152円突破なるか、米消費者物価を注視
〇東京時間のドル円、151.75円前後で寄り付きほぼ横這い推移
〇NZドルは乱高下のすえ最終的には買い優勢。対円、前日高値更新、3/21高値に一時面合わせも
〇植田総裁、衆院財務金融委で「輸入物価が上昇し基調物価に反映されれば政策変更もある」と発言
〇格付会社フィッチ、中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げと発表
〇本日、米経済指標として3月消費者物価指数、また3月FOMC議事録要旨が公開予定
〇ドル高円安方向、152円巡る攻防に注目。抜ければテクニカル的には青天井だが介入警戒が上値抑制か
〇ドル安円高方向、昨日も下げ止まった151円半ばが短期的なサポートとして意識される
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.00-152.20
<< 東京市場の動き >>
東京市場はほぼ横這い。151円後半、20ポイントにも満たない値動きで開店休業状態だった。
ドル/円は、151.75円前後で寄り付いたものの、ほぼ横這い推移。注目材料が欧米市場に予定されており、それにらみとなったうえ、当局の円買い介入警戒などから売買はほぼ手控えられている。16時現在では151.80-85円で推移し、欧米市場を迎えていた。
しかし、注目のNZ中銀による政策金利発表が観測されたNZドルは乱高下のすえ、最終的には買いが優勢。対円では前日高値を更新し、3月21日高値に一時面合わせする局面も。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策など」と「中国情勢」について。
前者は、ブルームバーグが「日銀、25-26日に開く金融政策決定会合で2024年度のインフレ見通しの上方修正を議論する公算が大きい」と報じ物議を醸す。為替市場では一時円買いが優勢に。そうしたなか、植田日銀総裁は昨日の参院財金委に続き、本日は衆院の財金委に出席したが、発言は基本的に昨日と大差なし。「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」と述べた反面、「輸入物価が上昇し基調物価に反映されれば政策変更もある」などと発言していたようだ。
対して後者は、米インド太平洋軍司令官から、「南シナ海における中国の行動は武力で領土を獲得しようとする試みの一例で、地域の安定を損なっている」、米国務長官「ロシアの防衛産業基盤を支える技術がイランや中国から流入していることを米国は確認している」−−などとした批判コメントが取り沙汰される反面、米国務長官が懸念したような「中国国家主席が、北京を訪問しているロシア外相と会談し、両国の関係を強化させる考えを伝えた」ことが明らかになっている。なお、そうしたなか格付け会社フィッチ・レーティングスは、中国の信用格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げると発表していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、昨日もまさかの152円到達ならず。東京終盤に151.90円を超えており、さすがに突破は不可避と思われたのだが、終わって見れば同レベルが昨日のドル高値に。とは言え下値も堅く、安値は151円半ばまで。ポジションの偏りなどを考えなければ、リスクは依然としてドル高方向にバイアスがかかりそう。もちろん、発表される米経済指標の内容如何ではあるものの、本日の欧米時間にこそ152円を突破する可能性もある。
日米を中心とした各国政策金利が引き続き注目を集めるなか、日本の金融政策に言及した前述のブルームバーグ報道が物議を醸すも、いま少し情勢を見極めたいとの向きは少なくない。それに対して米国は、アトランタ連銀総裁から改めて「年内1回の米利下げが実施されるとの見通し」との考えが示されている。本日発表される米消費者物価の内容が好数字となればドル買いに弾みが付くといった見方も少なくない。いずれにしても、発表前後の為替市場は思惑交錯から荒っぽい変動も要注意だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は152円を射程圏に捉えつつも、あと一歩が届かない。とは言え、さすがに怖いもの見たさもあり、そろそろ上値トライをするといった声も聞かれるようになってきたことは確か。152円台に定着するか否かは別にして、一時的な上抜けということは否定できない気がしている。
ただし、当局の実弾介入警戒感にも要注意なだけでなく、上抜けた場合でもある種の達成感からドルが急反落するリスクを懸念する声も少なくないようだ。
本日は米経済指標として、3月の消費者物価指数が発表されるほか、3月に開催されたFOMCの議事録要旨公開も予定されている。また、それ以外でも材料は目白押しでカナダ中銀による政策金利の発表、日米首脳会談なども見込まれており予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.00-152.20円。ドル高・円安方向は152円をめぐる攻防に引き続き注目。抜ければテクニカル的には青天井となるが、円買い介入警戒が上値を抑制しそう。
対するドル安・円高方向は、昨日も下げ止まった151円半ばが短期的なサポートとして意識され始めている。下回っても基本的には底堅く、介入が観測されないのではあれば下値も限られそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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