ドル円 152円が再び視界内に、ドルは上値トライも(4/2夕)

東京市場はドルが強保ち合い。値幅は狭いが、終日を通し151円後半というドル高値圏で推移している。

ドル円 152円が再び視界内に、ドルは上値トライも(4/2夕)

152円が再び視界内に、ドルは上値トライも

〇本日のドル円、ドルが強保ち合い、前日高値151.77を一時上抜くも結果的にはレンジ取引に終始
〇昨日発表の3月ISM製造業景況指数は好数字、早期利下げ否定観測が高まりドルの支援要因に
〇ドル円はドル高方向へのリスクはうかがえるが、引き続き明確な方向性は乏しいか
〇今週は重要な米経済指標の発表が連日予定されており、本日も予断を許さない
〇欧米時間のドル円予想レンジは151.20-152.20、ドル高・円安方向は151.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安円高方向、151円半ばをめぐる攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが強保ち合い。値幅は狭いが、終日を通し151円後半というドル高値圏で推移している。

ドル/円は151.60-65円で寄り付いたものの、鈴木財務相から「行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず適切に対応」との円安けん制発言が聞かれたこともあり、ドルの上値も積極的には攻めにくい。前日高値151.77円を一時上抜くも、3月27日高値(151.97円)にはとどかず、結果的にはレンジ取引に終始した。16時現在では151.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、昨日発表された3月の米製造業PMIは予想を下回る内容となったものの、そののち発表された3月ISM製造業景況指数は逆に好数字。拡大を示す「50」も2022年9月以来、年半ぶりに上回る内容に。かねてからパウエルFRB議長が「利下げを急ぐ必要はない」と述べるなど、早期利下げ否定観測が高まっていたが、思惑がさらに補強された感がありドルの支援要因に。実際、ブルームバーグでは「6月の米利下げ確率、一時50%割れ」と報じていた。ただし、今週は本日以降、週末にかけて3月の米雇用統計などまだまだ重要な経済指標の発表が控えており、予断を許さない。

対して後者は、3月22日にモスクワで発生したテロについて、過激派組織ISから犯行声明が出されるなど、結論はすでに出ている気がするのだが、ロシアサイドは一度振り上げた拳を容易に下せないでいる。昨日も同国外務省から、テロに関係したとして「ウクライナ保安局長官らの即座の逮捕と身柄引き渡しをウクライナ当局に要求している」との発表がなされていた。しかし、その舌の根も乾かぬうちにロイターが「イラン、テロ情報を数日前にロシアへ伝達」などと伝えており、状況は泥沼化しているようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、先週28日以降という目先の40ポイントレンジ(151.15-54円)を昨日上抜けたものの、依然として151円台での値動き。つまり、先週一週間を通したレンジは抜けることが出来なかった。ややドル高方向へのリスクはうかがえるが、引き続き明確な方向性は乏しいと言わざるを得ない。もちろん発表される米経済指標や要人の発言などにもよるなか、152円の壁を超えることが出来るか否かにまずは注目だ。
昨日、米ISM指数の好数字が発表されてポジティブ・サプライズとなったが、今週は本日以降も重要とされる米経済指標の発表が連日のように予定されている。本日も予断を許さない。そうしたなか、イスラエルがシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺を空爆したことで地政学リスクの広がりを懸念する声が高まっていることが気掛かりだ。ちなみに、上記の件について「国連安保理が日本時間3日未明に緊急会合」とも報じられており、一応注意しておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は目先のごく狭い40ポイントレンジを上抜けたものの、値は走らず。引き続き、足もとの151円台を上下どちらの方向に、どのタイミングで超えていくのかが注視されている。
なお先週、鈴木財務相は「為替は水準が問題ではない」と述べているが、今週に入って以降の発言を聞くとやはり152円レベルをある種のシーリングと捉えていると考えられる。どこかのタイミングで当局の加入姿勢を試しに行くような展開もあるか。

本日は米経済指標として、2月の製造業受注指数や同耐久財受注確報などが発表される予定となっている。前記したように、昨日発表されたISM指数が好数字となっただけに、それに続く好数字となるのかに注目だ。また、クリーブランド連銀総裁などによる講演も実施される見込みで、こちらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.20-152.20円。ドル高・円安方向は本日東京高値151.80円レベルが最初の抵抗。抜けると直近高値151.97円、そして152円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の151円半ばをめぐる攻防にまず注目。同レベルなどで底堅さを見せれば、今後いよいよ152円の壁を超えていく可能性が高まることになる。ただ、割り込んでも基本的にドルは底堅そう。

152円が再び視界内に、ドルは上値トライも

ドル円日足


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