東京市場のドルは152円90銭台で推移、米PPIの結果次第ではドル一段高の可能性も
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、政府・日銀による円買い介入警戒が一気に高まったことで昨晩の海外時間からのドル買いは一服、152円90銭台でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米3月消費者物価指数(CPI)やコア指数が市場予想を上回り、インフレの改善が見られず年内の利下げ観測が大幅に後退し、米10年債利回りは4.5%台まで上昇。長期金利上昇に伴うドル買いが強まった。
さらに、米財務省が実施した米10年債入札も不調で金利動向に連れドルも一段高となった。その後、日本当局の円買い介入警戒感の高まりを背景に一時伸び悩むが、米国や同盟国がイランによる対イスラエルのミサイル、ドローン攻撃が間近に迫っていることに備えていることが明らかになると、質への逃避のドル買いも強まり、一時153円24銭まで上昇した。
東京時間では、神田財務官が「行き過ぎた動きに対してあらゆる手段を排除せず適切に対応する」と円安けん制発言を行った一方、「特定の水準を念頭に置いて判断していない」とも発言。ドル高一服となり152円90銭台水準でのもみ合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:152円92銭
高値:153円01銭
安値:152円75銭
終値:152円98銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円28銭
高値:164円37銭
安値:164円14銭
終値:164円34銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円59銭
高値: 99 円81銭
安値: 99円40銭
終値: 99円78銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191 円74銭
高値:191円93銭
安値:191円56銭
終値:191円88銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39090円68銭
高値:39473円48銭
安値:39065円31銭
終値:39442円63銭(前日比−139円18銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時15分、欧、ECB政策金利、前回:4.50%、市場予想:4.50%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:22.1万件、市場予想:21.4万件
21時30分、米、3月生産者物価指数(前月比)、前回:0.6%、市場予想:0.4%
21時30分、米、3月生産者物価指数(前年比)、前回:1.6%、市場予想:2.2%
21時30分、米、3月生産者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.2%
21時30分、米、3月生産者物価指数(コア)(前年比)、前回:2.0%、市場予想:2.2%
21時45分、欧、ラガルドECB総裁が記者会見
21時45分、米、ウィリアムズNY連銀総裁が講演
23時00分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
25時00分、米、コリンズ・ボストン連銀総裁が講演
26時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、151円90銭台の上値抵抗線をついに突破し、152円台を駆け上がり、153円台に突入した。1990年6月以来の水準までドルは上昇しており、ドルインデックスも今年初となる105台まで上昇するなどドル独歩高の展開となっている。
本日、神田財務官は、上記のほか「過度な変動は国民経済に悪影響、最近の為替相場の動きは急速だ」「円安の恩恵は減少」とも発言。鈴木財務大臣は「ドル円は152円、153円の数字ではなく背景を分析する」といったコメントを残している。強い口先介入ではあるが「スタンバイ」といった表現は聞かれなかった。
一晩で151円台から153円台まで円安が進むのはそれなりのスピード感だが、市場で言われている「前日比+1.2%の円安」という水準で計算すると、151円90銭を基準とすると、153円72銭という計算結果となる。この水準に未達だったので、円買い介入には踏み切れなかったという考えもできよう。
ただ、今晩の海外時間では、ECB政策金利の発表のほか、3月の米PPI発表も予定されている。PPIは、企業間で取引される価格を指数化したものであるため、CPIが川下とするならば、PPIは川上という位置付けとなる。CPIよりも先行性があるため、今晩のPPI(前月比)が市場予想を超え、前月と同じ水準もしくはそれ以上強いという結果となれば、一段のドル買いも想定されよう。
今晩の海外時間に一段のドル買いで、計算結果である153円70銭台に到達した場合、円買い介入が入る可能性は頭に入れておきたい。今晩の想定レンジは円買い介入が入った状況を想定、上値メドは153円80銭、下値メドは149円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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