ドル円、年初来高値更新後に急反落。ハト派な米FOMCと日経新聞のサプライズ報道が重石に(3/21朝)

20日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、年初来高値更新後に急反落。ハト派な米FOMCと日経新聞のサプライズ報道が重石に(3/21朝)

年初来高値更新後に急反落。ハト派な米FOMCと日経新聞のサプライズ報道が重石に

〇ドル円、米国時間朝方に年初来高値151.87まで急伸後、150.75まで急落
〇米FOMCのハト派的な結果、日経の「日銀は7月や10月に追加利上げを検討」との観測報道が重石に
〇引けにかけ反発するも戻り鈍く、151.10レベルで推移
〇ユーロドル、FOMC後の米金利低下に1.0918まで急伸
〇ドル円、昨年高値151.91の突破にまたしても失敗、テクニカル的に、上値は次第に重くなるか
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待、為替介入警戒感等が重石に
〇ドル売り・円買いトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:149.75ー151.75

海外時間のレビュー

20日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。(1)日銀金融政策決定会合後の円売りの流れの継続(日銀は3/19に開催された日銀金融政策決定会合で「マイナス金利政策の解除」「イールド・カーブ・コントロールの撤廃」「リスク資産の買い入れ終了」を決定するも、同時に「国債買い入れ」の継続や、声明文への「当面緩和的な金融環境が継続」との文言を併存→市場はハト派的な利上げと解釈→円金利は当面上がらないとの見方から対主要通貨で円独歩安)や、(2)米FOMCを控えたポジション調整(ドットチャートが上方修正されるとの思惑)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、年初来高値151.87まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)昨年高値151.91を背にした戻り売り圧力や、(4)米FOMCのハト派的な結果(米FOMCは5会合連続となる政策金利の据え置きを決定するも、同時に発表されたドットチャートで2024年末時点の中央値を年3回・75bpの利下げ予想で据え置き→一部で2024年末時点の中央値が引き上げられるとの思惑があったことから、市場は米ドル売りで反応)、(5)日本経済新聞社による「円安進行の影響で日銀は7月や10月に追加利上げを検討している」とのサプライズ的な観測報道が重石となり、米国時間午後にかけて、一時150.75まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/21午前4時30分現在)では、151.10前後で推移しております。

20日(水)のユーロドル相場は下落後に急反発。(1)ラガルドECB総裁による「今後数カ月以内に最初の政策変更に十分な信頼度を高めることができる2つの重要な証拠が得られると期待している」とのハト派的な発言や、(2)ドイツ2月生産者物価指数(結果▲4.1%、予想▲3.8%)の市場予想を下回る結果、(3)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0836まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)ユーロ圏3月消費者信頼感速報値(結果▲14.9、予想▲15.0)の市場予想を上回る結果や、(5)米FOMCのハト派的な結果(ドットチャートで2024年末時点の中央値が据え置き)、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0918まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/21午前4時30分現在)では、1.0915前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時151.87まで上昇し、昨年高値151.91まで後一歩のところに迫りましたが、米FOMCのハト派的な結果や、日経新聞による「日銀が年内に追加利上げに踏み切る可能性がある」との報道を受けて、結局反落する動きとなりました。昨年高値151.91の突破にまたしても失敗したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値は次第に重くなる(151円台後半は心理的なレジスタンス)と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による年内追加利上げ観測の台頭(日経新聞は「円安進行の影響で日銀は7月や10月に追加利上げを検討している」と報道)や、(2)米FRBによる早期利下げ観測の再燃(ハト派な米FOMCを受けて6月FOMCでの利下げ確率が55.6%から68.1%へ急上昇)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差縮小期待→円キャリートレードの巻き戻しリスク)、(4)日系企業の年末に向けたレパトリ観測、(5)政府・日銀による為替介入警戒感など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2のタイミングを計る目的で、日本時間21:30に発表される米3月フィラデルフィア連銀景況指数や、米新規失業保険申請件数、同22:45に発表される米3月PMI速報値、同23:00に発表される米2月景気先行指数や、米2月中古住宅販売件数に注目が集まります。米経済指標の不冴な結果が示されれば、米FRBによる6月利下げ観測→米金利の更なる低下→米ドル売りの経路で、ドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:149.75ー151.75

注:ポイント要約は編集部

年初来高値更新後に急反落。ハト派な米FOMCと日経新聞のサプライズ報道が重石に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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