ドル円 ドルは年初来高値更新、引き続き底堅く推移(3/22夕)

東京市場は151円台でドルが小安い。日米による金融政策発表という材料をこなすなか、調整と思しき動きがやや優勢だった。

ドル円 ドルは年初来高値更新、引き続き底堅く推移(3/22夕)

ドルは年初来高値更新、引き続き底堅く推移

〇本日のドル円、151.60-65で寄り付き基本的にはレンジ取引、調整と思しき動きがやや優勢
〇それほど大きな値動きとはならなかったが、151.85レベルをつけて年初来高値を一時更新
〇円安けん制発言などもあるが、来週あたりには152円超えトライの可能性もあるか
〇欧米時間の予想レンジは150.80-151.90、ドル高・円安方向は151.85レベルをめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は、150.85レベルが弱いサポートとなっている

<< 東京市場の動き >>

東京市場は151円台でドルが小安い。日米による金融政策発表という材料をこなすなか、調整と思しき動きがやや優勢だった。

ドル/円は151.60-65円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。日経平均株価が4日続伸し連日の最高値更新となったが、為替市場への影響は大きなものとはならなかった。しかし、週末らしいポジション調整の動きなどもあり、わずかなから円買いが優勢。16時現在では日中最安値圏の151.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「ウクライナ支援」について。
前者は、日銀の追加利上げをめぐって様々な憶測が取り沙汰されるなか、本日東京早朝に発表された2月の全国消費者物価は予想通りの内容で、手掛かり材料とはならず。ただ、昨日に続き本日の参議院財政金融委に出席した植田日銀総裁からは「基調的なインフレ率の上昇が現在生じてきている」との発言が聞かれていたようだ。一方、それとは別にレベル的なものもあり、東京時間には鈴木財務相から「為替市場の動向に高い緊張感もって注視している」との口先介入が発せられている。

対して後者は、ここにきて「西側諸国が凍結したロシア中銀資産から得た収益をウクライナの軍事支援に活用する案」に関する議論が活発になっている。EUのボレル外交安全保障上級代表によると、年間で30億ユーロほどに達する見通しで、21-22日に開催されるEU首脳会議でも議論される見通しだという。またブルームバーグによると、米国がG7に対し、ウクライナ支援を目的に少なくとも500億ドルの債券を発行する特別目的事業体(SPV)設立を提案した、と伝えられていた。ウクライナによる反転攻勢も近いかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は本日東京時間、それほど大きな値動きとはならなかったが、それでも151.85円レベルをつけて年初来高値を一時更新。ドル高基調が依然として続いていることが示されている。また、本日は週末ということで調整の動きを警戒する声もあるが、時間足など短期のチャートを見ると19日の欧米時間以降、一度も150円を下回ったことがなく、レベルがかなり切り上がってきているようだ。徐々に見慣れた光景になったこともあり、円安けん制発言などもくずぶるなかではあるが、来週あたりには152円超えトライの可能性もあるか。
今週は、注目を集めていた日米中銀がともに金融政策を発表。詳細は省くが、日米金利差が早い段階で大きく縮小することは予想しにくく、為替市場においてはドル/円の底堅い値動きがまだしばらく続く見込みだ。一方、そうしたなか、またもや一部で懸念されていた米政府機関閉鎖問題について、米議会が1.2兆ドル規模の予算案発表し回避へ向かい一歩前進している。潜在的なドル高の支援要因となる可能性もあるだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円のリスクは間違いなくドル高方向にバイアスが掛かる。2022年と2023年、2年連続でドル上値が抑制された151.95円レベルを、今回も超えられていないことは多少気掛かりだが、前述した本日の鈴木財務相発言などを聞く限りでもそれほど強い円安阻止姿勢はうかがえない。きっかけさえあれば、152円台へと上昇する局面があっても不思議はなさそうだ。その場合には、さすがに遠いが1990年高値の160円も薄っすら視界内に。

本日は目立った米経済指標の発表などはなし。また欧州要人の講演は複数予定されているものの、米要人の予定もとくにはないようだ。ただ、日経平均だけでなくNYダウなど米株も軒並み最高値更新といった状況をたどっているだけに、そちらの動きには大いに注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.80-151.90円。ドル高・円安方向は本日東京で示現した151.85円レベルをめぐる攻防にまずは注目。抜けると151.95円レベルそして152円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、目先150.85円レベルが弱いサポートとなっている。下回ると昨日安値の150.27円が意識されそうだ。

ドルは年初来高値更新、引き続き底堅く推移

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る