東京市場のドルは151円台の小動き、今晩も151円90銭台の攻防が見られよう
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、政府・日銀による円買い介入警戒の高まりを受けて、151円60銭台前後と上値の重い展開となった。
昨晩の海外時間では、米3月ADP雇用統計で雇用者数の伸びが予想以上に拡大し、昨年7月以来で最大となったため利下げ観測後退で金利上昇に伴うドル買いが優勢に。151円96銭まで買われた。
ただ、3月ISM非製造業景況指数が改善予想に反して悪化したため消費への楽観的見方が後退したほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演で利下げも除外せず、今後のデータ次第との姿勢を維持したため金利も伸び悩みドル売り優勢となった。
東京時間では、株式市場で日経平均が一時40000円台を回復するなど日本株買いが強まったものの、政府・日銀による円買い介入への警戒感からドルは小動き。151円60銭台でのもみ合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円59銭
高値:151円73銭
安値:151円54銭
終値:151円64銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円30銭
高値:164円53銭
安値:164円25銭
終値:164円41銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円53銭
高値: 99円97銭
安値: 99円52銭
終値: 99円88銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円81銭
高値:192円02銭
安値:191円73銭
終値:191円87銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39928円33銭
高値:40243円02銭
安値:39773円14銭
終値:39773円14銭(前日比+321円29銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、3月ユーロ圏サービス業PMI、前回:51.1、市場予想:51.1
20時30分、欧、ECB議事録(3月7日開催分)
21時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:21.0万件、市場予想:21.4万件
21時30分、米、2月貿易収支、前回:−674億ドル、市場予想:−668億ドル
23時00分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が討論会に参加
25時15分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演
25時45分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
27時00分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
27時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が講演
清明節で香港市場は休場、中国市場と台湾市場は5日まで休場
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、3月27日に2022年高値151円96銭をわずか1銭ではあるが上回ったことで、1990年7月以来となる152円台乗せを試す展開を迎えている。昨晩の海外時間では、ADP雇用統計の市場予想上振れのタイミングで151円96銭まで上昇したが、3月ISM非製造業景況指数が続かなかったことで152円台はお預けとなった。
152円台手前は、投機筋と政府・日銀との様々な思惑が交錯する価格帯のため、頑強な上値抵抗線として市場では意識されており、今晩の海外時間でもこの攻防が見られそうだ。
昨晩のパウエルFRB議長の発言がFRBの総意のように思えるが、今晩も今年のFOMCでの投票権を持つバーキン総裁とメスター総裁の発言に注目が集まる。とりわけバーキン総裁は「タカ派」と見られていることから、パウエルFRB議長のスタンスとは異なる可能性は十分にある。
仮に、今晩の海外時間でドルが152円台に乗せても、政府・日銀による円買い介入が入らなかった場合、「前日比+1.2%」つまり「為替の急変動」という要素が不足していたと市場は捉えるだろう。結果、円全面安の展開となり一気に153円台まで円安ドル高が加速する可能性は十分にある。
さすがに153円台まで円安が加速すれば、「為替の急変動」への対応として、政府・日銀による円買い介入が実施されると考えるが、明日3月の米雇用統計発表という重要イベントを控えていることから、イベント前に政府・日銀が円買い介入に動くのは難しいとも言えよう。
今晩の海外時間も緊張感あふれる展開を想定しておきたい。上値メドは152円50銭、下値メドは151円20銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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