割り込み、152.75円レベルへと一時下落している。しかしドル高基調は変わらず、のちに反転すると「行って来い」の様相に。16時現在では153.10-15円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「円買い介入姿勢」について。
前者は、注目の米経済指標である3月の消費者物価が発表されたが、その内容は予想よりも強い。米金利が上昇したこともあり、昨日NYではドル買いが終日優勢だった。また、強い米インフレ指標を受け、FRBの早期利下げ期待はさらに後退したようだ。実際、ブルームバーグによると金融大手ゴールドマンサックスでは米利下げ予想を「年3回から2回に修正した」とされるほか、サマーズ元米財務長官は次のFRBの動きについて「利下げではなく、利上げであるリスクを真剣に検討する必要がある」との認識を示したとも報じられていた。

対して後者は、ドル/円が1990年6月以来となる153円台を示現したこともあり、本日東京時間は早朝から要人による円安けん制発言が相次いだ。神田財務官は「為替介入、特定の水準を念頭に判断しない」、鈴木財務相「行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず適切な対応」、林官房長官「為替相場の過度な変動は望ましくない」−−などといった発言が聞かれている。しかし、ここまで実弾介入は観測されておらず、市場に足元を見られている感もあってか効果は限定的だった。果たして、どのタイミングかつレベルで介入してくるのか、市場はしばらく神経質な展開をたどる可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、これまで151円台を中心とした非常に狭いレンジ取引をたどっていたことのタガが外れると、ドル高が一気に進行。152円どころか153円も超え、一時153.24円台まで値を上げている。そしてドルはそのまま高値圏で推移し、本日東京もおおむね153円台で推移した。神田財務官をはじめとする本邦要人から執拗ともいえる円安けん制発言が聞かれたものの、効果はほとんどなく、市場は実弾介入の催促相場となっている感もある。以前からレポートしているように、152円の壁を超えテクニカルには青天井状態になっていることで、当局がどこかのタイミングで歯止めを掛けにくる可能性までは否定できない。

日米を中心とした各国政策金利が引き続き注目を集めるなか、米国については前述したような状況。そうしたなか、昨日の3月の消費者物価に続き発表される本日の同生産者物価の内容にも要注意だ。先2月は消費者物価と生産者物価がともに良好で、ドルの支援要因なったが今月も果たして同様の展開をたどるのだろうか。一方、それとは別にECBによる政策金利の発表も予定されており、こちらにも注意を払いたい。金融政策そのものは「金利据え置き」予想だが、市場で取り沙汰される6月利下げ期待を後押しするような内容となるのか否かがまずは注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は岩盤のように強固だった152円の壁を超えただけでなく、そのままの勢いを維持し153円台へ。以前からたびたびレポートしているように、次の強い抵抗は1990年高値の160円台で、それまで明確な抵抗はなく軽い青天井となっている感を否めない。とは言え、昨日の4本値を参考にしたピボットによると、目先のドル上値メドは153.70円、154.25円などとなりそうだ。

本日は米経済指標として、3月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。以前から指摘しているように、昨日発表された3月の消費者物価が好数字だっただけに、同様の内容となった場合にはドルがさらに続伸も。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.50-153.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い昨日高値の153.24円が最初の抵抗。抜ければ前述したピボットの上値メド153.70円などがターゲットか。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた152.70円前後の攻防にまずは注目。下回っても、実弾介入による下げでなければ下値も限られそうだ。

34年ぶり153円台、介入催促相場の様相も

ドル円日足


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