ドル円、底堅い動きが継続するも直近高値を上抜けできず。
〇ドル円、米指標の好調、ロンドンフィキシングに絡むドル買いに米国時間に151.62まで上昇、底堅い
〇ユーロドル欧州株の堅調等に1.0865まで上昇後、ECB関係者のハト派発言等に1.08台前半に反落
〇ドル円、依然として昨年高値151.91の突破は実現できず、時間の経過とともに上値は重くなるか
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待、政府・日銀の介入警戒感等が重石
〇引き続き、ドル円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:151.00ー152.00
海外時間のレビュー
27日(火)のドル円相場は底堅い動き。(1)日経平均株価の冴えない動きや、(2)政府・日銀による為替介入警戒感(鈴木財務相は「行き過ぎた動きにあらゆる手段を排除せず適切に対応する」と発言)、(3)本邦輸出企業のレパトリ観測、(4)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値151.21まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)心理的節目151.00を背にした押し目買い圧力や、(6)米2月耐久財受注(結果+1.4%、予想+1.0%)の市場予想を上回る結果、(7)米2月耐久財受注・除輸送機器(結果+0.5%、予想+0.4%)の市場予想を上回る結果、(8)米2月製造業受注(結果+0.7%、予想+0.1%)の市場予想を上回る結果、(9)ロンドンフィキシングに絡むドル買いフロー、(10)米長期金利の低下幅縮小が支援材料となり、米国時間昼頃にかけて、高値151.62まで反発しました。
引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/27午前6時00分現在)では、151.55前後で推移しております。尚、昨日発表された米3月リッチモンド連銀製造業指数(結果▲11、予想▲5)、米3月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果104.7、予想107.0)はいずれも市場予想を下回りましたが、ドル売りでの反応は限定的となりました。
27日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)対英ポンドでのドル売り圧力(マン英中銀委員による「市場が現在織り込んでいる利下げは多過ぎる」「市場が既に利下げを織り込んでいるためBOEが利下げを実施する必要がない」とのタカ派的な発言→対英ポンドでドル売り加速→ユーロドル連れ高)や、(2)ドイツ4月GFK消費者信頼感指数(結果▲27.4、予想▲28.0)の市場予想を上回る結果、(3)欧州株の堅調推移(ドイツ株が史上最高値更新)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0865まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)60分足ベースの200MAを背にした戻り売り圧力や、(5)エストニア中銀ミューラー総裁による「利下げ開始可能な地点に近づいている」とのハト派的な発言、(6)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(7)ロンドンフィキシングに絡むドル買いフローが重石となり、米国時間正午にかけて、安値1.0824まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/27午前6時00分現在)では、1.0830前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は151円台での底堅い動きが続いていますが、依然として昨年高値151.91の突破は実現できておりません(3/20高値151.88→3/21高値151.77→3/22高値151.87→3/25高値151.55→3/26高値151.62)。同水準が強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されている証左と言えるため、時間が経てば経つほど、上値は重くなる(短期筋による見切り売りが誘発され易くなる)と考えられます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による年内追加利上げ観測(円安に端を発した物価高が継続すれば本年7月や10月に日銀が追加利上げに踏み切る可能性あり)や、(2)米FRBによる早期利下げ観測(6月FOMCでの利下げ確率を63.3%織り込んでいる状態)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小期待(次の一手が利上げの日本と、次の一手が利下げの米国→円キャリートレードの逆流懸念)、(4)政府・日銀の為替介入警戒感(鈴木財務相は昨日も「行き過ぎた動きにあらゆる手段を排除せず適切に対応する」と発言)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日米共に目立った経済イベントが予定されていないため、1日を通して静かな動きとなりそうです。
本日の予想レンジ:151.00ー152.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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