ドル円 ドル下落も目先一服か、米消費者物価に注目(3/12夕)

東京市場はドルが一段高。日中安値から1円程度上昇するなど、終日ドルは堅調だった。

ドル円 ドル下落も目先一服か、米消費者物価に注目(3/12夕)

ドル下落も目先一服か、米消費者物価に注目

〇本日のドル円、146.95レベルで寄り付き146.60-65へ下げるも147.60-65まで上昇、ドル一段高の展開
〇基本的なリスクは依然ドル安方向だが、本日東京の動きをみるとドルの下値トライも目先一巡か
〇次の材料をにらみつつ、しばらくは146.50-148.50程度のレンジ取引継続の可能性も
〇本日発表される2月米消費者物価指数が注視される
〇欧米時間のドル円予想レンジは146.60-148.00、ドル高・円安方向は147.60-65が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、146.60-65、146円半ばがサポートとして意識されるか

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが一段高。日中安値から1円程度上昇するなど、終日ドルは堅調だった。

ドル/円は146.95円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り先行。146.60-65円まで小緩む局面も観測されていた。しかし切り返すと、その後は一貫してドルの買い戻しが優勢に。1円程度上昇した147.60-65円まで達したのち、16時現在では小緩んだ147.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、昨日初の72000ドル台を付けた暗号資産(仮想通貨)ビットコインだが、本日東京時間には上げ渋り。強保ち合いながら、高値は更新できていない。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、これまで何度か報じてきたように先週はロイターをはじめとする通信社がこぞって「日銀の早期修正観測」をレポート。それもあり、ブルームバーグによると「3月のマイナス金利解除予想が急増、足もとは4月とほぼ二分」されている状況だ。また、いずれかに解除される可能性があるとの回答は9割を超えたという。そうしたなか時事通信は再び「賃上げ率が23年大きく上回れば3月にマイナス金利解除」と報道していた。しかし、鈴木財務相から「デフレ脱却チャンスだが、脱却したとは認識していない」とのコメントが聞かれたうえ、植田日銀総裁は「物価目標達成見通し持てれば大規模緩和の修正検討」と発言したものの3月修正については言及せず。結果として、これまでの修正と思しき円売りを誘発させる一因になっていたと考えられる。

対して後者は、9日に伝えられたローマ教皇による「ウクライナは白旗揚げる勇気を持つべき」との発言が依然として尾を引いている。ロシアのペスコフ報道官は「極めてよく理解できる」と述べ歓迎する意向を示したものの、西側諸国などからは非難が相次いでいた。また、当のウクライナ外務省は、バチカン(ローマ教皇庁)大使を呼び出し、ローマ教皇発言に反論するとともに「深い失望」を伝えたという。なお、そうしたなかフランス大統領が数週間以内にウクライナを訪問し首脳会談を実施する考えを示すなど、引き続き根強いウクライナ支援の動きも観測されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、先週末に続き昨日も146円半ばまで下落したが下げ止まり。基本的なリスクは依然としてドル安方向にバイアスが掛かりそうだが、本日東京の動きをみるとドルの下値トライも目先は一巡か。予断を許さないものの、次の材料をにらみつつ、しばらくは146.50-148.50円程度のレンジ取引が続く可能性もある。
市場は引き続き日米金融政策に注目しているが、様々な思惑が交錯して右往左往。前述したように、先週までは「日銀の早期金融修正不可避」ムードが強く円買い材料として寄与していたが、本日東京では一転してハシゴを外された感もあり、「早期修正」への警戒感が急速に広がっていた。このあとも伝えられる要人発言などをめぐり、市場の一喜一憂は続く見込みだ。一方、米国も基本的には同様の展開が予想されるなか、本日でいえば2月の米消費者物価指数が発表されるだけに、そちらの動きがとくに注視されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は形成していたレンジを下放れしたことで、基本的なリスクはドル安方向に高そう。移動平均をみても21日線が先週末から再び下降に転じるなど、中期スパンの基調転換さえもうかがえる内容だ。とは言え、いわゆるドル売りの第一波は早くも終了した可能性があり、しばらくは147円台を中心に小康か。下方向にバイアスをかけつつも、ドルの底堅い値動きが予想されている。

本日は米経済指標として、2月の消費者物価指数や同財政収支などが発表されるほか、米財務省による10年債の入札が実施される見通しだ。ちなみに、もっとも注視されている2月消費者物価の予想は前年比プラス3.1%、コア指数は同3.7%程度を見込む向きが多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.60-148.00円。ドル高・円安方向は東京高値である147.60-65円が最初の抵抗。また、それとともに移動平均の90日線をめぐる攻防にも注目だ。とくに後者はNYクローズで超えられるか否かが注視されている。
対するドル安・円高方向は、本日東京にあたる146.60-65円、146円半ばがサポートとして意識されそうだ。下回ると145.90円がターゲットに。

ドル下落も目先一服か、米消費者物価に注目

ドル円日足


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