今週も151円台のもみあいが中心
〇先週のドル円、イースター前で実需除き取引薄く、一週間の値幅は97銭に留まる
〇3/27日銀関係者のハト派発言により年初来高値更新、一時151.97レベルに
〇これを受け三者会談開催されたことから反落、151.02レベルへ
〇改めて円売りが強まる場合、152円台前半でのレートチェック、介入という流れか
〇今週から新年度で円売りの動き強まる可能性あるが、まだ介入警戒感も強く当面は様子見か
〇テクニカルには、今後は152円が大きな節目となりそう
〇150.80レベルをサポートに、151.99レベルをレジスタンスとする週を見る
今週の週間見通し
先週のドル円はイースター前ということもあって世界的に参加者が減少、実需を除いて取引が薄くなったことから、動かないか振れるかのどちらかという状況が想定されましたが、結果は前者で実需の偏りも見られなかったことから一週間の値幅は97銭に留まりドル円にしては静かな年度末相場となりました。
唯一動きが見られたのは日銀関係者によるハト派発言をきっかけに年初来高値を更新、一時151.97レベルと2022年高値を上回りましたが、この動きを受け財務省、日銀、金融庁による三者会談開催されたことから反落、151.02レベルの安値と水曜のレンジがそのまま週間レンジとなりました。
三者会談というと2022年に最初に介入が入る2週間前に三者会談が開かれ、その後レートチェック、実弾介入へと進んだ流れです。今回も改めて円売りが強まる場合には、おそらくレートチェック、そして介入という流れになると見られますが、水準的には152円台前半でのレートチェック、介入になる可能性を考えています。
今週から新年度入りということで、本邦機関投資家は改めて円売りの動きを強める可能性がありますが、現状ではまだ介入警戒感も強いため当面は様子見というところでしょうか。また月曜は引き続きイースターで連休、金曜には米国雇用統計も控えていることから、ゆっくりしたスタートの月初ということになりそうです。
テクニカルにはいつもの日足チャートをご覧ください。
強いレジスタンスであった151.91〜151.94のゾーンは上抜けたものの値幅的にはわずか3銭更新したのみで、151.95〜99にはオプションも絡んだドル売りオーダーがあったところに三者会談で反落したということになります。
昨年末安値から今年2月の高値、その後の3月安値への押しを3点と考えた上昇N波動を考えると、フィボナッチエクスパンションで50%エクスパンションが151.79でしたので、今回高値はテクニカルなターゲットの誤差の範囲内といえ、今後円安再燃という動きには152円台乗せの動きが必要でしょう。オプションオーダーの上となる152円にはストップオーダーもあるでしょうから、今後は152円が大きな節目になると見て良いでしょう。
ただ今週は米国雇用統計もあり、引き続き様子見勢が多いともいますので、大台150.00レベルを一時的に割り込む可能性と、上値は152円が強いレジスタンスと考え、150.80レベルをサポートに、151.99レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2024年FOMCメンバー(ニューヨーク、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
4月1日(月)
**:** 欧州市場夏時間開始 ☆
**:** NZ、豪州、香港、欧州、LDN市場休場 ☆
08:50 日銀短観 ☆
22:45 米国3月製造業PMI
23:00 米国3月ISM製造業景況指数 ☆
23:00 米国2月建設支出
4月2日(火)
09:30 豪中銀理事会議事要旨公表
15:00 英国3月住宅価格
16:50 フランス3月製造業PMI
16:55 ドイツ3月製造業PMI
17:00 ユーロ圏3月製造業PMI
17:30 英国3月製造業PMI
21:00 ドイツ3月CPI速報値 ☆
23:00 米国2月製造業新規受注、JOLTS求人件数 ☆
25:00 NY連銀総裁講演 ☆
25:05 クリーブランド連銀総裁講演 ☆
26:30 サンフランシスコ連銀総裁講演 ☆
4月3日(水)
10:45 中国3月MarkItサービス業PMI
18:00 ユーロ圏3月CPI速報値 ☆
18:00 ユーロ圏2月失業率
21:15 米国3月ADP全国雇用者数 ☆
22:45 米国3月サービス業PMI
23:00 米国3月ISM非製造業景況指数 ☆
23:30 週間原油在庫統計
25:00 (シカゴ連銀総裁講演)
25:10 パウエルFRB議長講演 ☆
4月4日(木)
**:** 香港、中国市場休場
06:45 NZ2月建設許可
09:30 豪州2月建設許可
14:00 日銀地域経済報告 ☆
16:50 フランス3月サービス業PMI
16:55 ドイツ3月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏3月サービス業PMI
17:30 英国3月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏2月PPI ☆
20:30 ECB理事会議事要旨公表 ☆
20:30 米国3月チャレンジャー人員削減数
21:30 米国新規失業保険申請数
21:30 米国2月貿易収支
23:00 (フィラデルフィア連銀総裁講演)
25:45 (シカゴ連銀総裁講演)
27:00 クリーブランド連銀総裁講演
4月5日(金)
**:** 中国市場休場
08:20 (セントルイス連銀総裁講演)
09:30 豪州2月貿易収支
15:00 ドイツ2月製造業新規受注、輸入物価
15:45 フランス2月鉱工業生産
17:30 英国3月建設業PMI
21:30 米国3月雇用統計 ☆
4月7日(日)
**:** NZ、豪州市場冬時間に移行 ☆
前週の主要レート(週間レンジ)
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
3月25日(月)
週明けのドル円は東京前場に神田財務官が為替介入の準備は常にしていると一段と牽制発言を強めたこともあり上値が重いスタートとなりました。しかし、下がったところでは買いたい向きも多く、151円台前半の狭い値幅でもみあいを続けました。
3月26日(火)
ドル円はNY市場までは全く動かず、NY市場では米金利上昇の動きから若干ドル高の動きとなりましたが、終日の値幅は39銭に留まり、イースター休暇中の四半期末を控えて動きが鈍くなっていました。
3月27日(水)
ドル円は東京前場に株価上昇の動きとともに円売りが強まったこと、また日銀関係者からハト派な発言が聞かれたことも重なって年初来高値を上回ると一時151.97レベルの高値をつけました。しかし、151.95〜99には売りオーダーが残っていてその後は151円台後半の高値圏でのもみあいが続きました。欧州市場に入り、財務省、日銀、金融庁による三者会談開催されたことから反落、151.02レベルの安値をつけ、NY市場では151円台前半で若干底堅い動きとなりました。
3月28日(木)
ドル円は根強いドル買いニーズと当局による介入警戒感に挟まれて151円台前半での小動きに終始しました。一日の値幅も39銭とドル円にしては狭い値幅の取引となりました。
3月29日(金)
グッドフライデーで欧州市場は休場、月曜もイースターマンデーで連休となることもあって実需以外の取引はほぼ見られず、実需の偏りも無かったことで閑散な一日となりました。ドル円のレンジは33銭にとどまりました。
注:ポイント要約は編集部
ディスクレーマー
アセンダント社が提供する本レポートは一般に公開されている情報に基づいて記述されておりますが、その内容の正確さや完全さを保証するものではありません。また、使用されている為替レートは実際の取引レートを提示しているものでもありません。記述されている意見ならびに予想は分析時点のデータを使ったものであり、予告なしに変更する場合もあります。本レポートはあくまでも参考情報であり、アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。アセンダント社および二次的に配信を行う会社は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。なお、許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.04.01
ドル円 発表される米指標に注目、レンジ放れなるか(4/1夕)
週明け東京市場は小動き。151円台前半、わずか20ポイント強というほぼ横這い商状だった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。