ドル円 レンジ下放れし、ドルに続落懸念台頭(3/7夕)

東京市場はドルが一段安。149円を割り込み、約1ヵ月ぶりの安値148円台を示現している。

ドル円 レンジ下放れし、ドルに続落懸念台頭(3/7夕)

レンジ下放れし、ドルに続落懸念台頭

〇本日ドル円、緩やかな右肩下がりで149円を割り込み、終盤148.10-15まで下げる
〇時事通信報道や中川委員の発言により日銀の緩和政策修正観測が復活、円買いを支援
〇昨日NYクローズで21MAをしっかり下回り、本日東京時間は大幅続落で約1ヵ月ぶりの安値圏へ
〇昨日のFRB議会証言、年内いずれかの時点での利下げが適切とのコメント
〇昨日発表の2月米ADP雇用統計は予想下回る内容
〇本日は米1月貿易収支、新規失業保険申請件数、FRB議長の議会証言(上院)に要注目
〇欧米時間の予想レンジ:147.50-148.90
〇ドル高・円安方向、まずは148円半ばレベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向、148円が最初のサポート、下回ると147.62を目指すか

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが一段安。149円を割り込み、約1ヵ月ぶりの安値148円台を示現している。

ドル/円は、寄り付いた149.40円レベルを日中高値に緩やかな右肩下がり。149円を割り込んだあとも下げ止まらず、終盤には148.10-15円と、東京だけで1円以上もじりじりと値を下げた。後述する要因を受け、日銀による緩和的な金融政策の修正観測が復活し、円買いを支援していた。16時現在、ドルは日中の最安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「米金融政策」について。
前者は、週明け4日に共同通信が「政府、物価の上昇傾向を受け『デフレ脱却』を表明する検討に入った」とした観測気球を上げるも、そののち鈴木財務相が否定。しかし、時事通信が「18-19日に開催される日銀金融政策決定会合で、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通し」と報じたことに続き、ブルームバーグも「一部の政府関係者、日銀による3-4月のマイナス金利解除を容認姿勢」などと報じ、これらがマーケットで大いなる物議を醸していた。そののち本日東京時間に伝えられた中川日銀委員の発言は「2%物価目標実現に向け着実に歩を進めている」、植田総裁発言は「物価目標実現見通せれば、大規模緩和の修正を検討」−−といった内容。市場の円買いを支援していたようだ。

対して後者は、昨日発表された2月の米ADP雇用統計は予想を下回る内容。また、パウエルFRB議長からはほぼ想定内だが、「年内いずれかの時点で利下げが適切になる可能性は高い」とのコメントが聞かれていた。ただ、その一方で、サンフランシスコ連銀総裁は「今後のFRBの課題は、拙速な利下げを行うことがないよう、政策を調整していくこと」と述べたたうえ、ミネアポリス連銀総裁は「米利下げが今年は多くて2回。1回の可能性もある」と逆に強気な発言をしていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日NYクローズで移動平均の21日線をしっかり下回ったことに続き、本日東京時間にドルは大幅続落をたどっている。前述したように148円台を示現するなど、約1ヵ月ぶりの安値圏へ。そんなドルの次のサポートは2月7日安値の147.62円。近いレベルには90日線も位置しており、簡単に抜けていくイメージは乏しいが果たしてどうなるか。
引き続き日米金融政策について思惑が交錯するなか、先で取り上げたように気が付いたらすっかり「日本の早期金融修正不可避」ムード一色になってきた。個人的には、これまでの見解の範囲内で、大きく変化したところはないと考えているのだが、ともかく足もとのマーケットは円強気へと傾斜している。ハシゴを外された、などという今後訪れるかもしれない市場の勝手な期待感の剥落観測にも一応注意しておきたいところだ。一方、発表される米指標や要人発言を受けた米金融政策の行方も、波乱要因として別途要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は過去3週間ほど推移していたレンジを現状下放れ。もちろん、まだザラ場ベースの動きであり、このあと元のレンジへ回帰する可能性もゼロではないが、基本的なリスクはドル安方向で間違いないだろう。次のドルサポートは2月7日安値の147.62円で、それを下回ると少し遠いが145円台も見えてくる。

本日は米経済指標として、1月の貿易収支や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される見込みだ。また、昨日の米下院金融委に続き本日は上院銀行委でパウエルFRB議長の議会証言も行われる予定。こちらも引き続き注視されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.50-148.90円。ドル高・円安方向は上値がすでに重くなりつつあり、149円は少し遠くなった印象も。まずは148円半ばレベルの攻防に注目だ。
対するドル安・円高方向は、心理的な意味合いから148円が最初のサポートで、下回ると147.62円を目指す展開か。それも割り込むと下値余地がさらに広がりかねない。

レンジ下放れし、ドルに続落懸念台頭

ドル円日足


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