ドル高進行しついに151円台、米FOMCに注目(3/20夕)

アジア市場はドルが続伸。

ドル高進行しついに151円台、米FOMCに注目(3/20夕)

ドル高進行しついに151円台、米FOMCに注目

〇ドル円、もみ合い上抜け151円台半ばを示現
〇日銀、マイナス金利解除するも全体のトーンはハト派、そのスタンスを政府もアシスト
〇ドル円ここからの上値目途は、2022・23年の高値圏151.90-00
〇今晩のFOMC注目点は6月利下げを裏付ける材料と、FRB関係者の年内利下げ回数の予想
〇欧米時間のドル円予想レンジは150.70-151.90

<< アジア市場の動き >>

ドル/円は150.85円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。そのなかで日中安値150.75-80円を示現している。しかし、揉み合いを上抜けると、以降は緩やかな右肩上がりの展開に。昨年11月16日来となる151円を超えただけでなく、夕方には151円半ばを示現した。16時現在でもドルはそのまま高値圏で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「豪金融政策」について。
前者は、昨19日に日銀が会合の結果として、「マイナス金利解除を決定」を発表したことものの、同時に「当面緩和的な金融環境が継続すると考えている」とした見解を示すなど、全体的なトーンはかなり弱めだった。しかし、政府サイドもこうした対応にほぼ満足との見方を示しており、たとえば岸田首相は会見で「緩和的な金融環境が維持されることになったことは適切であると考えている」とコメント。また、自民党の木原幹事長代理は「緩和的な金融環境が続くことは重要」、林官房長官も「日本経済はデフレ脱却に至っていない」との政府見解を維持し、低金利政策継続との考えをアシストしていたようだ。

対して後者は、西側諸国から「茶番」などと揶揄されながらも、結果としてプーチン氏は週末のロシア大統領選に完勝。それもあり、さらに意気軒昂となっていた感がある。ロイターによると、新たな任期に入ったプーチン氏は初の外遊先として中国を選択。「5月に中国を訪問し、習国家主席と会談する予定であることが分かった」と報じていた。またナルイシキン対外情報局長官が、「フランスがウクライナに軍隊を派遣すれば、ロシア軍の優先的な標的になると述べた」と伝えられていたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は先で記したように、本日東京時間に151円台を示現するなど年初来高値を更新。リスクはドル高方向に高いとは考えていたが、レンジの上抜けは本20日の米FOMC後を想定していた。スピードは予想よりもかなり早い。いずれにしても、ここから先のドル上値メドは2022年と2023年、2年連続でドル上値が抑制されている151.90-00円か。これを超えてしまうと、さすがに遠いが155円レベルが薄っすら視界内には入ってくる。

注目を集めている日米金融政策のうち、日銀は昨日結果を発表。それを受け、本20日に予定されている米FOMCの結果発表が注目を集めていることは間違いない。引き締め的な政策を維持するとみられるなか、とくに関心が寄せられているのは次の2つ。ひとつは「利下げ開始時期は6月」との見方を裏付けるような内容となるのか否かで、もうひとつは「年内実施される利下げの回数」で果たして3回なのか2回なのか−−になる。ともかく、予想よりも強めの内容となり、ドル高が進展するリスクがより懸念される状況か。

テクニカルに見た場合、ドル/円のリスクは間違いなくドル高方向で、先で記したように次のターゲットは151.90-00円。すでに同レベルへ50ポイントほどまで接近しており、名実ともに攻防が注視されている。
とは言え、本邦当局による円安けん制の動きには要注意。東京が休場だったとはいえ、それはあまり関係なく市場介入が必要だと思えば実行されるだろう。可能性は低いと考えているものの、本邦当局者発言が聞かれないなど、あまりに静かなのが逆に不気味だ。

本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数などが発表されるものの、市場の関心は高くなく基本はノーインパクト。市場はやはり米FOMCが注視されており、それ以外では欧州各国中銀総裁らの講演が相次ぐだけに、そちらも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.70-151.90円。ドル高・円安方向は本日アジア高値である151.60円レベルをめぐる攻防にまずは注目。抜けると151.90-00円が名実ともにターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる150.75-00円が最初のサポートか。下回ると心理的な意味も込め150円が意識されそうだ。

注:ポイント要約は編集部

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