ドル円 米雇用統計に注目、悪化リスクも取り沙汰される(3/8夕)

東京市場は結果行って来い。一時ドル安が進行し、前日安値を下回るも続かなかった。

ドル円 米雇用統計に注目、悪化リスクも取り沙汰される(3/8夕)

ドル円 米雇用統計に注目、悪化リスクも取り沙汰される

〇本日のドル円、一時ドル安進行、前日安値147.59を一時割り込むも反発、147円後半中心の一進一退
〇移動平均の90日線が位置する147円半ばで下げ止まる、このあと割り込んでいくのか否かに注目
〇日本の金融政策については早期金融修正不可避ムード強まる、短期的には円高の支援要因に
〇本日発表の2月米雇用統計に要注意、悪化リスクの懸念もあり数字如何では波乱の可能性も
〇欧米時間の予想レンジは147.30-148.90、ドル高・円安方向は148.10-30レベルの攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は147円半ばが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

東京市場は結果行って来い。一時ドル安が進行し、前日安値を下回るも続かなかった。

ドル/円は、148.00-05円で寄り付いたのち、ドルは緩やかな右肩下がり。前日安値147.59円を一時割り込んだ。しかし、大きく崩れるには至らず、反発に転じると148円台を回復。その後は147円後半を中心とした一進一退をたどるなか、16時現在では147.85-90円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米欧金融政策」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、7日にECBは「政策金利を4.50%に据え置く」と発表。そのうえで、ラガルド総裁は会見において「今回の会合で利下げは議論しなかった」とコメントしつつ、「制約的なスタンスの縮小について討議し始めたところだ」とも述べていた。予想よりも、若干弱めの内容だったとの評価が多いようだ。一方、米国はパウエルFRB議長が前日に続けて議会証言を実施。ほぼ前日の発言を踏襲したもので新味は乏しかったが、それでも「経済が予想通りに進展すれば、今年利下げが始まる可能性」、「利下げに自信を持てる地点からさほど離れていない」−−などといった文言も聞かれており、敢えて言えばドル売り要因との見方も。

対して後者は、6日に南部オデーサを訪問していたゼレンスキー大統領とギリシャのミツォタキス首相の近くにロシアのミサイルが着弾したことについて、「両国の代表団を意図的に狙った可能性がある」などといった見方が急速に広がり、思惑を呼んでいるようだ。ちなみに、ロシアサイドは「ウクライナ軍の海上ドローン格納庫を攻撃」と釈明しているが、西側諸国などから非難の声がさらに高まっているようだ。そうしたなか、チェコのパベル大統領は懸案となっていたウクライナへの砲弾供給に必要な資金が集まったと発表。さらに続けて、「80万発の砲弾は数週間以内に届けられる可能性がある」と指摘していた。現状やや押され気味のウクライナの巻き返しを期待する声もあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日ドルがさらに続落し一時は147円半ば。2月7日安値も下回り、同2日以来の安値を示現している。ただ、前述した147円半ばは移動平均の90日線も位置しており、ドルは辛うじて下げ止まったと思われる。このあとの欧米時間に、昨日は維持された90日線を今度はしっかりと割り込んでいくのか否かにまずは注目だ。なお、90日線を下回ると少し遠いが200日線や一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置する146円前後がターゲットに。
依然として日米金融政策についての思惑が交錯するなか、日本についてはいつしか「早期金融修正不可避」ムード一色になってきた。「月内3月にもマイナス金利解除」といった見方が、一部で取り沙汰されているほどだ。短期的には円高の支援要因に。一方、米国は発表される米指標や要人発言次第とはいえ、早期利下げ期待が再び強まってきた感がある。このあとのNYタイムに発表される2月の米雇用統計が、思惑をさらに高めるような内容となるのか否か、数字如何では波乱の可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は過去3週間ほど推移していたレンジを現状下放れ。昨日は90日線に下値を支えられたが、リスクはドル安方向で間違いなさそうだ。前回安値2月1日の145.90円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、昨日61.8%戻し(147.80円)も下回っており、残るは76.4%戻し(147.05-10円)のみ。したがって、90日線や76.4%戻しを下回ると、全戻し146円割れに向けたなかなかの深押しが入る可能性もある。

本日は米経済指標として、注目の2月雇用統計が発表される予定。ちなみに、失業率は3.7%、非農業部門雇用者数はプラス20万人程度が見込まれているもよう。ただ、1月の雇用統計が予想以上の好数字になったことから、反動もあり悪化リスクを取り沙汰する向きが多いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.30-148.90円。ドル高・円安方向は東京高値を含めた148.10-30円レベルの攻防にまずは注目。上値が徐々に重くなりつつあり、149円は少し遠くなった印象だが果たして如何に。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースで2度下げ止まった147円半ばが最初のサポート。下回ると147.05-10円がターゲットだが、おそらく抜けるとすれば易々と下回りそうだ。

ドル円 米雇用統計に注目、悪化リスクも取り沙汰される

ドル円日足


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