ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。本日は日米物価指標に注目(3/29朝)

28日(木)のドル円相場は方向感に欠ける展開。

ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。本日は日米物価指標に注目(3/29朝)

ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。本日は日米物価指標に注目

〇ドル円、米2月PCEデフレータ発表を控えたポジション調整等に、米国時間に一時151.15まで下落
〇その後は「聖金曜日」を前に積極的な取引が手控えられる中、徐々に動意を失い、151.38前後の推移
〇ユーロドル、ECBの利下げ開始時期の前倒し観測等に欧州時間に1.0775まで反落1.07台後半の推移
〇ドル円、心理的節目152.00が強力なレジスタンスとなり、ここからの上昇容易では無いか
〇本日は日米の物価イベント(本邦3月東京都区部CPI、米2月PCEデフレータ)に注目集まる
〇引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.50ー151.75

海外時間のレビュー

28日(木)のドル円相場は方向感に欠ける展開。(1)ウォラーFRB理事による「利下げを急ぐ必要はない」との発言や、(2)公表相場決定にかけてのドル買い・円売りが支援材料となる中、アジア時間朝方にかけて、高値151.55まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)日経平均株価の冴えない動きや、(4)林官房長官による「為替市場の動向、高い緊張感をもって注視」「行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず適切に対応」との円安牽制発言、(5)岸田首相による「為替相場は、過度な変動は望ましくない」との円安牽制発言、(6)重要イベント(3/29に予定されている米2月PCEデフレータ)を控えたポジション調整が重石となり、米国時間午前にかけて、安値151.15まで下落しました。

もっとも、その後は「聖金曜日」を前に積極的な取引が手控えられる中、徐々に動意を失い、本稿執筆時点(日本時間3/29午前6時35分現在)では、151.38前後で推移しております。尚、昨日発表された米第4四半期GDP確報値(結果3.4%、予想3.2%)や、米新規失業保険申請件数(結果21.0万件、予想21.2万件)、米3月ミシガン大消費者信頼感指数確報値(結果79.4、予想76.5)、米2月中古住宅販売制約指数(結果1.6%、予想1.1%)はいずれも良好な結果となりましたが、ドル買いでの反応は限定的となりました。

28日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間午後にかけて、高値1.0827まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ウォラーFRB理事による「利下げを急ぐ必要はない」との朝方の発言や、(2)ECBによる利下げ開始時期の前倒し観測(イタリア中銀パネッタ総裁は「緩和の条件は整いつつある」と発言)、(3)上記1、2を背景とした欧米金融政策の方向性の違い(欧米金利差拡大観測)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0775まで反落しました。その後は、「聖金曜日」を前に積極的な取引が手控えられる中、徐々に動意を失い、本稿執筆時点(日本時間3/29午前6時35分現在)では、1.0791前後で推移しております。尚、昨日はフランス中銀ビルロワドガロ総裁より「2%のインフレ目標が視野に入ってきた」「利下げを開始しハードランディングに備える必要がある」「最初の利下げは春頃に実施しFRBとは独立して行う」とのハト派的な発言が見られました。

本日の見通し

ドル円は3/27に記録した約34年ぶり高値151.97をトップに反落に転じると、昨日は終日151円台前半での上値の重い展開が継続しました。心理的節目152.00が強力なレジスタンス(2022年の年間高値151.95→2023年の年間高値151.91→2024年の年間高値151.97と、いずれも152.00を突破できていない)として意識されているため、ここからの上昇は容易では無いと考えられます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、追加利上げのタイミングを模索する日銀(7月や10月頃の追加利上げ観測)と、利下げ開始のタイミングを模索する米国(6月利下げ観測)との金融政策格差は明確であり、今後は「日米金利差縮小→円キャリートレード巻き戻し→ドル円急落」の波及経路が警戒されます。こうした中、本日は日米の物価イベント(本邦3月東京都区部消費者物価指数、米2月PCEデフレータ)に注目が集まります。本邦3月東京CPIが市場予想を上回る場合や、米2月PCEデフレータが市場予想を下回る場合には、日米金融政策の方向性の違いが一段と明確となるため、ドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオが想定されます。

心理的節目151.00を下抜けることができれば、ロング勢の見切り売りを巻き込みながら、大きく値崩れするリスクも想定されるため、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は聖金曜日(グッドフライデー)で豪州、ニュージーランド、香港、シンガポール、インド、ドイツ、スイス、フランス、スウェーデン、ノルウェー、南アフリカ、英国、カナダ、メキシコ、ブラジルなどが休場する他、米国についても、株式・債券・商品市場が休場となります。

本日の予想レンジ:150.50ー151.75

ドル円、上下しつつも方向感に欠ける展開。本日は日米物価指標に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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