ドル円、日銀会合後に急上昇。市場はハト派的利上げと解釈。本日はFOMCに注目(3/20朝)

19日(火)のドル円相場は急上昇。

ドル円、日銀会合後に急上昇。市場はハト派的利上げと解釈。本日はFOMCに注目(3/20朝)

日銀会合後に急上昇。市場はハト派的利上げと解釈。本日はFOMCに注目

〇ドル円、ハト派的日銀の政策転換、米指標の好調等に米国時間に150.97まで上昇
〇ユーロドル、欧州債利回り低下に1.0835まで下落するも欧州指標の好調に1.08台後半を回復
〇ドル円、国債買い入れ策の継続や声明文への言及を以って、ハト派的と受け止めるのは時期尚早
〇本日、米FOMC、市場ではドットチャート上方修正の期待高まるも、利下げ後ずれ観測は強まらないか
〇米FOMC後は、米金利低下→米ドル売りの流れが再開するとみる
〇本日の予想レンジ:149.50ー151.50

海外時間のレビュー

19日(火)のドル円相場は急上昇。(1)日銀金融政策決定会合の予想通りの結果(日銀は「マイナス金利の解除」「イールド・カーブ・コントロールの撤廃」「リスク資産の買い入れ終了」を決定しつつも、「国債買い入れ策」の継続や、声明文への「当面緩和的な金融環境が継続」との文言残存などバランスを取る形)や、(2)上記1を背景とした円売り圧力(市場はハト派的な利上げと解釈→円金利は当面上がらないとの見方から、円金利低下・円売りの流れに波及)、(3)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(4)米2月建設許可件数(結果151.8万件、予想149.6万件)の市場予想を上回る結果、(5)米2月住宅着工件数(結果152.1万件、予想144.0万件)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、年初来高値150.97(昨年11/16以来の高値圏)まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/20午前6時05分現在)では、150.85前後で推移しております。

19日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となる中、欧州時間朝方にかけて、安値1.0835まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)ドイツ3月ZEW現況指数(結果▲80.5、予想▲82.0)の市場予想を上回る結果や、(3)ドイツ3月ZEW景況感指数(結果+31.7、予想+20.5)の力強い結果、(4)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、一時1.0867まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/20午前6時05分現在)では、1.0866前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は年初来高値150.97を更新し、昨年11/16以来、約4カ月ぶり高値圏へと急伸しました。日銀がマイナス金利解除・YCC撤廃・リスク資産の買い入れ終了(満額回答)を決めたにも係わらず円売りが進行した背景としては、今後も円金利の上昇を抑制する方向性(国債買い入れ策の継続や、声明文への「当面緩和的な金融環境が継続」との文言残存)が示されたこと等が挙げられます。これを受けて市場参加者はハト派的利上げと受け止め、円金利低下→円売りの流れに拍車がかかりました。

但し、国債買い入れ策の継続や、声明文への言及を以って、ハト派的と受け止めるのは時期尚早と考えられます。事実、国債買入れ額の四半期予定を見ると、1回当たりオファー額の上限が大幅に引き下げられている他、声明文についても特段将来的な利上げを否定しているわけではなく、また、植田日銀総裁記者会見においても「緩和」という文言(大規模緩和から普通の金融政策へ)は使われておりません。従って、市場の解釈(ハト派的利上げ→円売り)はやや短絡的であり、早期に是正される可能性もあるため、当方は一巡後に円買い圧力(円金利上昇・円買い)が再開するシナリオを警戒しています。

こうした中、本日は米FOMCに注目が集まります。政策金利の据え置きが見込まれているため、市場の関心は「経済・金利見通し」に移っています。直近の米CPI・米PPIの上振れを受けて、市場ではドットチャート(FOMCメンバーによる政策金利予想分布図)の上方修正が期待されていますが、当方は上方修正はなされず、あくまで中央値は据え置かれるとの見方を維持しています(仮に上方修正されたとしても、パウエルFRB議長が記者会見でバランスを取る可能性が高いため、利下げ開始時期の後ずれ観測が一段と高まるシナリオは想定しづらい)。

この為、先週以降に見られた米金利上昇→米ドル買いの流れはひとまずストップし、米FOMC後は、米金利低下→米ドル売りの流れが再開すると見ています。期末(3月末)が近づくに連れて、日系企業によるレパトリフローも意識されるため、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:149.50ー151.50

注:ポイント要約は編集部

日銀会合後に急上昇。市場はハト派的利上げと解釈。本日はFOMCに注目

ドル円日足

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