ドル円 発表される米指標に注目、レンジ放れなるか(4/1夕)

週明け東京市場は小動き。151円台前半、わずか20ポイント強というほぼ横這い商状だった。

ドル円 発表される米指標に注目、レンジ放れなるか(4/1夕)

発表される米指標に注目、レンジ放れなるか

〇東京市場ドル円、151.20-45の20ポイント強の変動に留まるレンジ取引
〇パウエル議長「利下げ急いでない」、オーストリア中銀総裁「ECBがFRBより先に利下げの可能性ある」
〇ECB利下げ観測、ユーロの弱材料となる可能性も
〇本日、3月製造業PMI確報値やISM製造業景況指数などの米経済指標が発表予定
〇週末の米雇用統計にも注目。強い内容よりも弱い内容に要注意といった声も
〇ドル高円安方向、3/28高値151.54が最初の抵抗。抜けると直近高値151.97が名実ともに視界内
〇ドル安円高方向、3/28安値151.15巡る攻防にまず注目。下回ると151円が意識されるか
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.00-151.80

<< 東京市場の動き >>

週明け東京市場は小動き。151円台前半、わずか20ポイント強というほぼ横這い商状だった。

週末に発表された2つの中国経済指標、3月製造業PMIなどはともに予想を上回る好数字に。一方、3月31日に実施されたトルコ統一地方選は即日開票されたが、最大都市イスタンブールと首都アンカラの両市長選で、ともに野党候補から勝利宣言が聞かれていた。
そうした状況下、ドル/円は151.35円レベルで寄り付いたものの、大きな動意なくレンジ取引。151.20-45円といった20ポイント強の変動にとどまっている。なお、先週末には「為替は水準が問題ではない」と指摘していた鈴木財務相だが、ドル/円が151円台で推移していたためか、「過度な変動は望ましくない」などとした円安けん制発言が聞かれていたようだ。16時現在では151.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の情勢」と「欧米金融政策」について。
前者は、岸田首相が訪米し、10日に日米首脳会談を行うことなどもあり、関連報道が相次いだ。たとえば産経新聞が「会談で『安保5条を尖閣に適用』と再確認へ」と報じるなか、共同通信では「首脳会談で英豪比との安保協力を拡大で合意し、成果文書に盛り込む見通し」と伝えられている。一方、それとは別に7月に米ワシントンで開催されるNATOに「岸田首相が招待される見通し」と報じられたうえ、「NATOにあわせ日米韓の首脳会談開催を調整」などといった報道も観測されていた。日本の世論調査による岸田政権の内閣支持率は低迷しているものの、世界的な地政学リスクの高まりなどもあり、国際的な日本の存在感はさらに増している。

対して後者は、先週末29日に参加したイベントでパウエルFRB議長は、「当局は利下げを急いでいない」との考えを改めて表明。「重要な一歩を踏み出す前にインフレ率の低下についてもう少し確信を強める機会を与えてくれる」とも指摘していた。それに対して、欧州サイドは週末に、ECB政策委員会メンバーでもあるオーストリア中銀総裁が「ECBが米FRBより先に利下げする可能性がある」と発言。またギリシャ中銀総裁も「ECBは年内に合計で1%利下げする可能性もある」などと述べていたようだ。今後の動静次第だが、ECBの利下げ観測がユーロの弱材料となる可能性も。

<< 欧米市場の見通し >>

今週の「週報」などでもレポートしているように、先週のドル/円相場は週間を通して今年最小変動。わずか1円未満の変動にとどまったが、3月28日から本日までと期間をさらに短くすれば、値幅は150.15-54円とさらに狭くなる。いずれにしても、まずは足もとの40ポイントレンジ、膠着相場を如何に、そして上下どちらの方向にブレークするのかにまずは注目だ。そのうえで、先週の1円レンジをめぐる攻防が注視されている。
引き続き日米金融政策が注視されている環境下、今週は週間を通して重要とされる米経済指標の発表が連日のように予定されており、まずはそちらの内容に注目だ。先でも指摘したように、パウエル議長などは早期利下げに否定的な見解を繰り返しているが、果たしてそれを裏付けるような指標発表となるのか否か。予想以上に弱い数字となれば、再び利下げ期待が強まり、為替市場でドル売りが優勢になる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は短期的な方向性を喪失。その一端は、前述した先週1週間で1円未満の変動だったことにも示されている。まずは、そんなレンジ放れのタイミングなどが注視されているものの、ドル高方向152円を超えていけば、当局の円買い実弾介入もありうるといった声は少なくない。それに対して下方向、151円を下回っても取り敢えずは底堅そうで、買い遅れ筋に買い場を与えるだけとの見方もある。

本日は米経済指標として、3月の製造業PMI確報値や同ISM製造業景況指数などが発表される予定となっている。今週は、週末の雇用統計を筆頭に重要な米経済指標発表が相次ぐだけに、その内容には要注意だ。強い内容よりも弱い内容により要注意といった声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.00-151.80円。ドル高・円安方向は28日高値151.54円が最初の抵抗。抜けると直近高値151.97円が名実ともに視界内に。
対するドル安・円高方向は、同じく28日安値の151.15円をめぐる攻防にまず注目。下回ると151円が意識されそうだ。いずれにしても、円買い実弾介入でもない限りドルの下値は堅そう。

発表される米指標に注目、レンジ放れなるか

ドル円日足



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