ドル円 ドル高基調継続も、上値は重く上げ渋り(3/28夕)

東京市場はレンジ取引。151円前半を中心とした30ポイント程度で一進一退をたどっている。

ドル円 ドル高基調継続も、上値は重く上げ渋り(3/28夕)

ドル高基調継続も、上値は重く上げ渋り

〇本日ドル円、積極的な売買は手控えムード、清水日銀理事発言でドル高・円安に振れるも続かず
〇高値は151.55レベルまで、16時現在は寄り付きと同じ151.30-35で推移
〇リスクはドル高方向だが、152円をあっさり超え勢いよくドル高が進む展開は見込みにくい
〇円安けん制発言などでドル上値重いことも事実、152円の壁をめぐる攻防にも注目
〇本日は米10-12月期のGDP統計確報、3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報等の発表予定
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.00-152.00
〇ドル高・円安方向、本日東京高値の151.55レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、まず本日安値151.25レベルをめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場はレンジ取引。151円前半を中心とした30ポイント程度で一進一退をたどっている。

ドル/円は151.30-35円で寄り付いたものの、積極的な売買は手控えムード。そののち清水日銀理事発言が伝えられ、一時ドル高・円安に振れたものの効果は続かなかった。高値は151.55円レベルまでで、16時現在では寄り付きと同じ151.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、日経平均株価は一時700円を超える大幅下落をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言など」と「各国金融政策」について。
前者は、昨日東京時間に一時151.97円を示現。34年ぶりの高値をつけたドル/円だが、そののち鈴木財務相が覆面介入実施について問われ、可能性を否定しなかったうえ、財務省・金融庁・日銀が情報交換会合を開催したことで警戒感が増幅し、さらなるドル高の進行に歯止めをかけていたようだ。また、本日は林官房長官から「為替市場の動向に高い緊張感を持って注視している」との発言も聞かれていた。一方、そうしたなか先日開催された日銀会合についての「主な意見」が公表され、そのなかで「時間をかけてゆっくりと着実に金融正常化を進める」との意見が示されたことが明らかになるなか、先の清水理事発言「当面緩和的な金融環境を維持」が伝えられている。

対して後者は、昨日欧米時間から本日に掛けて、自国の金融政策に関する発言が幾つか観測されているのでまとめておきたい。たとえば、ラトビア中銀総裁は「6月のECB利下げ観測に反対しない」、スイス中銀副総裁は「先週利下げに踏み切れたのはインフレ圧力が低下したため」、ウォラーFRB理事「金利引き下げを急ぐ必要はない」、NZ中銀総裁「利下げに向けた条件がより明確になりつつある」、ハスケル英中銀委員「利下げはまだまだ先」−−などとなる。これらからすると、各国・地域で温度差はうかがえるものの、世界の潮流は日本と逆。おおむね利下げモードにあると言えそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日東京時間に34年ぶり高値の151.97円を示現するも、その後は上げ渋り。日足も陰線引けだった。日本の当局の動きを見る限り、152円レベルをある種の円安シーリングとして認識。超えていくことを恐れているかのようだ。いずれにしてもリスクは上向き、ドル高方向で間違いないものの、152円を簡単に超えて、勢いよくドル高が進むという展開は見込みにくいようだ。明日はNY休場になることなどと合わせて考えると、152円超えは来週に持ち越しされる可能性もある。
引き続き日米金融政策が注視されている状況下、本日は米経済指標の発表が相次ぐなか、米金融政策について注意を払いたい。先でも取り上げたように、ウォラーFRB理事から「金利引き下げを急ぐ必要はない」との発言が聞かれただけに、それを裏付けるような強い内容となるのか否かに注目だ。また、それ以外では月末・期末などに当たることで各種需給要因への警戒感も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、150円以上のレベルも見慣れてきた感のあるドル/円だが、短期的なチャートを見ると先週末22日以降は151円を一度も割り込んでいないことが見て取れる。いわゆる買い遅れ筋によるビッドは厚く、日本当局の円買い実弾介入でもない限り、ドルが大きく崩れる展開は予想しにくいと言えそうだ。
とは言え、ドルの上値が重いこともまた事実。円安けん制発言なども取り沙汰されるなか、152円の壁をめぐる攻防も引き続き注目されている。

本日は米経済指標として、10-12月期のGDP統計確報や3月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。また、それとともに明日からNYなどはロングウイークエンドとなるため、それと絡めての駆け込み的な需給要因などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.00-152.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値の151.55円レベルが最初の抵抗。抜けると直近高値151.97円が名実ともに視界内に。
対するドル安・円高方向は、まず本日安値151.25円レベルをめぐる攻防に注目。下回ると昨日安値を含めた151円レベルが意識されそうだ。

ドル高基調継続も、上値は重く上げ渋り

ドル円日足



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