ドル円 依然レンジ内だが、上抜け機運高まる可能性
〇東京市場のドル円、動意らしい動意はなく、151.55-75といった狭いレンジでの一進一退に終始
〇ドル円は昨日151.95まで上昇するも3/27高値151.97更新に失敗、また152円に乗せることも出来ず
〇依然レンジ取引だがドルの下値は徐々に切り上がっており、上値トライの機運が高まりつつあるか
〇週末に発表される3月米雇用統計に注目集まる、米指標や米通貨当局者の講演に引き続き注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは151.20-152.10、ドル高円安方向は152円レベルの攻防にまずは注目
〇ドル安円高方向は、151.40台が最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
東京市場は引き続き小動き。151円後半、わずか20ポイント程度の上下動にとどまっている。
ドル/円は151.65-70円で寄り付いたものの、動意らしい動意はなし。151.55-75円といった非常に狭い一進一退に終始している。中国市場が休場となるなか、鈴木財務相から本日も円安けん制発言が聞かれていたが、市場は売買の手控えムードが強かった。16時現在では151.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「日米首脳会談など」について。
前者は、昨日欧米市場に発表された米経済指標は強弱混在。先に発表された3月のADP雇用統計が好数字となり、ドル/円は年初来高値に迫る151.95円まで上昇したものの、そののち発表された同ISM非製造業総合指数は逆に悪化し、利益確定売りなどを炙り出す格好となった。しかし、パウエルFRB議長が「金利はかなり良いところまで到達した」とした反面、「利下げ検討に時間がかけられる」との考えを示したことで早期利下げ観測にまでは結び付かず。調整と思しきドル安も限定的なものにとどまっている。
対して後者は、10日に開催される日米首脳会談、そしてフィリピン大統領を含めて行われる11日の日米比首脳会談について、様々な発言やニュースが飛び交っている。たとえば、米補佐官からは「日米だけでなく韓国やフィリピンを含めた協力も議題になる」、米国務副長官は「日米は防衛装備品の共同生産に向けた新体制発足について協議する見通し」、またフィリピンからは「日米比は定期的な海上演習実施で合意する見通し」−−などといったコメントが発せられていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日151.95円まで上昇したものの、3月27日高値の151.97円更新に失敗。また152円に乗せることも出来なかった。そうした意味では依然としてレンジ取引だが、ドルの下値は徐々に切り上がっており、実際2日そして3日と安値はともに151.40円台となっている。円買い介入警戒感の根強い152円が岩盤のようになっていることは確かながら、いよいよドルの上値トライの機運が高まりつつあるようだ。
今週は週初から発表される米経済指標が好悪混在しており、その内容に連日一喜一憂する展開だ。本丸は週末に発表される3月の米雇用統計になるだろうが、本日も発表される米指標には引き続き注意を払いたい。なお、本日は米通貨当局者の講演なども数多く予定されているうえ、ロイターが報じている「バイデン米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相による電話会談」の行方も、場合によっては波乱要因となりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は依然としてレンジ内ではあるものの、足もと上抜けの機運が強まりつつあるようだ。ある種のシーリングとも捉えられている152円を超えても、当局の円買い介入などが観測されなければ、軽い青天井となりドルは大幅高をたどっても不思議はない。
ただ、市場はどうしてもドルロングが蓄積しやすい環境にあるようで、トライが失敗に終わった場合などの反動的なドル安進行も一応頭に留めておきたいところだ。
本日は米経済指標として、2月の貿易収支や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。昨日は発表される米指標が相場の波乱要因となっただけに、本日も内容如何とはいえ予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.20-152.10円。ドル高・円安方向は昨日高値などを含めた152円レベルの攻防にまずは注目。抜ければテクニカルな上値メドはしばらくなく、軽い青天井で波乱含みだ。
対するドル安・円高方向は、前述したように2日続けてドルが下げ止まっている151.40円台が最初のサポート。仮に割り込んでも、円買い介入などでない限り、大崩れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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