東京市場ドルは151円70銭台でのこう着、注目のCPIは売買材料とならない可能性も(24/4/10)

東京時間のドル・円は、植田和男日銀総裁によるややタカ派的な発言が伝わったものの、影響は限定的となり、昨日同様、上下の値幅10銭ほどの小動きとなった。

東京市場ドルは151円70銭台でのこう着、注目のCPIは売買材料とならない可能性も(24/4/10)

東京市場ドル151円70銭台でのこう着、注目のCPIは売買材料とならない可能性も

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田和男日銀総裁によるややタカ派的な発言が伝わったものの、影響は限定的となり、昨日同様、上下の値幅10銭ほどの小動きとなった。

昨晩の海外時間では、日銀の物価見通し引き上げ検討報道を受けた円買いに加え、3月の米消費者物価指数(CPI)発表を控え米10年債利回りは4.35%台まで低下。その後は、米3年債入札が低調で利回りは下げ止まったが、目立ったドル買いは観測されなかった。

東京時間は引き続き、財務金融委員会に出席した植田日銀総裁が、金融政策について「見通し通りに基調的物価上昇率が上がれば、ところどころで緩和の度合い縮小が適切になる」と述べた。やや(金融引き締めに前向きな)タカ派的な印象に感じたが、ドルへの影響は限定的。昨日同様、上下の値幅の狭い小動き推移となった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円76銭
高値:151円82銭
安値:151円68銭
終値:151円81銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円79銭
高値:164円83銭
安値:164円65銭
終値:164円75銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 100円58銭
高値: 100円64銭
安値: 100円42銭
終値: 100円52銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:192円37銭
高値:192円48銭
安値:192円25銭
終値:192円43銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39582円33銭
高値:39708円70銭
安値:39510円48銭
終値:39581円81銭(前日比−191円32銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

21時30分、米、3月CPI(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.3%
21時30分、米、3月CPI(前年比)、前回:3.2%、市場予想:3.4%
21時30分、米、3月CPI(コア)(前月比)、前回:0.4%、市場予想:0.3%
21時30分、米、3月CPI(コア)(前年比)、前回:3.8%、市場予想:3.7%
21時45分、米、ボウマンFRB理事が講演
22時45分、カ、カナダ中銀政策金利、前回:5.00%、市場予想:5.00%
23時00分、米、2月卸売在庫(確報値)、前回:0.5%、市場予想:0.5%
23時30分、米、週次原油在庫、前回:321.0万バレル
25時45分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁とバーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
27時00分、米、FOMC議事要旨(3月19-20日開催分)

11日未明、岸田首相とバイデン大統領が会談
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析など】

日足ベースのドル・円は、3月27日に2022年高値151円96銭をわずか1銭ではあるが上回ったことで、1990年7月以来となる152円台乗せを試す展開を迎えている。151円90銭台で上値が極端に重くなる地合いが続いており、市場は152円台到達の難しさに直面している。

今晩は3月米CPIが発表されることで上下に動くと考える市場関係者は多いが、前週末に発表された3月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を上回った一方で、インフレに影響する平均時給の伸びは鈍化した。つまり、労働市場はそこまでタイトではないとの見方があり、3月米CPIの伸びは鈍化するだろう。

3月米CPIが市場想定以上に鈍化しない限り、為替市場、株式市場、金利市場に対する影響は限定的になると想定する。足元、様子見姿勢の強い地合いとなっているが、3月米CPI発表後も、結局、為替市場や株式市場は参加者減少のままで静かな地合いになるかもしれない。ラマダン明けとなる来週明けまで、ドルはこう着感強い地合いが続く可能性を意識しておきたい。

なお、27時に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表されるが、既にFRB関係者の様々な発言が伝わっていることから、さほど重要視されないと考える。

今晩の海外時間もドルは引き続き動かない展開を想定する。上値メドは151円95銭、下値メドは151円50銭とする。

東京市場ドル151円70銭台でのこう着、注目のCPIは売買材料とならない可能性も

ドル円日足

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