ドル円見通し 日米金融政策会合通過による乱高下落ち着き151円台の揉み合い(24/3/26)

25日も再三151円に迫ったものの確りし、26日未明には151.54円まで戻すなどしっかりした。

ドル円見通し 日米金融政策会合通過による乱高下落ち着き151円台の揉み合い(24/3/26)

ドル円見通し 日米金融政策会合通過による乱高下落ち着き151円台の揉み合い

〇ドル円、3/25は上値が重くなり、再三151円に迫ったが確り、3/26未明には151.54まで戻す
〇暫くは持ち合いで推移しながら方向感を探るところか
〇FOMCメンバーに3回以下の利下げとする慎重姿勢も、経済指標次第で年2回利下げの可能性残るか
〇米10年債利回りは5営業日ぶり反発、ダウは史上最高値更新後の反落続く、ナスダックは6日ぶり反落
〇151円以上での推移中は上昇余地ありとし、151.86超えからは152円突破へ挑戦するとみる
〇151円割れから続落する場合は、3/21午前安値150.26試しとする

【概況】

ドル円は3月19日に日銀がマイナス金利とYCC等を解除して17年振りの利上げとしたものの当面は金融緩和状況が続くとしたことで3月20日夜高値151.79円へ上昇し、21日未明の米FOMCが年内3回利下げ想定を維持したことによるドル安反応で21日午前安値150.26円まで反落したが、FOMC直後のドル安が一巡してドル高がぶり返したことで22日午前に151.86円を付けて20日夜高値を上抜き昨年12月28日安値140.24円以降の最高値を更新した。
2022年10月21日高値151.94円と2023年11月13日高値151.90円による152円手前での抵抗感から上げ渋り、3月25日午前に神田財務官が市場介入をちらつかせる円安けん制発言を行ったことで上値が重くなったものの、22日夜安値151.00円の後は下げ渋りを続け25日も再三151円に迫ったものの確りし、26日未明には151.54円まで戻すなどしっかりした。

米国の利下げ見通しに加え、先週はスイス中銀が利下げを決定、英中銀やECBも年内利下げを想定する流れのため、FOMC後のドル安反応は一時的なものに終わり22日にはドル高がぶり返した。25日は米長期債利回りが先週連続で低下したことの反動で上昇したことがドル円に対する支えとなったが、ユーロやポンドが売られ過ぎ感からやや戻したことでドル高が緩んだことで上値も重いという印象だった。暫くは持ち合いで推移しながら方向感を探るところか。

【FOMCメンバー、3回よりも少ない利下げとする慎重姿勢も】

3月21日未明のFOMCでは昨年12月会合で示された2024年3回利下げ想定がメンバー予想の中央値として維持されたものの、3回利下げが10人、9人が2回以下の予想だった。パウエルFRB議長は利下げ判断に慎重さが必要としつつ利下げを躊躇することと利下げを急ぎ過ぎることのリスクを天秤にかけつつ年内利下げが適当との認識を示し、市場は議長がハト派的と受け止めたが、それ以外ではより慎重姿勢を強調するものも多い。
3月25日はFRBのクック理事が利下げについては慎重に検討すべきとし、「物価安定の完全回復には長い時間をかけて徐々に金融緩和をする注意深いアプローチが必要になる」、「インフレ鈍化の道筋はスムーズではなく一様でもない」と慎重さを示した。

アトランタ連銀のボスティック総裁は25日に「年内の利下げは1回にとどまる」とタカ派姿勢を示したが、FOMC翌日の3月22日にも同様の発言を行っており、利下げ開始時期が後ずれするとした。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は年内3回利下げを支持する姿勢を示してパウエル議長と同様のハト派姿勢だったが、今後の米経済指標次第では利下げ開始が6月よりも先延ばしされて年2回利下げに終わる可能性も残るところだ。

【米10年債利回りは5営業日ぶり反発、ダウは史上最高値更新後の反落続く】

3月25日の米長期債利回りは総じて上昇した。
米10年債利回りは先週末比0.05%上昇の4.25%となった。FOMCが年内3回利下げ想定を維持したことを挟んで3月19日から22日まで4営業日連続低下となり、3月18日に付けた直近のピークである4.35%から3月22日には4.20%まで下げたが、25日は一時4.26%をつけるなど先週の連続低下に対する修正的な上昇がみられた。
30年債利回りは先週末比0.04%上昇の4.42%、2年債利回りは先週末比0.03%上昇の4.63%だった。
一方でNYダウは先週末比162.26ドル安と下落した。3月21日まで4営業日続伸して史上最高値を更新したが、高値警戒感から利食い優勢となり22日の305.47ドル安から続落した。ナスダック総合指数は3月18日から22日まで5営業日連騰して、21日に取引時間中の史上最高値を更新し22日は終値での史上最高値を更新していたが。25日は利益確定売りに圧されて44.35ポイント安と6日ぶりの反落となった。今週末は米国等がグッドフライデーで祝日となり連休前の利食いが優勢の印象だ。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は日銀会合後の急伸とFOMC後の急落からの反騰と乱高下したが、3月22日午前高値の後は上げ渋りの持ち合いに入っているため、22日午前高値151.86円を超えないうちは26日の日中から28日午前にかけての間へ下落しやすいと思われる。しかし151円台を維持して持ち合いを形成していることは持ち合い上放れへ進む可能性を持っていることを示しているため、22日午前高値を超えて持ち合い上放れに入る場合は27日午前から29日午前にかけて上昇が勢い付くと思われる。

60分足の一目均衡表では、3月22日夜に151.00円を付けた後はややジリ高の持ち合い推移だが先行スパンからの転落は回避しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は3月25日午前の40ポイント割れから戻したものの60ポイント手前が抵抗となり方向感に欠けているので、60ポイント超えからは70ポイントを目指す上昇を想定し、3月22日午前高値を超えて一段高へ進む場合は80ポイントに迫る上昇を想定するが、45ポイント割れからは下向きとし、151円割れからは20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、151.00円を下値支持線、3月22日午前高値151.86円を上値抵抗線とする。
(2)151円以上での推移中は上昇余地ありとし、151.86円超えからは152円突破へ挑戦するとみる。152円へ迫ってから市場介入警戒感で151.50円を割り込む場合は下落再開とするが、152円を超える場合は152円台前半への上昇を想定し、151.50円を上回っての推移なら27日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)151円割れから続落する場合は21日午前安値150.26円試しとする。150.35円以下は反騰注意とし、150.26円を割り込まない場合は151円を中心として150円台前半から152円手前までのレンジ内持ち合いを形成する動きと考えるが、150.26円を割り込む場合は3月11日以降の上昇一巡による下落期入りとして週末から来週にかけて下落基調を続けやすくなるとみる。

【当面の予定】

3/26(火)
16:00 (独) 4月 GFK消費者信頼感 (3月 -29.0、予想 -27.9)
21:30 (米) 2月 耐久財受注 前月比 (1月 -6.1%、予想 1.1%)
21:30 (米) 2月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (1月 -0.3%、予想 0.4%)
22:00 (米) 1月 連邦住宅金融局FHFA住宅価格指数 前月比 (12月 0.1%、予想 0.3%)
22:00 (米) 1月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (12月 6.1%、予想 6.7%)
23:00 (米) 3月 リッチモンド連銀製造業景況指数 (2月 -5、予想 -5)
23:00 (米) 3月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (2月 106.7、予想 107.0)
26:00 (米) 財務省5年債入札

3/27(水)
09:30 (豪) 2月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (1月 3.4%、予想 3.5%)
10:00 (日) 田村日銀審議委員、青森で講演、14:00から記者会見
19:00 (欧) 3月 消費者信頼感・確定値 (速報 -14.9)
19:00 (欧) 3月 経済信頼感 (2月 95.4、予想 96.2)
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計



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