151円台での底堅い動きが継続するも上値余地は限定的。一巡後の反落リスクに要警戒
〇ドル円、米指標の好調、米金利上昇、FRB関係者のタカ派発言に米国時間に151.55まで上昇
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇、欧州株の堅調推移等に1.0842まで反発
〇ドル円、151.91突破を実現できておらず、上値は次第に重くなるか
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待、年末の日本企業のレパトリ、介入警戒感が重石
〇引き続き、ドル円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.50ー152.00
海外時間のレビュー
週明け26日(月)のドル円相場は底堅い動き。(1)神田財務官による「足元の為替動向は明らかに投機」「日米金利差は縮小方向」「行き過ぎた変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動を取る」との発言や、(2)上記1を背景とした為替介入警戒感が重石となり、アジア時間朝方にかけて、安値151.05まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)心理的節目151.00を背にした押し目買い圧力や、(4)米2月シカゴ連銀全米活動指数(結果+0.05、予想▲0.34)の市場予想を上回る結果、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)アトランタ連銀ボスティック総裁による「今年の利下げは1回のみを予想する」との慎重な発言が支えとなり、米国時間正午にかけて、高値151.55まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/26午前6時15分現在)では、151.43前後で推移しております。
週明け26日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0802まで下落するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買い(ECBによる早期利下げ観測を背景にユーロドル相場は先週後半にかけて急反落→週明けのユーロドル相場は自律反発主導で持ち直す動き)や、(2)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(3)欧州株の堅調推移(ドイツ株は史上最高値更新)が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.0842まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/26午前6時15分現在)では、1.0838前後で推移しております。尚、昨日はレーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストによる「インフレに関してよい進展が見られている」との発言や、パネッタECB専務理事による「インフレは2%目標に向けて急速に低下している」「利下げの可能性について政策メンバー内でコンセンサスが出来つつある」との発言が見られましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。
本日の見通し
ドル円は高値圏での底堅い動きが続いていますが、依然として昨年高値151.91の突破を実現できておらず(3/20高値151.88→3/21高値151.77→3/22高値151.87→3/25高値151.55)、時間が経てば経つほど上値は次第に重くなると考えられます(151.91が強力なレジスタンスとして市場参加者に意識されている状態)。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による年内追加利上げ観測の台頭(日経新聞は先週、円安の影響を受けて、日銀が7月・10月の追加利上げを検討していると報道)や、(2)米FRBによる早期利下げ観測の再燃(先週開催された米FOMCは総じてハト派的な内容→6月FOMCでの利下げ確率上昇)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差縮小期待とそれに伴う円キャリートレードの巻き戻しリスク)、(4)日系企業の年末に向けたレパトリフロー(円買い材料)、(5)政府・日銀の為替介入警戒感(鈴木財務相は先週「為替、高い緊張感もって動きを注視」と発言→神田財務官は昨日「足元の為替動向は明らかに投機」「行き過ぎた変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動を取る」と発言)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。
151円台を死守できず反落に転じる場合には、ロング勢の見切り売りを誘発しながら、ドル円が一気に値崩れを起こす危険性もあるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は、米2月耐久財受注速報値や、米1月S&Pケースシラー住宅価格指数、米3月リッチモンド連銀製造業指数、米3月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米5年債入札など重要イベント目白押しとなるため、米長期金利や米ドルを睨みながらの神経質な1日となりそうです。
本日の予想レンジ:150.50ー152.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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