東京市場ドルは151円20銭台で推移、神田財務官の覚悟受けてドル買い円売り一服か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、円安基調一服で151円前半での推移となった。
先週末の海外時間では、「2024年春闘賃上げ率が第2回集計でも平均賃上げ率5%超と33年ぶりの高水準を維持した」と報じられたことから、10月までの日銀の追加利上げ観測を受けた円買いがやや強まった。一方、ロシアでのテロ報道を受けて質への逃避のドル買いも入ったとの観測もあり、151円台で推移した。
東京時間では、朝方、神田真人財務官が為替市場で円安が進んでいることに関して「経済のファンダメンタルズに沿っておらず明らかに投機」との見解を示した。
また、「(為替介入の)常に準備はできている」「行き過ぎた変動に対してはあらゆる手段を排除せずに適切な行動をとる」「日米の金利差は縮小し、今後も縮小が期待されている。投機による過度な変動は国民経済に悪影響をもたらすもので容認できない」とも述べた。先週末の鈴木財務大臣と比べると、やや強い口先介入となったことで、ドル買い円売りの流れは一服となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円26銭
高値:151円43銭
安値:151円05銭
終値:151円21銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:163円50銭
高値:163円69銭
安値:163円31銭
終値:163円65銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 98円56銭
高値: 98円88銭
安値: 98円48銭
終値: 98円67銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円56銭
高値:190円86銭
安値:190円34銭
終値:190円75銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:40798円96銭
高値:40837円18銭
安値:40414円12銭
終値:40414円12銭(前日比−474円31銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時25分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加
23時00分、米、2月新築住宅販売件数、前回:66.1万件、市場予想:67.7万件
23時30分、米、クックFRB理事がデュアルマンデートについて講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析など】
日足ベースのドル・円は、ボリンジャーバンドの+2σ手前で上値が重くなっている。3営業日連続で151円80銭水準にて止まったことから、この水準より上を仕掛けるにはそれなりの材料が必要な状況と言えよう。
為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官のトーンが一気に上がったことから、市場では、政府・日銀による介入警戒感が一気に高まっている。8時頃に発した「(為替介入の)常に準備はできている」は昨年11月の「スタンバイ」と近いニュアンスのため、残る段取りは「レートチェック」と考える。
本日の神田財務官の発言で、当局の考えがより明確となった。やはり、2022年や23年の高値水準である151円90銭水準が、政府・日銀の防衛ラインとの見方は間違いなさそうだ。投機筋を中心に、今後はこの水準に接近しては、ややドルが売られるといった神経質な地合いが続くだろう。
なお、27日には、青森県金融経済懇談会にて田村直樹審議委員が挨拶を行う。田村審議委員は、昨年8月に「2%目標実現が、はっきり視界にとらえられる状況」と発言するなど金融正常化に積極的な「タカ派」と見られていることから、前向きな追加利上げに関する発言の有無が注目される。
今晩の海外時間は、米国政府要人の話以外、目立った予定がないことから、東京時間での神田財務官の覚悟が重しとなり151円台前半から半ばでのもみ合いが続くと考える。今晩の上値メドは151円70銭、下値メドは151円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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