東京市場のドルは151円87銭まで上昇、152円台を試す可能性も(24/3/22)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、151円87銭まで買われる場面が見られたものの、政府要人の口先介入などでドル買いは一服となった。

東京市場のドルは151円87銭まで上昇、152円台を試す可能性も(24/3/22)

東京市場のドルは151円87銭まで上昇、152円台を試す可能性も

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、151円87銭まで買われる場面が見られたものの、政府要人の口先介入などでドル買いは一服となった。

昨晩の海外時間では、米先週分新規失業保険申請件数が予想外に前回から減少し、労働市場の強さが証明されたほか、3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月中古住宅販売件数も予想を上回り、堅調な成長期待にドル買いが優勢となり151円台後半で推移した。

東京時間では、朝方に発表された2月消費者物価指数は前年比2.8%増と前回(同2.2%)を上回ったが、市場予想(同2.9%)をやや下回った。一方、生鮮食料品除くコアは同比2.8%増とこちらも前回(同2.0%)を上回ったが、市場予想(同2.9%)をやや下回った。

ドルは10時過ぎに151円87銭まで買われる場面が見られたものの、鈴木財務大臣が「高い緊張感をもって相場を注視」「為替介入の可能性は最もコメントできないことの一つ」と軽い口先介入を行ったことなどからドル買いは強まらず。買い一巡後は、151円台半ばでのもみ合いとなった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:151円56銭
高値:151円87銭
安値:151円42銭
終値:151円49銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:164円62銭
高値:164円82銭
安値:164円14銭
終値:164円24銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 99円57銭
高値: 99円72銭
安値: 98円81銭
終値: 99円88銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:191円82銭
高値:192円24銭
安値:191円42銭
終値:191円52銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:40942円88銭
高値:41087円75銭
安値:40714円14銭
終値:40888円43銭(前日比+72円77銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁がイベントに参加
18時00分、欧、3月独Ifo景況感指数、前回:85.5、市場予想:85.8
19時00分、欧、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が年次報告
20時00分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
22時00分、米、パウエルFRB議長が「Fed Listen」開会宣言
25時15分、米、バーFRB副議長が討論会に参加
26時00分、欧、レーンECBチーフエコノミストが講演
26時30分、欧、センテノ・ポルトガル中銀総裁が講演
29時00分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析など】

日足ベースのドル・円は、ボリンジャーバンドの+2σ手前で上値が重くなっている。3営業日連続で151円80銭水準にて止まったことから、この水準より上を仕掛けるにはそれなりの材料が必要な状況と言えよう。今晩、パウエルFRB議長の話が予定されているが、さすがにFOMC直後のため新しい発言は無さそうだが、上を試したがっているムードはある。

151円90銭台は、2022年の政府・日銀による為替介入実施ゾーンで、昨年11月の投機筋の円売り加速の時も押し返された。市場では大きな上値抵抗として意識されている。逆に考えれば、この水準を上回るとドルは対円で「次のステージ」に入ることとなる。

市場が意識しているのは、政府・日銀による為替介入の有無であるが、私は実施するのは難しいと考える。3月に物価上昇率を上回る賃上げがなされたことで、2022年のような物価高騰を何が何でも抑えなくてはならないという「大義名分」に乏しいことが挙げられる。そして、今回の円安進行が、日米中銀イベント後に起こっていることも大きいと考える。

大義名分に関しては、何度もお伝えしているので簡単な説明に留まるが、端的に「円安は困る」という国民の切実な声が少ないので難しいというロジックだ。

もう一つの日米中銀イベントに関してだが、ここで為替介入を行い、日経平均が1000円超下落した場合、せっかく「脱デフレ」宣言間近まで来ているムードに水を差す格好となるので、介入は難しいというロジックだ。そこまで忖度をする必要があるのか謎だが、期末に株安という地合いは回避したい考えはあるだろう。

実際、「急激な円安」「1か月で10円」「投機的」といった表現を口先介入に散りばめ、「レートチェック」を行ったあとに介入を実施するわけだが、今日の鈴木財務大臣の発言を見る限り、優しい口先介入に留まっており、「断固たる」意思は伝わってこない。

こうした政府・日銀の姿勢を投機筋が見極めて152円台を試すという展開は近い段階であると想定する。今晩は欧米要人の発言が多く予定されていることから、もしかしたらドルは上に動くかもしれない。今晩の上値メドは152円20銭、下値メドは151円00銭とする。

東京市場のドルは151円87銭まで上昇、152円台を試す可能性も

ドル円日足

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