ドル円、米CPI発表後に急上昇。心理的節目152.00を突破し、介入警戒ゾーンへ本格突入(4/11朝)

10日(水)のドル円相場は急上昇。

ドル円、米CPI発表後に急上昇。心理的節目152.00を突破し、介入警戒ゾーンへ本格突入(4/11朝)

米CPI発表後に急上昇。心理的節目152.00を突破し、介入警戒ゾーンへ本格突入

〇ドル円、米3月CPIの上ブレと米利下げ開始時期後ずれ観測等に153円台乗せ
〇ユーロドル、米長期金利上昇に1.0728まで急落1.074台での推移
〇米3月CPI、ヘッドラインは前年比+3.5%に上昇、コア部分は前月と変わらず+3.8%
〇ドル円、90年6月以来の高値に上昇、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも米国の早期利下げ観測後退、利下げ回数の見込みも2回にシフト
〇本日のアジア時間帯は政府・日銀による実弾介入が実施されるか否かに注目
〇本日の予想レンジ:150.00ー153.50

海外時間のレビュー

10日(水)のドル円相場は急上昇。アジア時間朝方にかけて、安値151.68まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)植田日銀総裁による「当面は緩和的な金融環境が継続する」とのハト派的な発言や、(2)米3月消費者物価指数(結果+3.5%、予想+3.4%)および、米3月消費者物価コア指数(結果+3.8%、予想+3.7%)の市場予想を上回る結果、(3)上記2を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(利下げ開始時期が9月以降に後ずれするとの見方が広がると共に、年3回の利下げ織り込みも年2回の利下げ織り込みへ低下→米長期金利急上昇→米ドル買い)、(4)直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り(リバースノックアウトオプションのトリガーヒットに絡むオプション勢によるストップBUY)、(5)米10年債入札の低調な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、約34年ぶり高値152.99(1990年6月以来の高値圏)まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/11午前4時45分現在)では、152.95前後で推移しております。(編集部注:5時台に153.24まで上昇)

10日(水)のユーロドル相場は急反落。欧州時間午後にかけて、高値1.0867まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米3月消費者物価指数および、米3月消費者物価コア指数の市場予想を上回る結果や、(2)上記1を背景とした米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(米長期金利急上昇→米ドル買い)、(3)ECB理事会を控えたポジション調整が重石となり、米国時間正午にかけて、安値1.0728まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/11午前4時45分現在)では、1.0746前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円はこれまで強力なレジスタンス(抵抗帯)として意識されてきた152.00の壁を突破し、約34年ぶり高値となる152.99(1990年6月以来の高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の遥か上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、先週の力強い米雇用統計、昨日の市場予想を上回る米CPIを受けて、米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(CME FedWatchツールを見ると、6月FOMCでの利下げ確率は前日の56.1%から16.5%へ急低下。7月FOMCでの利下げ確率は前日の50.5%から35.7%へ急低下。市場コンセンサスは9月FOMCでの25bp利下げ+12月FOMCでの25bp利下げの年内計2回の利下げ織り込みにシフト)が広がるなど、米金利上昇→米ドル買いの流れが進んでいます。

152.00に大量に潜んでいたリバースノックアウトオプション(RKO)のトリガーヒットを達成できたことも、オプション勢のストップBUYを通じて相場の押し上げに寄与しています。こうした中、本日のアジア時間帯は政府・日銀による実弾介入が実施されるか否かに注目が集まります。実弾介入が実施される場合には、2、3円程度の円買い(ドル円の急落)が予想されるものの、実弾介入が入らず口先介入(円安牽制やレートチェック等)に留まる場合には、失望感からもう一段と円安が進むシナリオも想定されます。当方はここ数週間繰り返されてきた当局者発言の強さ・頻度を考慮し、実弾介入が入ると見ているため、ドル円相場が急反落に転じるシナリオを想定しています。尚、本日は海外時間に米3月生産者物価指数や、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言、ボストン連銀コリンズ総裁発言、アトランタ連銀ボスティック総裁発言などの重要イベントも予定されております。

本日の予想レンジ:150.00ー153.50

注:ポイント要約は編集部

米CPI発表後に急上昇。心理的節目152.00を突破し、介入警戒ゾーンへ本格突入

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る