基本はレンジか、ただ発表される米指標注意
〇本日ドル円、147.50-148.00のレンジ取引抜けられず、16時現在147.90レベルで推移
〇来週の日・米金融政策会合にらみ、基本的に146.50-148.50を中心とした展開継続か
〇FRBはブラックアウト期間中、本日は米2月小売売上高、生産者物価指数などに要注意
〇200日移動平均線等のテクニカルサポート多く、割り込むと下げが一気に加速する危険性も
〇ドル高・円安方向、昨日高値148.05が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値を含めた147円半ばをめぐる攻防にまずは注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ: 147.30-148.50
<< 東京市場の動き >>
東京市場はレンジ取引。147円後半の揉み合いで、明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は147.75円レベルで寄り付いたものの、同レベルを中心とした上下25ポイント程度での一進一退。つまり、147.50-148.00円といったレンジ相場をたどっていた。日経平均株価や米金利の動きに一喜一憂するも、結果としてレンジ取引を脱却できず。16時現在では147.90円レベルで推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシア国営メディアのインタビューに応じたプーチン大統領が、「核戦争への準備は万端に整っている」、「ロシアの核戦力は米国より上」とコメントしたとして物議を醸す。また外務省のザハロワ報道官からも、一部NATO加盟国による「思慮に欠ける行動」によって、ウクライナでの戦争が制御不能になるとした発言が聞かれていたようだ。米国をはじめとする西側諸国から、一連のロシア要人発言への批判の声が相次ぐなか、米NSC報道官は「ロシアの核をめぐるレトリックは無謀で無責任なもの」と一刀両断。さらに「米国はウクライナを支援し続ける」と表明しており、ロシア得意の核恫喝は効果が乏しかったようだ。
対して後者は、台湾国防部が「中国ロケットが上空通過」と発表。威嚇の動きを強めていることを示唆していた。また、中国が領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州のトンネル開通式にモディ首相が出席したことに、中国サイドが反発したことも別途伝えられている。そうしたなか、中国政府は、自動車の買い替え促進や設備投資の拡大を柱とする大規模な内需刺激策を発表したものの、反面で不動産開発大手の碧桂園が人民元建て社債の利払いを初めて怠ったことが明らかになるなど、不良債権処理が儘ならず。内需刺激策などへの効果に疑問を抱く向きもあるようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は目先トレンドレス。下方向は146円半ばで、上方向は149円というレンジの上下を試したものの、ともに抜けられず。そのため、取り敢えずは146.50-148.50円程度のボックス圏にはまり込んだ感がある。材料的には予断を許さないものの、基本的には来週の日米金融政策会合にらみで、目先は前述したレンジを中心とした展開が続きそうだ。
注目を集めている日米金融政策をめぐり、引き続き思惑が二転三転する目まぐるしい展開だ。実際、ブルームバーグでは、昨日明らかになった日本の春闘における賃上げムーブを受け、「来週の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除に踏み切るとの観測が高まっている」と再度金融修正にバイアスを掛けて報じていたが、果たしてどうなるか。一方米国は、いわゆるブラックアウト期間入りで、当局者などからの発言が途絶えるなか、このあとも発表される米経済指標に一喜一憂する展開か。本日でいえば、2月の小売売上高や同生産者物価指数などに要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は上抜けに続き、底割れも失敗に終わり足もとは小康。非常に居心地の良い147円台を中心としたレンジ取引をたどっている。このあとも基本はレンジ取引が予想されるものの、チャート的には再びドル安へ振れた方が面白い。移動平均の200日線をはじめ、テクニカルサポートも多いだけに、逆にそれらを割り込んでしまうと下げが一気に加速する危険性もありそうだ。
本日は米経済指標として、2月の小売売上高や同生産者物価指数などが発表される予定となっている。後者もさることながら、前者への市場の関心がとくに高いだけに数値如何によっては相場の波乱要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.30-148.50円。ドル高・円安方向は昨日高値である148.05円が最初の抵抗。しっかり抜けると148円半ばを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた147円半ばをめぐる攻防にまずは注目。下回ると昨日安値の147.24円が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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